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20 :.堕ちゆく魂 ◆pcuNHWKE2Q :03/05/28 15:04 ID:Z4PFI42V
 僕の身体、一体どうしてしまったのだろう?
 瞼を閉じるとその光景が浮かんでくる。
 いけない、まただ…
 ヒトのカラダというのは不思議だ。
 これを鎮めるには、自分でするしかない。
 それを知ったのも、つい最近。
 シンジ君の家に初めて呼ばれた日の夜。
 彼の同居人だという葛城ミサト。彼女が僕にした事、それは……


「ねぇカヲル君。あの、さ…良かったら泊まっていかない?」
 帰ろうとした僕を引きとめる声。瞳を見つめ返すと僕から目を逸らす。
 ふっと視線をシンジ君の隣にいる女性に向ける。にっこりと微笑んでいる。
「私ならいいわよ。その方がシンジ君も喜ぶみたいだし、ね?」
 とても穏やかな笑み。まるで聖母のような包容力を感じる。
 だからなんだ、シンジ君がこの人と住んでいるのは。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
 微笑み返し、彼の同居人に頭を下げる。
 
 少し憧れていたヒトとの共存。
 僕をここに送り込んだ老人達が、この想いを知ったらどうなるんだろう?
 そんな事を考えながら、シンジ君の部屋で床についた。
 僕は畳の上に敷いた布団で、シンジ君はベットで。
 他愛も無い会話が続く、とても楽しい。
 時計が十一時を回る。徐々に会話が減り互いに睡魔に襲われ始め、そのまま眠りについた。

 不意に目が覚める。まだ真っ暗。
 何時だろう?と時計を見るため上体を起こす、と隣のベットにシンジ君の姿は無い。
 トイレなのかなと思っていると、耳に小さく声が届いてきた。

33 :.堕ちゆく魂 ◆pcuNHWKE2Q :03/05/29 15:05 ID:+u77+yPH
>20
 ふすまを開けるとダイニングの方から声が聞こえる。
 数時間前、シンジ君と葛城さんと僕で食事をした場所。

「駄目ですよ、ミサトさん…」
「どうして?今日はしたくないの?」
「…だってカヲル君が。それにこんな所見られでもしたら……」
「いいじゃないの。見られて減るもんじゃないでしょ?」
「そ、そんなミサトさん。やめっ…あっ……」

 何だろう…二人で何を?
 ダイニングへと向う。しかしそこに二人の姿は無かった。
 どこからなんだろう、この音。
 しん…と静まり返った家のどこかから聞こえる音。
 粘着質な濡れた音。

 リビングへと視線を移す。
 この隣の部屋から音が漏れている。そんな気がした。
 その部屋のふすまには、わずかに隙間が出来ている。
 そこに顔を近づける。明かりはついていない。
 光は窓から差し込む月明かり。暗闇の中でうごめく人影。
 徐々に目が慣れると闇に二人の姿が浮かび上がった。

「なっ―――!!!」
 思わず声を上げそうになり、とっさに手を口に当て塞ぐ。
 シンジ君が仰向けに寝そべり、その上に跨っている葛城さんの姿。
 二人とも服を着ていない。
 シンジ君の顔、苦しそうな辛そうな…でもそれを望んでいる。
 その表情を上になった葛城さんが楽しそうに臨んでいる。
 僕は、その光景から視線を逸らせずにいた。

34 :.堕ちゆく魂 ◆pcuNHWKE2Q :03/05/29 15:55 ID:+u77+yPH
>33
「みっ、ミサトさん。僕…もう……」
「まだよ。まだだめ。もうちょっとがまんして」
「でも、でも……」
「しょうがないわねぇ。いいわ、出しちゃいなさい。いっぱい…ね?」

 不思議な感じ。
 見ているだけでカラダが熱を帯びていく。
 見てはいけない気がする。カラダがおかしい…でも動けない。
 シンジ君が一際大きく喘ぐと二人の律動が止む。
 その瞬間、葛城さんの視線がこちらへと飛ぶ。
 とっさにふすまから顔を離す。
 目が合った……そんな気がした。

 ここに居てはいけない。シンジ君の部屋へ戻ろうとする。
 しかし足元がおぼつかない。頬が、顔が、カラダが熱を帯び苦しい。
 ふらふらと部屋にたどり着き、布団にもぐりこむ。
 落ち着かないと、落ち着かないと…そう思えば思うほど熱を持つ。
 布団のなかで身を丸めるように横になる。
 この時、カラダの一部が異常に強張っている事に初めて気付く。
「僕のカラダ…どうしちゃったんだろう」
 こういう時の対処法、あの老人達は教えてくれなかった。
 ヒトとして生活する上での最低限のルールと、自分のなすべき事。
 それ以外は必要無い、と。
 眠れば治まると思ったが、カラダが…その部分が邪魔をする。
 どうしたらいいのか、と考えていた時、ふすまの滑る音が聞こえた。
 シンジ君が戻ってきたのだ、と布団に包まりながら思っていると、足音が僕の寝ている布団の足元付近で止まる。
 どうしたんだろう?と思った次の瞬間、ヒトの温もりが布団の中に侵入してくる。
 慌てて上体を起こし布団を剥ぐと、そこには葛城さんの姿があった。

