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862 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/27(木) 16:53 ID:Q1TEx3YF
 放課後いつものように図書室に向かおうとしていた私の足は、惣流さんに手
を引かれて歩く碇君の後ろ姿を見て止まった。
 階段を上がっていく。屋上にいくみたいだ。
 私は、彼らの後を追っていた。
 屋上に出て、そっとあたりを見回すが碇君達の姿はない。と、
「や、やめようよ」
「なによ。びびってんの?」
 声が聞こえてくる。近くだ。
 どうやら二人は出入り口の影にいるらしい。私は壁に背を付けながら、慎重
に近付いた。声は止んでいる。角から顔だけを出して――
 すぐに引っ込めた。
 見なきゃよかった。こなきゃよかった。二人の姿なんか見つけなければ。私
は運命を本気で呪った。
 二人は――碇君と惣流さんはキスをしていた。
 長いキスは終わったみたいで、また声が聞こえくる。
「……まったく。誰かに見られたら、どうすんのさ」
「それがいいんじゃない。スリルがあって。まぁ、こんなとこ誰もきやしない
でしょうけどね=v
 語尾が妙に強調されている。私はそれが自分に向けられた言葉のように感じ
られた。そんな、まさか――
「なんだったら、最後までしてみる?」
「ば、馬鹿言わないでよ」
「なによ。うちじゃあ、猿みたいにしてるくせに」
「そんなこと……だいたい最初にしようって言ったのアスカじゃないか」
「そうだった? でもあんたのここは、今すぐにでもしたいみたいよ」
「ちょっ」
 チャックを下ろす音。
「ふふ、びんびんじゃない。本番が嫌なら口でしたげるわ」
 すぐにその場から逃げ出したかった。耳を塞ぎたかった。でも、そのどちら
も私にはできなかった。


878 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 04:15 ID:22ZbGPo+
 くちゃくちゃと滑った音が、辺りに響く。
「あぁ、うぅぅ」
 それに碇君の呻き声。
 音だけでも、二人がなにをしているのか分かってしまう。
「どお、気持ちいい?」
「う、うん、気持ちいいよ。とっても……」
 汚される。碇君が汚されていく。
「そう言えばさ。あんた、最近転校生と仲いいみたいじゃない」
「え? う、うん」
 私は、どきりとした。
「山岸だっけ? あの暗い子」
 勝手に決めつけないで。あなたのような傲慢な人に、本当の私が分かるはず
もない。
「そんな言い方……よくないよ」
 やっぱり碇君は優しい。この女が、彼をたぶらかしているんだ。
「好きなわけ?」
「ど、どういう意味?」


879 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 04:16 ID:22ZbGPo+
「馬鹿ね。惚れてんのかって聞いてんのよ」
 私は期待してしまっていた。碇君の答えを。でも、
「山岸さんは、そういうんじゃないよ。話も合うし一緒にいると落ち着くけど、
ただの友達だよ」
 分かっていた。そうであることは十分、分かっていた。けど、それでも思っ
てしまう。裏切られた、と。
「まっ、そうでしょうね。この私が、目の前にいるんですからね。他の女に目
なんか行くはずないわ」
「あ、アスカ、もう、イキそう…だよ……」
「ふふっ、いいわよ。たっぷり出しなさいよ。私にしゃぶってもらえる幸せを
噛みしめながらね」
 助けてあげなきゃ。
 あの女が、碇君を堕落させているんだ。
 だから助けてあげなくちゃ。
 それができるのは、私だけ。
 早くあの女から、碇君を助けてあげなくちゃ。
 一際高くなった碇君の声を背にして、私はその場を立ち去った。


