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8 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:17 ID:yQMKIOPu
 夕焼けは全てを茜色に染めていた。窓外に見下ろす校庭も、彼のいる教室も、
黒板の前に立つ彼女――綾波レイの白い肌でさえも。
 教室の中には、掃除当番で残っているシンジとレイのふたりしかいない。
 シンジはほうきに身を預けるようにしながら、やはりほうきを持ってゴミを
集めている彼女を盗み見た。普段血が通っていないのではないかと思えるほど
蒼白な彼女の肌が、今は暖かな橙に染まっている。それは彼女を、なにか別人
のように見せていた。
 しばらくの間、不思議な気持ちで見とれていると、
「なに?」
「な、なんでもないよ」
 視線に気づいた彼女に問われ、シンジは慌てて掃除を再開した。
(じっと見つめたりして……変に思われたかな……)
 不安に駆られレイの方を見ることができない。ただ床だけを見て、ほうきを
動かす。と、


9 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:17 ID:yQMKIOPu
「どうして私を見ていたの?」
「――!」
 突然耳元で彼女の声を聞いて、驚いたシンジは尻餅をつくような格好で床に
倒れた。
「いたっ」
 いつの間にかレイが、すぐ側に来ていた。床ばかり見ていたので気がつかな
ったのだ。とりあえず、立ち上がろうと床に手を着く。
「どうして?」
 彼女にもう一度問われ、シンジは動きを止めた。レイの表情には感情らしき
ものは――いつものように――表れていない。特に疑問に思ってる様子すらな
い。
「どうしてって……」
 シンジは言葉に詰まった。なんと言っていいか分からない。
 視線で許しを請うが、彼女は取り合ってくれない。その夕日より紅い瞳で、
シンジを見下ろしている。


10 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:18 ID:yQMKIOPu
「あ、綾波が、なんだか別の人みたいに見えたから……」
 正直にそう告白する。そうしなければ、彼女が許してくれないように思えた。
「そう」
 レイの感想は、それだけだった。
 とにかくこれで開放される。今度こそ立ち上がろうとしたシンジは、しかし
また身動きがとれなくなってしまった。
 彼女がシンジの腹の上に、馬乗りになるようにして腰を下ろしたからだ。未
曾有の出来事に、シンジの思考が停止する。まったく訳が分からない。
 それでもなんとか事態を理解しようと、シンジは状況を勤めて冷静に考えよ
うとした。ここは教室で、下校時刻はとっくに過ぎている。自分は掃除をする
ために残っている。帰りにはスーパーに寄って夕食の材料を買わなくてはいけ
ないから、早く終わらせて帰らないとアスカが夕食の時間が遅いとごねるに違
いない。ミサトは今日も帰りが遅いのだろうか。昨夜のように泥酔して帰って
こないと良いのだが。布団まで運ぶのは一苦労だ――
 途中から分析が現実逃避に変わっていたことには気づいていた。大切なこと
を忘れて――いや忘れようとしている。それは――綾波レイが自分の上に跨り、
拳二つ分ほどの距離で互いに見詰め合っていること。


11 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:19 ID:yQMKIOPu
「えっ……」
   さんざん思案した末に、出てきたのは結局間の抜けた声だけだった。
「なに……?」
 恐る恐る今度はシンジが、レイに尋ねる。彼女の表情は相変わらず――こん
なに間近にいるというのに――読み取れない。
「思い出したの」
「なにを?」
「あなたが、IDカードを届けてくれた時のこと」
 レイの答えを聞いて、シンジは心臓が止まるかと思った。
「あなたは覚えている?」
 頷くことさえできなかったが、はっきりと覚えている。忘れるはずがない。
あの時の情景は彼女を見る度に浮かんで、シンジを悩ませていた。
「あの時の仕返ししよう思って」
 予想外の言葉と共に身を乗り出すレイから逃れようと、シンジは反射的に自
由になる上半身を後ろに反らした。すると腕を彼女に押さえつけられ、完全に
仰向けの状態になってしまう。
 シンジの直ぐ上ある彼女の顔は、わずかに笑っているように見えた。


12 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:20 ID:yQMKIOPu
「なんで……悪かったって思ってるけど……いままでちっとも、気にしてなかっ
たじゃないか」
 シンジは弱々しく呻いた。
「私のこと、裸を見られても、胸を揉まれても気にしない女だと思ってた?」
「……」
 思っていないとは言えなかった。
(けど、普段の綾波を見てたら、そう思うのが普通じゃないか)
 言葉には出せないが、胸の中でそう反論する。
「でも、それはあなたの中の私だわ。本当の私は――」
 彼女の顔が降下して、シンジの唇を塞いだ。柔らかな感触を感じたかと思う
と、暖かい彼女の舌が口内に押し入ってくる。それから逃れようとシンジは、
自分の舌を必死に奥へと反らした。レイの舌はシンジの上下の歯茎を丹念に舐
めると、ようやく外へと出た。
「こいうことが好きな女よ」
 涎を手で拭う彼女の表情には、はっきりと喜悦を含んだ笑みが浮かんでいた。
彼の知っている少女とは、まるで別人のように思える。


13 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:21 ID:yQMKIOPu
「こんな……こんなのって……」
 ショックだった。女の子に組み伏せられているということが、なによりレイ
の言動が。
「泣いてるの? でもこれが私。本当の私」
「いやだよ……こんなの……」
 はっきりと涙を流していることを自覚する。情けないほどに。
「いやだったら、私を突き飛ばして逃げればよかったのに。あなたは男なんだ
から」
「そんなこと――」
 叫ぼうとして、彼女に遮られる。
「できない? でもそれは違うわ。あなたは私の所為にして、快楽を得たかった
のよ。自分からすることはできないけど、突然襲われたのだからしかたがない
と言い訳して。今だって、次に何をされるのか期待して、どきどきしてるんで
しょ?」
 レイはシンジの左胸に、手の平を押し当てた。彼女の言うような考えは、な
かった――と思う。そんな余裕も。ただ脈動は確かに、ひどく激しかった。


14 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:21 ID:yQMKIOPu
「僕は――」
 そんな風には思っていない。言いかけた言葉は、またしても彼女に推しとど
められた。レイの右手の人差し指が、唇を塞いでいる。
「自分から求めて拒まれたり、傷ついたら、悲しいものね。それでも一人は寂
しいから、都合のいい相手を待っている。いいの。それは罪じゃない。求める
ことのできないあなたに、私が求めてあげる」
 彼女の声音は、とても優しかった。女神か母親のように。
 レイはシンジの両手を取ると、自らの双丘に導いた。制服の上からでも、柔
らかな感触ははっきりと感じられた。
「なっ、やめ」
 シンジは悲鳴を上げたが、レイは笑みを浮かべるだけだった。
 彼女が胸を揉むと自然、シンジの手が彼女の胸を揉むことになる。彼の意思
は関係なく。実際シンジは、まったく手に力を入れていなかった。
 何度も何度も、レイはシンジの手で乳房を愛撫した。優しく、時間をかけて。
 下から見上げる彼女の顔が上気していることに、シンジは気づいた。吐息も
荒くなっている。それは、彼も同様だった。