47 :.堕ちゆく魂 ◆pcuNHWKE2Q :03/05/30 15:23 ID:0XD29HIJ
>34
 目の前にある全裸の女性の姿。僕に優しく微笑みを零す。
 その女性の手が僕の股間に伸びる。
 動けない。
 擦られる―シンジ君に借りた寝間着代わりの半ズボンの上から。
「ぁ…っ……」
 突然襲う感覚に声がてしまう。
 自分でも分からない。熱い熱い吐息が漏れる。
 何かいけない事をされているのは、どことなく分かる。
 拒絶を試みる。
 しかし、声が…言葉が出ない。
 その代わりにカラダが、その部分が声を上げて叫ぶ。”続けて”と。

 瞼を閉じ、その行為に身を委ねていると、突然動きが止まる。
「…ぇっ……」
 切なく苦しい。疼きが全身を駆け巡る。
 顔に暖かな息遣いが感じられ、目を開けた瞬間、葛城さんの唇が僕の唇を塞ぐ。
 ぷにゅっとした感触が包む。思わずカラダが硬直する。
 同時に股間を弄っていた手が、僕の着ている大き目のTシャツの中にもぐりこむ。
 つつつ――と指でなぞられ、カラダを捩らせてしまう。
 くすぐったい…とも何かが違う。
 僕の胸に届いた指先が突起に触れ、摘み捏ねる。
 電気が走るような感覚。カラダの疼きが膨れ上がる。
「んぅ…んんっ……」
 唇を塞がれているので、言葉を発せられない。
 声を出そうと少し開けた唇に、滑り込むように舌が侵入してくる。
 咥内を動き回る舌の感触。
 味わわれ、蹂躙され、侵される。
 抵抗すら出来ずに…

71 :.堕ちゆく魂 ◆pcuNHWKE2Q :03/05/31 15:34 ID:nFG90rT7
>47
 息が、胸が、カラダが…全てが苦しい。
 でも、いやじゃない。
 胸の突起を弄んでいた手がTシャツ内から抜かれ、そっと僕の頬に添えられる。
 それと同時にぬめる舌の感触が咥内から引かれ、唇を解放された。

「大人のキスよ。よかったでしょ?」
 惚け眼に映る女性の口が微笑に緩む。
 ただ頷く事しか出来ない。口を吐くのは熱い息のみ。
 その返答を見るとにっこりとしたまま、僕の着ているTシャツの裾に手を掛けた。
 そのまま真上に引き上げられ、万歳をする格好で脱がされる。

「な…なんで、こんなことを?」
「さっき覗いてたでしょ、私達のしてるとこ」
「そっ、それは……」
「シンジ君だけにして、あなたにしないわけいかないでしょ?」
「そんな無茶苦茶な。どこをどうしたらそんな発想に……」
「いいじゃない、深く考えないの。したいからする、それが私の流儀よん」
 双肩に手を掛けられ、そのまま押し倒された。
 僕のカラダを跨ぎ、覆い被さるように上体を倒し迫る。
「ちょっ、やめてください。シンジ君が戻って来たら…」
「だいじょうぶよ。あっちでぐっすり眠ってるわ。ちょっと激しくしたら気を失っちゃうんですもの」
 楽しそうに微笑む口元。そこから小さく言葉が漏れ聞こえる。
「ね?触ってみて」
 手を掴まれ誘導される。
 むにゅっ、とした柔らかな感触が手に当たる。
「ここを揉むの。上手く出来たら、キスよりいい事してあげる」
「い…いいですよ。別に……」
「む、可愛くないわねぇ。ここ、こんなにして。素直になりなさい」
 淫靡に笑むと僕の股間に腰を落とし、ズボンの上から擦るように腰をスライドさせ始めた。

117 :.堕ちゆく魂 ◆pcuNHWKE2Q :03/06/01 23:00 ID:7qM+MR9X
>71
 ずりずりと擦られる。気持ち良くはない。
 生地と擦れ合うたびに生傷に塩を塗られるような激痛が走る。
「ぅあぁ!いっ――やめて、やめて!ああっ!」
 自分でも情けないと思う声。必死に懇願しても黙って笑んだまま腰を擦り付け続けている。
 力の限りあがいてみるがオトナの力には到底及ばず、気付けばボロボロと目から雫が零れていた。
 その様子を見て、僕の頬にキスを落として微笑む。
「いたいでしょ?それが嫌なら素直になりなさい」
 

 痛いのは嫌だった。だから流されたんだと思う。
 後は全身を委ね弄ばれた。葛城ミサト、彼女は僕にヒトの温もりを与えてくれた。
 多少乱暴なやり方だったとしても。
 それが僕をここに留めている…
 
「あっ、カヲル君。ここにいたんだ」
「シンジ君…」
「早く帰ろう?ミサトさん待ってるよ」

 あの日の後、僕は葛城さんの家に引越しをした。
 前弐号機パイロットの部屋が空いているから、と半ば無理矢理。
 その日から毎晩、自分の心を侵されつづけている。
 そしてそれはまだ続くであろう。
 僕が自らの使命を遂行しない限り…

「今日も決心がつかなかったな。あの老人達、怒ってるだろうな…」
 目の前の弐号機から視線を逸らし、彼女が待つ家に歩みを進めていた。

                ―終―


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