885 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 16:53 ID:v80bBvZd
 数日後、私は碇君を家に誘った。
「面白いビデオがあるんです。見ませんか?」
「うん、いいよ。映画?」
 屈託の無い笑顔の碇君。けれどそれは、私がビデオの再生ボタンを押すと同
時に凍りついた。
「な…なんで……」
 碇君は絶句してしまって、二の句が継げない。
 画面には、学生服姿の男女が絡み合う姿が映し出されている。学校の屋上で、
あの女が碇君の上にまたがっていた。
 あれからあの女は毎日のように碇君を連れ出して、彼を汚していた。それを
見るのは酷く苦痛だった。二人がとうとう性交渉自体に及んだときには、飛び
出して碇君からあの女を引きはがしてやろうかと思った。
 けれど私は耐えた。唇を噛みしめて、拳を握り爪を食い込ませて。おかげで
こうして武器≠手に入れることができた。
「面白いですよね? 学校の中でこんなことしてる人たちがいるなんて」
「見てたの……? 山岸さんが撮ったの……?」
「ええ、たまたま通りかかって」


886 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 16:54 ID:v80bBvZd
「嘘だ! そんなのあるわけないじゃないか! たまたまあんな所をカメラを
持って通りかかるなんて」
 碇君は興奮して、私に詰め寄ってくる。
「落ち着いてください」
 私は静かに――とても静かな声で言った。そうして碇君が、落ち着くのを待っ
てから、
「これが学校やネルフに送りつけられたりしたら大変ですよね。テレビ局でも
いいかもしれない。すごいスキャンダルになるでしょうね。エヴァのパイロッ
ト同士が――」
「やめてよっ!」
 また碇君が叫び声を上げて、私の言葉を遮る。けどその顔は怒りではなくて、
今にも泣き出しそうな顔だ。
 私は気分が良くなった。碇君がいけないんですよ。あんな女に引っかかるな
んて。
「だいじょうぶ。私だって、そんなことはしたくありません」
 私はしゃがみ込んでしまった碇君に合わせて身を屈め、彼の背中にそっと手
を回した。
「その代わり、碇君には一つだけ私の言うことを聞いて欲しいんです」


910 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/03(木) 03:09 ID:1qDm+N0+
 日曜日。人通りの多いの繁華街を、私は女の子と並んで歩いている。
 桜色のワンピースを着て眼鏡を掛けた、セミロングの髪の女の子。碇シン
ジ≠ニいう名の女の子と。
「…………」
 碇君は頬を染めて、ずっと下を見て歩いている。恥ずかしくて周りが見られ
ないみたい。可愛い。
 ワンピースは気に入って買ったのだけれど、私が着るとちぐはぐな印象――
お刺身にソースをかけたみたいな――になってしまい着るのを諦めていた物。
碇君には、よく似合っている。眼鏡は予備のやつだ。さらにカツラを着けても
らっている。こうするとどこから見ても、立派な女の子だ。
「ね、ねえ……」
 碇君は私の腕を掴んで、上目遣いの視線を送ってきた。これからどうするの
か、不安みたいだ。その仕草も本当の女の子みたいで愛らしい。
 私は、この女の子≠ニどうすごそうか――どこで買い物をして、どんな映
画を見て、なにを食べようか、一瞬の内に考えが浮かんだが、それを涙を飲ん
で破棄した。
 碇君に女装してもらっているのには、ちゃんと理由がある。彼には、外では
常にネルフの警備が付いている。それは私が碇君を、あの淫売から守るのを邪
魔するだろう。
 だから碇君には駅のトイレで変装してもらい、念のためそれまで身につけて
いたものは全部コインロッカーに預けてきている。
 それから周囲の様子には気を配っているのが、幸いあの目立つ黒服姿の人たち
は見あたらない。
「そうですね。そろそろ私の家にいきましょうか」
 私の言葉に、碇君はほっとした表情を見せた。そうです。安心してください。
碇君は私がずっと守ってあげます。あの女から。他人から。全てから。
 ずっとずっと――守ってあげますから。