15 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:22 ID:yQMKIOPu
「ふふっ」
 なにかに気づいたように、レイは楽しげに微笑した。ベルトに手がかかり、
ズボンが下ろされてしまう。
「真っ白なブリーフ、あなたにはとても似合ってるわ」
 そこは、すっかり膨らんでしまっている。
「あ、綾波、お願い……」
 懇願するが、
「だめ」
 彼女はあっさりと、下着を剥ぎ取ってしまう。押さえつけられていた性器が
跳ね上がる。
「ふふ、可愛いおちんちんね」
 まじまじと観察され、シンジは羞恥で身を振るわせた。逃げ出したいと思う
のに、体は動こうとしない。
(僕は……期待しているの……?)
 弱々しく自問する。
 と、レイがシンジの性器を強く握った。
「あぁっ」
 シンジの口から、苦悶と悦が入り混じった声が漏れる。

16 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:22 ID:yQMKIOPu
「とても硬く、熱くなっているわ。これでも期待していないと言えるの?」
「あぅ……」
 隆々と勃起している自分のモノを見せ付けられると、否定することはできない。
「ねえ、快楽なんて欲しくないと言える?」
 淫靡に微笑んで、レイはゆっくりと手を動かし始めた。シンジの陰茎を、優
しく撫で擦る。
 生まれて初めて他人の手で与えられる快感に、シンジは堪らず嬌声を上げた。
「あっ…うぅぅっ、うあぁ」
「また大きくなったわ。気持ちいいのね」
 愉快そうなレイの声。
(こんなに……気持ちいいなんて……)
 自分でするのとはまるで違う。同じ手なのだから刺激は、さほど変わるはず
が無いのに。
 異常な事態に興奮していたシンジのペニスは、すぐに限界を迎えた。
(あぁ、出ちゃうよ……)
 が、それを見透かしたように、レイの手の動きがぴたりと止んだ。
「えっ……なんで……」
 シンジは切なくて、つぶやいた。


17 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:23 ID:yQMKIOPu
「だって、して欲しくないんでしょ」
 レイの表情は小悪魔のようだった。
「…………違う……」
 自分の意思と無意識の間から、声が漏れた。
「はっきり言って。でないと、してあげらけないわ」
「……期待、してる……か、快楽が欲しい……」
 一語一語、息苦しさを感じながら声に出す。
「お願いして」
「快楽が欲しいです……触ってください」
 シンジは刺激欲しさに、はっきりと自分の意思で懇願していた。
「どこを?」
 意地悪くレイが訊ねる。
 さすがに恥辱から躊躇われたが、
「……僕の、おちんちんを触ってください」
 結局、口にしてしまう。
「よく言えたわね。ご褒美、あげるわ」
 レイはにっこりと笑うと、手の動きを再開させた。


18 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/10(木) 01:24 ID:yQMKIOPu
「あっ、あぁん。そ、そんなに、されたらぁっ」
 先ほどのゆっくりとした動きとは、打って変わって激しい動きにシンジは叫
び声を上げる。
「いい声ね、碇君。もっと、もっと聞かせて」
 一度は限界まで達していたたぎりが、再び押し上げられる。シンジは本能的
に腰を浮かせていた。
「先走りの汁がいっぱい出てるわ。舐めさせてね」
 レイの舌が鈴口を撫ぜる――その瞬間シンジは達していた。気持ち良さで頭
の中が真っ白になる。
「はぁ、あぁぁ出るぅぅっ」
 白濁の液が勢いよく飛び出し、間近にあったレイの顔を汚した。
(あぁ、僕は、なんてことを……)
 欲望が抜けると急に冷静になってしまう。シンジは罪悪感に苛まれた。
 だが、レイは顔にシンジの精液を貼り付けたまま、
「まだ、終わりじゃないのよ」
 妖しく笑うのだった。


32 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:54 ID:DoODmt3B
 レイは顔に付いた精液を手で拭うと、シンジに見せ付けるように舐め取った。
彼女の紅い舌がひどく卑猥な物のように、シンジの目には映った。
(綾波が、こんなことするなんて……)
 目の前の光景が、まだ信じられない。無口で無表情で神秘的な少女。そう思っ
ていた――ほんの数分前までは。
「気持ちよかった?」
「……うん」
 訊ねられて、シンジはおずおずと頷いた。
「じゃあ、今度は私を気持ちよくして」
 レイは立ち上がると、床に座ったままのシンジの眼前――触れるほどの距離
でスカートをたくし上げた。
「あっ」
 シンジは驚きの声を上げた。目の前にあるレイのショーツはたっぷりと濡れ
て、その向こう側を透かさせている。
「ふふ、私も興奮しているの。碇君が可愛いから」
 言われても顔を上げることができない。シンジは彼女の下着から目が離せな
くなっていた。その薄布の下を見てみたいと思ってしまう。


33 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:55 ID:DoODmt3B
「下ろして」
「えっ?」」
 短く言われて、顔を上げる。言葉の意味は分かる、けれど――
「あなたの手で脱がせて」
 シンジはかなりの間逡巡して、ショーツに手を掛けた。
(女の子の下着って柔らかいんだ……)
 そんなことを思う。
 それから、斜め下に顔を逸らして一気に腕を下ろした。ショーツは足首まで
下がる。
 すこし間を置いて、
「見て」
 レイの声。
 シンジは恐る恐る正面に向き直った。
「……」
 息を飲む。彼女のそこは、短くまばらな恥毛に囲まれていた。ぴったりと閉
じられた秘所から透明な蜜が浮き出ている。
(これが……)
 初めて見る光景に鼓動が高まる。


34 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:56 ID:DoODmt3B
「ふふ、碇君の息があたっているわ」
 ささやかれて、シンジは自分の呼吸が荒くなっていることに気づいた。
「ねえ、舐めてみて」
 心臓が跳ね上がる。
(そ、そんなことできるわけないよ)
 でもしてみたい。
 シンジは、どうにでもなれという気持ちでレイの秘所に舌を付けた。そのま
ま下から上へと動かす。
「あぁっ」
 レイが甘い声を発する。
 舌に付いた蜜は、甘酸っぱかった。
(僕、綾波のあそこを舐めてるんだ……)
 行為以上にその意識が、シンジを興奮させた。
「もっと舐めて」
 言われるままに何度か舌を上下させる。
「奥も……舐めて」
 レイの声は上擦っていた。自分の動きが喜ばれているのと思うと嬉しい。


35 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:56 ID:DoODmt3B
 舌を秘所の中へ入れようとするが、そこはきっちりと閉じられており、なか
なか差し入れることができない。
 それがもどかしかったのか、レイは、
「碇君っ!」
 シンジの名を叫ぶと腕を後頭部に回して、シンジの顔を秘所に押し付けた。
「うぅ」
 シンジは呻いた。独特の匂いが鼻腔に充満する。
 レイはそのままシンジの顔に、秘所を強く擦り付けた。
「や、やめてよ」
 シンジが悲鳴を上げると、レイは動きを止めた。頭を抑えていた手からも力
が抜けたので、可能な限り身を引く。
 レイは熱っぽい吐息を吐いていた。
「ごめんなさい。もう我慢できないみたい……碇君も、そうなんでしょ?」
 レイの見下ろした視線の先にあるシンジの性器は、先ほど以上に硬く起立し
ている。
「碇君の初めて貰うわ」
 宣言して腰を落とし始めたレイを、シンジは慌てて手で制止した。


36 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:57 ID:DoODmt3B
「ま、待って、綾波」
 ここまで快楽と性への興味で流されてきてしまったが、これ以上は――この
一線は越えてはいけないように思う。
「おかしいよ、こんなの。もうやめようよ」
 ましてやここは放課後の教室で、いつ誰が来てもおかしくないのだ。
 それを聞いてレイの表情は、はっきりと分かるほど不機嫌なものになった。
「まだそんなこと言うの?」
 赤い瞳に睨まれて、シンジは背筋を凍らせた。なぜだか分からないが、彼女
を怒らせてはいけないような気がする。
 シンジが言い訳をするよりも早く、レイは穏やかな――しかし艶のある――
顔に戻ると、
「何を恐れるの?」
 シンジの顔を覗き込んで、いざなうように甘い言葉をつむいだ。
「碇君は何もしなくていいの。私が犯して≠げるから。だからあなたは、
快楽だけを感じればいいの」
 シンジは自分でも知らないうちに頷いていた。


37 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:57 ID:DoODmt3B
 レイは満足そうに微笑んで、片手でシンジの性器を掴むと、その上に腰を降
下させる。
 やがて性器の先に秘所が触れて――
「ふふっ」
 シンジの性器は完全に飲み込まれた。
(うぅ、綾波の中…すごく温かい……)
 肉の壁に自分の中心を締め上げられる。
(き、気持ちいい……)
 気を抜けばすぐにでも、達してしまいそうだ。
「動くわね」
「えっ、だ、だめだよ。待って」
 レイの言葉に驚いて――今動かれたりしたら堪えられる自信がない――止め
ようとするが、あっさり無視されてしまう。
「嫌よ。私は碇君を犯しているんだから」
 レイは亀頭だけを残すまで腰を上げてから、もう一度全てを咥え込んだ。
「あぁっ!」
 快感の波がシンジを襲う。

38 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:58 ID:DoODmt3B
 抽送が繰り返され、レイの声と共にそれのスピードが増した。
 顔を歪め必死に快楽に抗うシンジの顔を見て、レイは愉快そうに笑みを浮か
べている。
「どうしたの、碇君?」
「だめ……もう出ちゃうよ。どいて綾波……」
「いいのよ。このままで」
「だ、だめだよ! そんなの」
 これだけは避けなくてはいけないと、叫ぶ。
 が、レイの動きは一層激しいものになり、シンジの思考を無力にした。
「あぁぁっ、出るぅ!」
 シンジの精液がレイの中へ吐き出される。
(あぁ、どうしよう……綾波の中に出しちゃった)
 心地よいはずの虚脱感の中で、後悔ばかりが渦を巻く。
 レイが立ち上がると、秘所からは白い粘液が溢れ太腿にまで伝った。
「たくさん出したのね。私の中に」
「ご、ごめん……僕は――」
 謝罪の言葉を、レイが遮る。


39 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/11(金) 20:58 ID:DoODmt3B
「いいの。私、まだ始まっていないから」
 レイにまだ初潮が訪れていないことを知って、シンジはほっとした。
 先に身支度を整え終えたレイは戸口へと向かってしまう。
 扉を開ける前に振り返り、
「碇君、少し早いのね。初めてだから仕方がないけれど。次≠ヘ、もっとが
んばってね。私も楽しみたいから」
 言って、扉を開けて出て行く。
 置いてけぼりにされたシンジは、すっかり暗くなった教室の中で、
「……次?」
 レイの残した言葉を反芻して、期待と不安を味わうのだった。



46 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 18:41 ID:ZwR231ic
「遅かったじゃない」
 夕飯の食材を買い慌てて帰宅したシンジに、玄関で待ち構えていたらしいア
スカは、腕組みをしながら言い放った。眉の間にしわがより、不機嫌そうなこ
とこの上ない。
「あ、うん、掃除当番。トウジとケンスケが帰っちゃったから……時間かかっ
ちゃって」
 とりあえず事実を告げる。それ以上に遅れたのには別の原因があるが、とて
もアスカには話せない。
「何よそれ。あいつら、あんたに押し付けて帰っちゃったわけ? 明日、文句
言ってやるわ」
 ふたりが先に帰ったのは――用事があるというので――シンジも同意の上だ
ったが、アスカの怒りの矛先が逸れてくれたので、あえてそのことは口にしな
い。


47 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 18:42 ID:ZwR231ic
(ごめん、トウジ、ケンスケ)
 胸中で謝罪しながら部屋に上がろうとすると、横からアスカに訊ねられる。
「そういえば、ファーストもだったわよね。掃除当番」
 シンジは、どきりとして体を強張らせた。
 できるだけ平静を装って――自分でもそれができていないのは自覚していたが
――答える。
「えっ……で、でも、何にもなかったよ」
「誰もそんなこと聞いてないわよ。あいつは来てたんでしょ?」
 アスカが怪訝な顔をする。どうやら藪蛇だったらしい。
「う、うん……」
 アスカの不審の目が痛い。
 シンジはしばらくその場で固まっていたが、
「何ぼーっとしてんのよ。私、もうお腹ぺこぺこなんだからね」
「ご、ごめん。すぐ作るから」
 アスカに促されて、シンジは台所へ早足で向かった。


48 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 18:43 ID:ZwR231ic
 シンジは、いつレイとのことを問い詰められるのかとビクビクしていたが、
幸い食事中は当たり障りの無い会話が続いた。アスカが特に二人のことを疑っ
ていたわけではなかったらしい。
(後ろめたいことがあるから、疑われてるなんて考えちゃうんだよね。普通に
してなくちゃ)
 アスカがレイとの情事を知っているわけではないのだからと、シンジは自分
に言い聞かせた。
「「ごちそうさま」」
 食事が終わり、シンジは立ち上がって食器片付けようと手に取った。が、ア
スカもその皿を反対から掴む。
「えっ……」
 アスカの意図が分からず、シンジは混乱した。
「私が洗っとくから、シンジは先にお風呂に入っちゃいなさいよ」
 アスカの言葉を聞いてシンジは、より一層混乱した。アスカが食器を洗って
くれることも、一番風呂を譲ってくれることも、今までただの一度も無かった
ことだ。
「なんで驚いてんのよ。あんたが疲れるみたいだから、気を使ってあげてんじゃ
ない」