914 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/03(木) 16:34 ID:HAC4WdFy
 自室に帰った私は、テーブルを挟んで碇君と向かい合って座っていた。ゆっ
くりと時間が過ぎていく。彼の姿を見ているだけで、私は満たされる。
 碇君は、そわそわと落ち着かない。
 紅茶を一口飲んで、
「やっぱり似ていますね、私たち」
 数分ぶりに言葉を発すると、碇君はびくりと体を震わせた。
 女装した碇君は、その姿も私とよく似ていた。鏡を見ているよう、とまでは
いかないけれど、姉弟――いいえ、姉妹のように思える。
「そ、そうかな……」
「ええ」
 戸惑う碇君に、私は自信たっぷりに頷いた。
 また紅茶を口に運び、沈黙してみる。
 しばらく碇君も紅茶を飲んだり、視線をあちこちに移動させたりしていた。
けれど、とうとう耐えられなくなったのか、私に疑問をぶつけてくる。
「……山岸さん、僕になにをさせたいの? こんな格好させて……」
「似合ってますよ、とっても」
 私がはぐらかすと、さすがの碇君も頭にきたようで立ち上がった。
「用がないなら帰るね」
 言い放ち部屋を出ていこうとする碇君の手を、私も立ち上がって掴んだ。
「だめです。碇君は、もう一歩もこの部屋から出ないでください。それがあの
ビデオを公開しない条件です」
「ば、ばか言わないでよ。そんなことできるわけない」
 碇君は本気で怒ったみたいで、語気がいつになく強い。でもこれが碇君を守
るたった一つの方法。
「それに、いまからじゃたぶん家には帰れませんよ」
「え……なに言って……あ…れ……?」
 足下をふらつかせて倒れかかった碇君を、受け止める。予想通り、睡眠薬が
効いてきたみたい。
「もうなにも心配いりませんよ、碇君」
 完全に意識を失った碇君を、私は慎重にベットへと運んだ。


920 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/04(金) 16:45 ID:CXZ9I+Ja
 カツラと眼鏡を取っても、碇君の面立ちでは十分に少女に見える。
「こうして眠っていると、まるでお人形さんみたいですね」
 私は眠っている碇君の唇に、自分の唇を重ねた。柔らかさ、暖かさを味わっ
て離す。
 私は唇に手を当てて、その場で飛び跳ねた。
 キスをした。碇君――いえ、シンジ君とキスをしてしまった。
 その事実を噛みしめると、幸せが体の隅にまでいき渡るようだった。私は今、
世界中で一番幸せな女の子かもしれない。
 これだけで十分満足できていたと思う――あの女の存在さえなければ。
 そうだ。あの女が汚した所は全て、きれいにしてあげなくちゃいけない。そ
うしないとシンジ君が腐ってしまう。
 ワンピースを脱がせて、さらに衣服を剥いで碇君をブリーフだけの状態にす
る。露出した碇君の肌は、白くてとても美しい。
 私は、シンジ君の胸に顔を埋めた。シンジ君の匂い、体温、鼓動、今まで知
ることのできなかったそれらが、一度に私に伝えられる。
「ふふっ」
 ピンク色の小さな突起を摘んでみる。なんとも言えない感触だ。
 浮き出た鎖骨や、肋骨を撫でるのも快い。
 私は碇君の体をしっかりと抱きしめてその肌触りを堪能してから、名残惜し
く一度身を離した。


921 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/04(金) 16:45 ID:CXZ9I+Ja
 シンジの下半身に目を向ける。
 一呼吸してから、私はシンジ君のブリーフを引き下ろした。
 するとシンジ君の股間に象の鼻のような器官が現れる。
「これがシンジの性器……」
 この日のためにネットで画像をあさりモニター上で見てはいたけれど、実物
を見るのはもちろん初めて。ネットで初めて無修正画像を目にしたときには、
醜悪で吐き気さえ覚えた。こんなものがシンジの君にも付いているなんて信じ
られなかった。
 けれど今目の前にして、私はそれ≠早く触ってみたいと思った。口に含
んでみたいとさえ。
 シンジ君の性器であるということが、私をそれ≠ゥら目を離せなくしてい
る。
 私は内から突き上げてくる衝動を抑えて、机の引き出しからネット通販で手
に入れた手枷と足枷、それに口を取り出して、シンジ君を拘束した。
 こんなことをするのは不本意だけれど、目が覚めたときあの女に騙されてい
る彼はきっと抵抗すると思う。それを思うと悲しい気持ちになる。
 けど、すぐに私の気持ちを分かってもらえると思う。あの女のことなんて、
微塵も残さず忘れてくれると信じている。