49 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 18:44 ID:ZwR231ic
 言われて見れば今日は掃除当番に――いつものこととはいえ――家事、それ
にレイとのことがあり疲労が溜まっていたのかもしれない。表情にもそれが表
れていたのだろう。
「あ、ありがとう」
 シンジは、アスカに気遣ってもらえたことが素直に嬉しかった。と同時に隠
し事をしていることに胸が痛む。
(ごめんね、アスカ……)
レイとのことを知られれば、きっと軽蔑されてしまうだろう。アスカがこの部
屋を出て行くか、シンジが追い出されるか、そんな事態になるかもしれない。
その想像はシンジを恐れさせた。
「じゃあ、お願いするね」
「任せときなさいよ」
 笑顔で胸を張るアスカを見て、シンジの胸の中は暖められた。それは今まで
感じたことの無い感情だった。
(家族って、こういうことなのかな)
 照れながら、そんなことを思う。口に出せば、アスカは怒って否定するだろ
うが。
 シンジは幸福だった。この時までは。


51 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 20:58 ID:2yhWhUQx
 ゆったりと湯船に身を沈めていると、疲労が消えていくようだった。
「う〜〜ん」
 シンジは腕を組んで伸びをした。
 と、ドアの開く音がして脱衣所に誰かが入ってくる。無論アスカだろう。ミ
サトは、まだ帰ってきていない。
 何か置き忘れたものでもあったのだろうと、シンジは特に気にしなかった。
 しばらくすると、曇りガラス越しにアスカが近づいて来て、唐突に宣言した。
「入るわよ」
「ええっ」
 静止する間もなく、シンジの目の前で戸が引かれる。
 現れたアスカは、赤いバスタオルを巻いただけの姿だった。胸の谷間がちら
ちらと覗いている。
「な、なな、なん……」
 気が動転して、なんでと口にすることさえできない。
「まっ、よく考えたら、あんたにはけっこう世話になってるしね。背中くらい
流してあげようと思って」
「い、いいよ……恥かしいし」
 シンジはアスカから目を逸らして、断った。
「なに遠慮してんのよ。このあたしが言ってあげてんのよ。こんなチャンス二
度とないんだからね。ほら、さっさと出なさいよ」


53 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 22:01 ID:25K2H8EU
「うわぁ、ちょ、ちょっと」
 強引に手を取られ浴槽から引き出されてしまう。シンジはタオルを腰に当て
て、しぶしぶ椅子に座った。
「なまっちろい肌してるわねぇ。男の癖に」
「ほ、ほっといてよ」
 シンジは顔を赤くして俯いた。
 アスカはスポンジにボディソープをつけると、シンジの背中を擦り始める。
「どう、気持ちいいでしょ?」
 確かに自分では届きにくい場所も洗ってもらえるのは心地良い。
「う、うん」
 シンジは緊張しながら、アスカが洗い終わるのを待った。
「よしっ、これでいいわね」
「あ、ありがとう。アスカ」
 ホッとしたのも束の間、
「次は前ね」
「ええっ! い、いいよ。自分で洗えるから」
 アスカの言葉にシンジは叫び声を上げた。
「ぐちぐち、うるさいわね。黙って私に任せてればいいのよ」
 アスカの手が、シンジの腕の下を通ってお腹に回される。
「く、くすぐったいよ」


55 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 22:43 ID:j+yEUvUe
「胴回りも細いわね〜」
 言いながら、シンジの腹を撫で擦る。アスカがシンジの背中に身を預けるよ
うな体制になり、自然と体が密着した。
「ア、アスカ、あたってる……」
「サービスよ、サービス」
 アスカの確かな胸の膨らみが、背中を刺激する。
(アスカのおっぱいが、あたってる……)
 シンジの胸は高鳴った。
「あら〜?」
 何か面白いものを見つけたようなアスカの声。その視線の先にあるのはシン
ジの股間で――
「うあぁっ」
 シンジはタオルを押し上げていたそれ≠、慌てて手で隠した。
「シンジったら、興奮しちゃってるんだ」
「こんなことされたら、だ、誰ってこうなるよ」
「ほんと、今日は特別だからね」
 耳元で甘く囁いて、アスカは唯一シンジを守っているタオルを引っ張った。
「だ、駄目だよぉ!」
 完全にタオルを引き剥がされる前に何とかタオルを掴む。その端でなんとか
シンジの股間は隠されていた。


56 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/15(火) 23:41 ID:xKOBMQ6N
「往生際が悪いわよ」
 アスカの片方の手が、シンジの脇をくすぐった。
 体から力が抜けて、シンジはタオルを放してしまう。膨張した性器がアスカ
の目に晒される。
 沈黙が訪れた。
「……な、なよなよしてるわりは、立派じゃない」
 アスカの声はわずかに動揺を含んでいる。
 一方シンジは、レイに続きアスカにまで局部を披露してしまった羞恥で顔を
赤面させていた。
「ほら、大事な所なんでしょ? きれいにしなきゃね」
 気を取り直すように言って、アスカはシンジの性器にスポンジをあてた。シ
ンジは逆らっても無駄だと悟り――もう全てを見られてしまったのだから――
されるがままにしている。
「ほんとに硬くなってるのね」
 感心したようにアスカが言う。
 性器はすぐに泡まみれになってしまった。
「あっぅぅ」
 シンジは嬌声を噛み殺そうとして、しかし完全にはできなかった。
「感じてんのね」
 言葉と共に息を吹きかけられ、それだけでまた声が漏れそうになる。
 このまま快楽に身を任せてしまいたい。そう思った瞬間――
「うぐぁぁぁぁっ!」
 性器の根元をきつく握られて、シンジは悲鳴を上げた。
「初めてにしてはみょうに慣れてんじゃない。ファーストにも触ってもらった
わけ?」
 耳元で告げられたアスカの声は、先ほどまでとは打って変わって冷酷で、シ
ンジの背筋を凍らせた。


63 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/18(金) 08:17 ID:5oPYYJDV
「あぁ、ち、違うよ……」
 ここで認めてしまったら、もっと酷い目に遭わされそうな気がして、シンジ
は必死に首を振った。
「あんたバカァ!? 帰ってきてからずっと『僕は隠し事してます』って顔して
て、私を騙せるとでも思ってたわけ?」
 アスカの手の力がさらに強くなる。シンジは生きた心地がしなかった。
「あぅぅ、ご、ごめん……」
 瞳にはうっすらと涙すら浮かんでいる。
「さあ、きりきり白状しなさいよ」
「うぅ、あ、綾波にも、触ってもらった……」
 性器を潰されてしまう恐怖から、シンジは白状した。
「最低ね、あんた。ファーストに無理やりやらせたんでしょ?」
 蔑むようなアスカの言葉を、シンジは否定した。それだけは勘違いされたく
ない。
「ち、違うよ。あ、綾波が……無理やり……」
「なによそれ? あんた、ファーストに襲われちゃったの?」
 アスカの声は完全に呆れている。
「う、うん……押し倒されて……」
 頷きながら、教室での出来事を思い出して、自分の情けなさに陰鬱な気分に
なる。
「で?」
「で……?」
 意味が分からず、シンジは聞き返した。
 アスカは呆れ顔をさらにはっきりさせて、シンジの性器を引っ張りながら言
う。
「決まってんでしょ。最後までしたのかって聞いてんのよ」


66 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/18(金) 22:31 ID:OWkHg42G
「…………」
 シンジは答えられずに、口をつぐんだ。まだ心の中で、レイと性交を行った
ことを認められずにいる。
「ほらっ?」 
 アスカに何度も性器を引かれ、さらに幾ばくかの時間を掛けて、ようやく口
にする。と同時に、溜まっていた涙が溢れ頬を伝って流れ落ちた。
「……僕は、やめてって、頼んだんだ……なのに……」
「あらあら、無敵のシンジ様ともあろうお方が、女の子に犯されちゃったんだぁ」
 アスカはシンジの性器を握っていた手を離すと、声を上げて愉快そうに笑っ
た。さらに追い討ちをかける。
「あんた、ほんっと情けないわね。女に犯される男なんて、世界中探してもあ
んただけよ」
 シンジは頭を抱えて、うずくまった。嗚咽が漏れる。アスカの言う通りだと
思う。自分は最低の人間だ。女の子に迫られて、それを拒むことも、受け入れ
ることもできなかった。ただ状況に――欲望に流されていた、だけだ。
(きっと僕なんか生きてる価値もないんだ……)
 生来のネガティブさから、そんな飛躍した考えさえ頭をもたげる。
 と、視界の端を何か赤いものが、上から下に通り過ぎた。
 緩慢な動作で振り返ると、バスタオルが床に落ちている。立ち上がったアス
カの足が見えて――


67 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/18(金) 23:48 ID:FSGIjs/k
「――!?」
 自省は頭の隅に追いやられ、シンジは息を飲んだ。
 アスカが生まれたままの姿で――いっさい隠すことなく、腰に手を当てて――
シンジを見下ろしている。
 きめの細かそうな肌。年齢以上に成長した胸。レイよりも、やや濃い翳りに
覆われた秘所。全てに隙が無く、なにより彼女がその美を自覚していて、恥じ
入る所など微塵もないのだとシンジにも分かった。
「セックス、するわよ」
 なにかゲームでも始めるような物言い。
「なっ、なんで?」
 シンジの疑問の声は悲鳴に近かった。今までの経緯からどういった論理で、
そんな言葉が出てくるのか全く分からない。
「なぁ〜んかムカつくのよね。ファーストとあんたが、してるのって」
 答えを聞いても、理解できない。シンジは困惑した。
「そんな理由で……」
「今更、できないなんて言わせないわよ」
 にやっと笑い、口が三日月状に吊り上る。シンジは悪寒を覚えた。
「断るなら、あんたが犯されたこと学校とネルフで言い触らすわよ。当然、ミ
サトや碇司令――あんたのお父さんの耳にも入ることになるでしょうねぇ」


72 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/20(日) 07:59 ID:5SzKeYTo
 アスカの脅迫は恐ろしかった――なにより父に知られることが。人生最大の
恥部がこれ以上漏洩するくらいなら、どんなことだってする。
「わ、分かったよ。するよ。だから……」」
 シンジは懇願するようにアスカを上目遣いで見た。
 怯えたシンジを見て気を良くしたのか、アスカは得意げに鼻を鳴らした。
「ふふん、それはあんたの心がけしだいね」
 シンジを椅子からどけると、自分で座り足を開く。
「さあ、態度で示して貰おうかしら」
 女王然とした態度と口調。つまりあそこ≠舐めろと命令しているのだと、
シンジにも分かった。
 シンジは床に手をついて四つんばいになり、アスカの秘所へ顔を近づけた。
当然そこをまじまじと見つめることになる。
(……綾波のと、少し違うんだ)
 そんなことを考えている自分が嫌になる。
「舐めるよ」
 断らなくてもいいのだろうが、何となく言ってしまう。
 秘所に舌をつけると、
「ひゃっ」
 予想に反して、アスカの口から悲鳴のような息が漏れた。


73 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/20(日) 07:59 ID:5SzKeYTo
「ど、どうしたの?」
「な、なんでもないわよ。い、いいから早く続けなさいよ」
 レイの時と違う反応に驚いて訊くが、アスカは赤い顔で行為を促した。仕方
なく再び舌をつけて、上下に動かす。
「ふっ、いい格好ね……うぅ……犬みたい…よ」
 どこか苦しげなアスカの声。
(綾波にさせられた時は、中も舐めたんだよね)
 どうせアスカにも命令されるのだろうと、シンジは先回りして割れ目に舌を
挿入させた。
「ひゃぁっ!」
 今度は、はっきりと悲鳴だった。少なくともシンジはそう思った。
 舌を入れたまま目で、
(やめるの?)
 と訊ねる。
「な、何見てんのよ。気分出してあげてんじゃない……ふりよ、ふり! 分かっ
たら、もっと気持ち良くさせなさいよね……」
 そう言われれば逆らえない。
 やがて、舌に唾液以外の味が広がり始めた。
(これってアスカが濡れてるってこと……?)


83 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/21(月) 12:00 ID:Tf/okc9B
 と、アスカの手がシンジの頭に触れる。
 シンジはレイの時のように秘所に押し付けられるのかと思い、身を硬くした。
 が、アスカの手は逆にシンジを押し退ける。
「え?」
 拍子抜けして、シンジは声を漏らした。
「な、舐めるのは、もういいわ。さ、ささっと本番するわよ」
 上気して頬を染めたアスカが、なぜか怒っているようにシンジには見える。
(なんだよ、自分からしろって言ったくせに……)
 胸中で不満を漏らすが、
「ほら、さっさと床に寝なさいよ」
 命令には逆らえるはずも無く、シンジは床に仰向けになった。タイルがひん
やりと冷たい。
 アスカはシンジを跨いで、性器を握った。それは完全に勃起している。
「私の舐めてるだけで勃起させるなんて、あんた変態ね」
「そんな誰だって……あんな近くで見たら……」
 シンジは弱々しく否定したが、性の知識に疎いために確信はもてない。
(僕って変態なのかな……?)