925 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 04:32 ID:PO18YENP
 私はシンジ君の性器を掴んで、口に入れた。
 あぁ、私は今、シンジ君のおちんちんを舐めてるんだ。興奮で体が小刻みに
震えている。
 汚いなんて思わない。しょっぱさも気にならない。美味しい。すごく美味し
い。私は夢中で、シンジ君のおちんちんをしゃぶり続けた。
 そのうちに、口の中で性器が大きさを増してゆくのが分かった。
「ふふっ、感じてるんですね。シンジ君」
 口を離すと勃起したおちんちんは、亀頭の先を覗かせている。
 ゆっくりと皮を剥くと、ピンク色の亀頭が完全に露出した。とてもきれいで、
私は見とれてしまう。
 私はスカートとショーツを脱ぎ捨てて、ベットの上に登った。自分の性器を
見下ろす。恥毛が、また濃くなったような気がする。同級生の子と比べても濃
い方だと思う。ちょっとコンプレックスだ。
 性器からは透明な滴が、よだれみたいに垂れている。心と同じで、体も早く
シンジ君を迎え入れたくてしかたがないみたい。
 私は腰を屈めて、おちんちんを握り性器に押し当てた。
 とうとう、シンジ君とひとつになれる。
 体重を落として、おちんちんを性器にくわえ込む。
「あぁ――」
 きつい。想像していたよりもずっと。
 でも、やめるだなんて考えられない。私は、痛みを無視してシンジのおちん
ちんを全て飲み込んだ。
「はぁ……」
 熱い。性器も胸の内も、ぜんぶ熱い。
 私は、シンジ君の顔の脇に両手を着いた。
「あは、シンジ君、分かりますか? 私とシンジ君、繋がってるんですよ。ひ
とつになってるんです」
 私の心を分かってくれるシンジ君と、体もひとつになることができた。こん
なにも似ているふたりが、ひとつになることはきっと定められた運命。これか
らはずっとふたり、けして離れるもんか。
 声が聞こえたのかシンジ君が、うっすらと目を開ける。


939 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 15:32 ID:Svlwxkbc
「うぅ?」
 私を見て、結合している下半身を見て、
「うぅ、うぅううぅ!」
 シンジ君は血相を変えて、逃れようと身をよじった。でも、拘束してある状
態では大した抵抗にはならない。
「だ、だめですよ。私が動きますから、シンジ君はじっとしていてください」
 私は、シンジ君の上で腰を動かし始めた。性器に感じる刺激が痛みなのか、
気持ちよさなのかそんなのは分からない。
 ただ、私はシンジ君とセックスしている。それは愛し合う二人が至る到達点。
その思いだけで、私は腰を上下させた。
「う…うぅ……うぅぅ」
 いつしかシンジ君の声は、切なげなものに変わっている。
「気持ちいいですか? おちんちん、気持ちいいですか?」
 私は動きを早めた。そして――
「うぅ、うぅぅっ!」
 私の中にシンジ君の精が放たれる。
「あぁ、出てますよ、シンジ君。私の中に、あなたの精液がすごいたくさん!」
 最愛の人の精子を子宮で受け止める。恍惚。天にも昇る気持ちとは、このこ
とだと思う。
 なのに碇君は、今にも泣き出し顔をしている。しかたがないことだけど、やっ
ぱりすこし興を削がれてしまう。あ、けど、
「シンジ君、まだしたいんですか?」
「うぅ、うぅうぅ」
 シンジ君は激しく首を振った。けれど私の中にある彼のおちんちんは、まだ
硬いままだ。
「気に入ってくれたんですね。私の――おまんこ」
 きっと私たちは、性器の相性もいいに違いない。私は嬉しくなって、腰の動
きを再開させた。