84 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/21(月) 12:01 ID:Tf/okc9B
 そんな不安が頭をよぎる。もともと握り潰されそうになった時に一度萎えた
ものの、アスカの裸身を見た瞬間から、シンジのそれは硬さを取り戻していた
のだが。
「あんた、ほんと運がいいわよね。この私とセックスできるなんて」
 アスカは恩着せがましくそう言うが、強制されているシンジにはとてもそう
は思えない。
 この期に及んで制止すれば、レイがそうだったようにアスカの怒りを買うか
もしれないが、それでもこの状況を回避できるものならしたくて、シンジはア
スカに訊ねた。
「ほ、本当にするの?」
 あくまで遠慮がちになのが、我ながら悲しい。
「なによ。あんた、一度はしてんでしょ? 怖いの?」
「こ、怖くは無いよ。でもいつミサトさんが帰ってくるかもしれないし……」
 シンジは、切り札にしていた言葉を口にした。今ミサトが帰宅すれば、二人
で浴室にいることは分かってしまうし、あんな性格であるとはいえ一応保護者
である彼女がこの状況を笑って見逃してくれるとは思えない。


85 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/21(月) 12:02 ID:Tf/okc9B
「はん、ミサトだって、今頃加持さんとよろしくやってるわよ。とやかく言わ
れる筋合いは無いわ」
 が、アスカは意に介した様子も無く、むしろ意気を煽る結果になってしまう。
(ミサトさんと加持さんが?)
 シンジとて、あの二人が互いに憎からず思っているようだとは感じていたが、
性交しているなんて考えたことはなかった。ましてやこの瞬間にしているかも
しれないなど。
「いくわよ、シンジ」
「うん……」
 宣言してアスカが腰を降下させ始める。シンジも覚悟を決めた。
 すぐに秘所が性器に触れた。が、レイの時と違いあっさりとは入っていかな
い。
「ん……あれ……」
 握ったシンジの性器の角度を変えて、アスカは四苦八苦している。
「……あの、アスカ?」
 シンジが不安な声を上げると、
「う、うるさいわね! あんたは黙って寝てりゃあいいのよ!」
 アスカは顔を真っ赤にさせて怒鳴った。


102 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/24(木) 12:29 ID:WEnZjLis
 さらに何度が押し当てられる場所が変わり、ようやく性器が膣内に進入する。
「あっ、あぁぁっ」
 アスカの表情が苦悶に歪んだ。
「ア、アスカ、だいじょうぶ?」
「あ、あんたは、黙ってろって言ったでしょ!」
 心配で声を掛けるが、怒鳴られてしまう。
 アスカは荒い息を吐きながら、性器をより奥へ入り込ませようと体重を落と
す。性器はまだ半分以上外に残っていた。
「うぅ、いた――」
 悲鳴を漏らしかけたアスカに視線を向けると、
「くなんか、ないわよっ!」
 彼女は無理やりそれを押し留めた。
 しかし言葉と裏腹に、どう見たってその顔は苦痛で引きつっている。
(意地っぱりなんだから、アスカは)
 アスカはプライドの高さから引っ込みがつかなくなってしまっているのだろ
うと、シンジは思った。
 これ以上アスカの苦しむ顔を見てはいられない。
「アスカ、もういいよ」
 シンジはアスカの体を支えようと、腕を伸ばした――
 刹那、風きり音が聞こえ、次いで耳元で強烈に弾けた。
 数瞬遅れて、アスカに頬を張られたのだと分かる。キーンと耳鳴りがして、
頬がひりひりと痛んだ。
 なぜ叩かれたのか分からず、頬に手を当てながらシンジは呆然とアスカを見
上げた。
「あんた勘違いしてんじゃないの。私がするって決めたのよ。今度邪魔したら
殺すからね」


107 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/28(月) 01:14 ID:6/P5I++B
 アスカは決然と言い放ち、シンジを睨み付ける。が、その眉間に作られたし
わは、怒りよりも痛みのせいだろう。
 シンジが叩かれたショックで何も言えずにいる内にも、アスカは苦しげな息
を吐きながら、少しずつ性器を咥え込んでいく。
 やがて、シンジの性器はアスカの秘所に根元まで収まった。
「うぅ……はぁ……はぁ……」
 全てを収めて一段落した為か、アスカはいくぶん落ち着いた様子で息を整え
ている。
 一方、シンジは、
(アスカの中って……綾波のよりも、きついや)
 そんなことを考えていた。
 異常な性体験に多少は慣れたせいか、レイの時のようにそのままで達してし
まうようなことはないが、逆に――
「ひぅ、あっあぁぁぁっ」
 突然、アスカが叫び声を上げた。
「ちょ、ちょっと馬鹿シンジ……あんた、なに勝手に動いてんのよ……」
 アスカに言われシンジは、自分が無意識に刺激を求め、腰を動かしてしまっ
ていたことに気づいた。ほんのわずかな動きなのだが、アスカにとっては耐え
難いものらしい。


108 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/28(月) 01:16 ID:6/P5I++B
「あぁん、ばかぁ……動くなって、言ってるでしょ!」
 顔を上気させて、喘ぎ声の合間にシンジをなじる。
「だ、だったら、早く止めようよ」
 シンジだって動かずにいるのは、蛇の生殺しのようで辛い。解決するには止
めるしかないと思うのだが、
「嫌よ! 止めるのは嫌!」
 アスカは駄々っ子のように首を振る。
「じゃあ、どうすればいいのさ」
「あ、あんたが早くイッちゃえばいいのよ」
 実もふたも無い答え。アスカは、どうしても最後までやらなけば気がすまな
いらしい。
「……それだと、もっと動くことになるよ?」
 シンジはアスカに確認した。ほんの少しの揺れですら泣きそうな顔をしてい
たのに、彼女が堪えられるとは思えない。。
「いいわよ! とにかく早く終わらせなさい」
 アスカは大声でシンジを急かせた。


124 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/30(水) 23:48 ID:CXOe1qNh
(そんなに早く終わらせたいなら、止めればいいのに……)
 アスカの気持ちが、シンジには理解できない。
 言われた通りに早く射精してしまおうと、シンジは下半身を動かし始めた。
無意識のわずかに腰を浮かせていただけとは違い、一定のリズムで腰を上下さ
せる。
「うぅ、あっ、あぁぁ――」
 シンジの上でアスカの体が揺れる。彼女は目を閉じて、必死に痛みに堪えて
いる。理性では止めたいと思うのに、腰の動きは止まらなかった。
(どうせ言ったって止めさせてくれないし…………ううん、違う。僕は、気持ち
良いから止めたくないんだ。相手のせいにして、逃げて。綾波の時と一緒だ。
思いやりなんかじゃない、僕は――卑怯なだけだ)
 気持ちは萎えているのに、下半身は別の生き物のようにたぎりを増してゆく。
「はぁぅ、うぅ、ば、馬鹿シンジぃ、まだ、なの?」
 片目だけを開けて、アスカがせっぱ詰まった声を出した。
「む、無理だよ。まだ、その……入れたばかりなのに……」
「あんた、ほんと何やらせても、のろまね……とにかく早くしなさいよ」
 罵倒する声にも力が無い。あまり時間をかけてはいられないと、シンジは思っ
た。
「じゃあ、もっと強く動くよ? そしたら早く……終わると思うから」
「もっ、もっと強く――い、いいわよ。だから、早くしなさいよね……」
 アスカは、一瞬驚いた表情を見せ迷ったようだったが、苦痛を少しでも短く
したいのかシンジの提案を了承した。
「うん」


125 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/30(水) 23:49 ID:CXOe1qNh
 頷いて、腰の動きを激しくさせる。性器の感じる快感は加速度的に高まった
が、
「あぁぁぁぁぁっ! いたっ、痛いわよ! 馬鹿シンジっ!」
 アスカが絶叫を上げた。もう痛みを否定する余裕さえないのだろう。その青
い瞳には涙が滲んでいる。
(アスカ……どうしてこんなにしてまで?)
 ここまで来ると、ただ意地っ張りなだけでは無いように思う。彼女がシンジ
との性交にこだわる理由。それをシンジは考えてみようとした。
 しかし答えを見つけるよりも早く――
「うっ、あぁぁっ」
 アスカの膣が急に締め付けを増して、シンジは嬌声を上げた。快感が許容量
一杯まで膨らむ。
「ア、アスカ、で、出そう……」
「ええっ、じゃあ、は、早く抜きなさいよ」
 言われるまでも無く起き上がり、秘所から性器を出そうとするのだが、しっ
かりと咥え込まれ容易に抜くことができない。
 もちろんその間にも性器には快楽が与えられ、いつ膣内で射精してしまって
もおかしくない。シンジは性器に神経を集中させて堪えた。
(あぁっ、も、もう、だめ……)
 シンジが限界を迎えると同時、間一髪で性器がアスカの秘所から抜け出る。
 性器は勢い良く跳ねて、アスカの腹にたっぷりと精液を放った。


126 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/10/30(水) 23:49 ID:CXOe1qNh
「ふぅっ……」
「はぁ……はぁ……」
 対面した格好で、シンジもアスカも脱力していた。
 ふと目線を下げると、アスカの秘所からは血が滴っている。破瓜の証である
それは、想像していた量よりは少なかったが、シンジの性器も赤く染めていた。
(アスカ、やっぱり初めてだったんだ……あれ……綾波は……?)
 レイは破瓜の血を流すことは無かった。今更ながら、そのことに気づく。だ
とすれば誰と――
「暖かいのね、これ」
 声に視線を上げると、アスカが腹部に付いた精液を手ですくっていた。
「こんなのが私の中に入って、子供ができるなんて、気持ち悪いわよね」
 酷く寂しげな物言いだった。
 そんなアスカを見ていると、何か言わなければいけないような気がして――
けれど言葉は一向に浮かばず――気が付くとシンジは彼女を抱きしてめいた。
 してしまってから怒られるかと覚悟したが、アスカは何も言ってこない。
 考えてみれば人を抱きしめたのは初めてだった。それは性交とは違う――もっ
と穏やかな――心地よさがあった。
「……どうして、僕となんかとしたの?」
「別に……なんかムカついたから。あんたとファーストだけ≠ェしてるなん
て」
「それだけ?」
「そうよ。全然大したことないじゃない、セックスなんて。こんなの、どうっ
てことないんだから……」
 抱き締めていてアスカの顔は見えない。ただ、その体も声も、わずかに震え
ていたように感じられた。それは、シンジの錯覚だったかもしれないが。



159 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/14(木) 00:34 ID:HFbPC/hu
 心地よい眠りの中にいたシンジは、何かが倒れた物音で意識を覚醒させられ
た。
 入浴の後、レイ、それにアスカとの思いがけない体験で身も心も疲労してい
たシンジは――寝つきの悪い彼にしては珍しく――ベットに入るとすぐに眠り
に落ちていた。
 首を巡らせて目覚まし時計を見ると、時刻は午前二時。むろん寝足りない。
 物音の正体は、酔って帰ってきたミサトが玄関で力尽きたのだろうと見当が
ついた。
 このまま、もう一度寝入ってしまいたい誘惑に駆られたが――
「シンちゃ〜ん、アスカぁ〜、いま帰ったわよ〜」
 玄関から呻き声のような呼び声が聞こえてきて、シンジは仕方なくベットか
ら身を起こした。
 ミサトの声でアスカが起きるようなことがあれば、間違いなくアスカはキレ
るだろう。そうなる前にミサトを部屋まで連れて行かなければならない。
 目を擦りながら玄関に着くと、案の定うつ伏せの状態でミサトが倒れている。
「ミサトさん……」
 保護者のだらしの無い姿に、言葉を失っていると、
「シンちゃん、ただいま〜♪」


160 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/14(木) 00:34 ID:HFbPC/hu
 ミサトは顔だけを上げて笑顔を作ったが、瞳は半開きで焦点が定まっていな
いように見える。顔も赤く相当酔っているようだ。
「加持さんと飲んでたんですか?」
 何気なく訊く。
 と、急にミサトの表情が不機嫌に変わり、子供のように唇を尖らせた。
「しんないわよ! あんなぶぁか」
 けっ、と唾を吐き捨てる真似さえする。どうやら自棄酒だったらしい。
「と、とにかく、こんな所で寝たら風邪ひきますよ。ほら、立ってください」
 シンジはミサトに肩を貸して立ち上がらせた。
「優しいのね……シンちゃん」
 酔ったミサトの顔は万華鏡の様に変わり、今度は瞳を潤ませる。
「そんな、別に……」
 ミサトの媚態を間近で見上げて、シンジは胸をどぎまぎさせた。アルコール
の匂いも今は不思議と不快ではない。
「ううん、こんな風に私に優しくしてくれるのはシンちゃんだけよ。あ〜あ、
乗り換えちゃおうかなぁ」
 熱っぽい視線でミサトに見つめられ、シンジは顔を逸らした。冗談だと分か
っていても顔が赤くなる。
 ミサトの方をなるべく見ないようにしながら、苦労して彼女の部屋にたどり
着く。


161 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/14(木) 00:35 ID:HFbPC/hu
「さぁ、ミサトさん。ベットに寝てください」
 シンジはミサトを寝台に下ろそうとした。
「えっ、うわぁ」
 が、ミサトの腕が首に絡みついて、抱き寄せられるようにして一緒にベット
に倒れ込んでしまう。
 柔らかな感触がシンジの顔面を刺激する。
 シンジはミサトの胸に顔を埋めていた。
「ご、ごめんなさい!」
 慌てて飛び退く。と、ミサトはシンジを見て、にやにやと笑みを浮かべてい
る。
 ミサトの視線の的である自身の下半身に目をやると、性器が柔らかいパジャ
マの生地を大きく押し上げていた。
「男の子だもんねぇ、シンジ君も」
 シンジが狼狽していると、
「よーし、ここはひとつ可愛いシンちゃんのために、私が人肌脱いであげよう
かしら」
 威勢の良い声と共に、ミサトが上半身の衣服を脱ぎ捨てる。ブラも躊躇い無
く外し、その双丘を露にした。
 レイやアスカとは違う、成熟した女性の乳房にシンジの目は釘付けになった。