941 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 16:54 ID:Svlwxkbc
「ううぅ、うぅ」
 リズムを取りながら、腰の動きを繰り返す。
 五分もすると、シンジ君は再び精液を噴出した。私の膣内は、きっと精液で
溢れてぐちゃぐちゃになっている。とろけてしまいそう。
「うぅ……うぅぅ」
 さすがに、シンジ君のおちんちんは萎えて小さくなってしまった。
 でも私は、もっとシンジ君とセックスしたかった。だんだんと気持ちよさが
分かってきたような気がする。
「シンジ君、もう一度しましょう」
「うぅ!」
 シンジ君はいやいやと、首を横に振った。目は見開かれていて、そんなの無
理だと訴えている。
 でも、だいじょうぶ。
「私、シンジ君のために勉強したんです」
 人差し指を舐めて濡らして、シンジ君のお尻の穴に押し入れる。
「うぅぅっ!」


942 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 16:55 ID:Svlwxkbc
 シンジ君は、くぐもった悲鳴を上げた。口枷をしてなかったら、近所中に響
き渡っていたかもしれない。
 差し入れた指で、睾丸の裏の辺りを撫で擦る。前立腺と言うらしい。
「うぅ」
 丹念に何度も撫でていると、シンジ君のおちんちんはゆっくりと大きさを取
り戻していった。
「ほら、これでまだできますね」
 私は涙を流すシンジ君の上で、彼のおちんちんをむさぼった。
 もっともっとたくさん、シンジ君の精子を受け止めよう。ふたりの子供がで
きるように。
 男の子がいいだろうか。女の子がいいだろうか。
 両方欲しい。
 けど、三人生まれても女の子ばかりの姉妹で、男の子が生まれないなんてこ
ともあるかもしれない。いい、そのときは四人でも五人でも、十人でも男の子
が生まれてくれるまで産み続ければいい。
 
 その日のシンジ君は、どこをどう触っても五回が限界だった。


953 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/06(日) 04:17 ID:SiJJxe9O
 私は、おはようのキスがしたくて――その欲求が抑えきれずに――彼の口枷
を外そうと手を伸ばした。彼だってもう、私がどんな風に彼のことを思ってい
るか理解してくれたはず。無闇に声を上げたりはしないと思う。
 口枷に手が掛かる。なぜか彼の顔は怯えているように見えた。そんなわけな
いのに。
 口枷が外れて、
「シンジ君――」
「変態っ! 近寄らないで、触らないで。帰してよ、僕を家に帰してよっ!」
 シンジ君は絶叫した。
「変態?」
 無意識に、私はシンジ君を平手で殴っていた。無意識なのだから、加減なん
かできるはずもない。
 パンッ、という甲高い音が四、五回もしただろうか。気が付くと、両の頬を
真っ赤に腫らしたシンジ君が倒れていた。
 酷いことをしてしまったと思う。今の彼はあの女の影響を受けているから、
私を受け入れてくれるに時間がかかるのはしかたがないのに。
 私は謝ろうと口を開いて、
「ごめん――」


954 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/06(日) 04:18 ID:SiJJxe9O
 けれどそれは、シンジ君のさっき以上の大音量の叫び声にかき消されてしま
う。
「助けて! 誰か助けてっ! アスカァ!」
 一瞬、目の前が白くなったような気がした。
 顔面を足で蹴った。
 なんで、私の気持ちを分かってくれないんだろう。こんなに大切に思ってい
るのに。
 馬乗りになって、握った拳を無茶苦茶に叩き付けた。
 どうして、あの女の名前なんて呼ぶんだろう。よりによって、あの女の名前
を。
 拳が痛くなって叩くのをやめると、拘束してあるせいで腕で顔を庇うことも
できないシンジ君は、ぼろぼろになって鼻からは血さえ流れていた。
「やめて……やめてよ……」
 弱々しく呻く彼にまた口枷をはめて、手足の拘束を確認してからクローゼッ
トに押し込める。
 一緒に朝食を摂ろうと思ったのに――。
 まあいい。私が学校にいってる間、ひとりでいれば頭を冷やしてくれるでだ
ろう。そうすれば、誰が本当にシンジ君をかけがえなく思っているか理解して
くれるはず。


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