178 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/16(土) 20:41 ID:62UYXTZF
 その隙を衝かれて、
「ほらぁ、こっちに来る」
「えっ――!」
 ミサトに強い力で腕を引かれ、再び抱き寄せられてしまう。さらに、
「そんなに窮屈にさせてたら、可哀相よ」
 パジャマも下着ごと、ミサトに手早くずり落とされた。驚くような早業で、
気が付いたときにはシンジはミサトに対面で抱っこされるような格好になって
いた。
「あら、シンちゃんたら意外と立派。前に見たときは、可愛いおちんちんだと
思ったけど。膨張率がすごいのね、きっと」
「ミ、ミサトさん……」
 ミサトが言っている前≠ニは、初めてこのマンションに来た日にペンペン
に驚いて浴室から裸で出てしまった時のことなのだろうが、それよりはるかに
至近でじっくりと観察され、シンジは頬を染めた。
「さあ、どうやってスッキリさせて欲しいのかな? お口がいい?」
 ミサトの舌が、舐めずりするように艶かしく動いた。が、シンジの意識は別
の場所に向いている。
「そ・れ・と・も」
 愉快そうな笑みを浮かべ、ミサトが後を続ける。
「さっきからずーっと見てる、この胸かしら?」
 ミサトは、自身の豊満な双丘を両手で持ち上げて揉んで見せた。


180 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/17(日) 00:11 ID:r437C/zO
「ご、ごめんなさい」
 胸を凝視していたことを見透かされ、シンジは反射的に謝った。
「いいのよ。シンジ君くらいの年頃の男の子だったら、当ったり前だもんね」
「ミサトさん……」
「私も、こんなにまじまじと見られるなんて久振りで嬉しいし。だから、たっ
ぷりサービスしちゃうわよ」
 言って、ミサトはシンジの性器を胸で挟み込んだ。
「あぁっ」
 初めて味わう感触に、シンジは堪らず声を漏らした。
「どう、気持ち良いでしょ?」
 ミサトは、性器を咥えた胸を波打たせて刺激を与えてくる。確かに、何とも
言えず気持ち良い。柔らかな刺激そのもの以上に、形を変える乳房の中に陰茎
が見え隠れする淫靡な光景が、脳を興奮させていた。
「ミ、ミサトさん。やめ……やめてください……こんなことして、アスカが起
きて来たら……」
 快楽に抗って、シンジは告げた。もし万一、この現場をアスカに目撃される
ようなことになったら――
(これ以上、ややっこしいことにはなりたくないよ……)


181 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/17(日) 01:42 ID:r437C/zO
「いいじゃない。その時はアスカも交じれば」
 シンジの心配を余所に、冗談めかして言う。
「て、アスカには、まだちょっと早いか」
 ふふ、とミサトは気楽に笑った。
 ミサトは知らないが、シンジはほんの数時間前にアスカと肌を合わせていた。
(ミサトさんが知ったら、なんて思うのかな?)
 そんな疑問が浮かんだ。一応は保護者なのだから、やはり怒るだろうか。し
かし目の前の光景は、それと矛盾する気がする。
 と、胸の動きが一瞬止まり、
「駄目よ、シンちゃん。ことの最中に他の子のことなんか考えちゃ」
「えっ、そんなこと、考えてませんよ……」
 否定はしたものの動揺は隠せない。酔っているはずのミサトに、なぜこうも
考えを読まれてしまうのだろう。
(女の人なのにネルフで作戦部長をしてるくらいなんだから、きっと洞察力と
かもすごいだろうな)
 シンジは、そんなやや前時代的なことを思った。
「それとも、ほんとは私の胸じゃ気持ち良くない?」


182 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/17(日) 01:43 ID:r437C/zO
「そ、そんなこと無いです。その……すごく、気持ち良いです……」
 ミサトが急に目を伏せ今にも泣き出しそうな声を出したので、シンジは慌て
て弁解した。と、
「ありがと。じゃあ、我慢なんかしないで、早くスッキリしちゃいなさい」
 視線を上げたミサトの顔は満面の笑みで、担がれたのだと分かるが、それを
非難する余裕はシンジには無かった。
 ミサトの胸の動きが早く、同時に激しくなり、シンジの快感を押し上げる。
性器への刺激のツボを抑えた動きで、性経験の浅いシンジにはもはや抵抗する
ことはできない。
「ふぁあぁぁぁっ、ミサトさん、出ちゃう、出ちゃいます。離して――」
 シンジは、せっぱ詰まった声を上げた。が、ミサトは性器を離すどころか、
ますます胸の動きを強くさせる。
「いいわよ、このまま出しなさい」
「そんな駄目……あっ、あぁぁ、うぅっ」
 理性で築いていた最後の壁もあっけなく瓦解し、ミサトの顔面に目掛けて精
液が勢いよく放たれる。
 ミサトは最後の一滴まで搾りつくように、胸でシンジの性器を圧迫した。結
果、ミサトの顔はたっぷりと精液に塗れた。


183 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2002/11/17(日) 01:44 ID:r437C/zO
「ふふっ、たくさん出したわね。若いだけあって、すごく濃いし。これですっ
きりしたかしら?」
 口の周りに付いた精液を舌で舐め取りながら、ミサトが訊いてくる。
 シンジは脱力して、背後に倒れていた。また自分が汚れてしまったような感
覚に襲われる。自分は酷く好き物で、このまま快楽の虜になってしまうのでは
ないかと不安になるのだった。
 ふと静かになったミサトが気になり起き上がると、
「ミ、ミサトさん?」
 驚いたことに、彼女は寝息を立て始めていた。精液を顔に張り付かせたまま
で。
「ミサトさん、そんな顔のままで、寝ないでくださいよ」
 シンジは必死にミサトの肩を揺らしたが、まったく起きる気配がない。
 幸せそうな寝顔のミサトの前で、シンジは泣きたい気分になった。
 朝、その顔のまま平然と起きて来たミサトがアスカと対面する場面を想像し
て、さらに鬱になる。
 結局シンジは、タオルでミサトの顔から精液を丁寧に拭き取ってから、よう
やく再び眠りにつくことができたのだった。



292 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/05(水) 16:52 ID:B008yi3h
 いつもより早く――昨晩ミサトを寝かしつけてから、結局眠りにつくことが
できなかった――朝食の準備をしていたシンジは、人の気配を背後に感じて振
り返った。
「おはよう、アスカ……」
 手を止めて挨拶したシンジの声が尻すぼみに小さくなる。、アスカは腰の辺
りに手を当て不機嫌極まりない顔でシンジを睨んでいた。
「ぐ、具合でも悪いの……?」
 理由を察しながら、それでも恐る恐る聞いてみる。
 アスカは一度、ふっ、と鼻で笑うと、
「あんたなんかと、セックスしたからよっ!」
 大音量で叫んだ。
「ア、アスカ!?」
 シンジは慌てて――まだ眠ってるだろうが、もしミサトに聞かれでもしたら
全てが水の泡だ――アスカの口を手で塞ごうとしたが、近づいた瞬間に強烈な
張り手で迎撃されてしまう。
「い、痛い」
 シンジは床に崩れ落ちて、赤く腫れた頬に手を当てた。上目遣いでアスカを
見ると、彼女は益々怒気を強め、


293 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/05(水) 16:53 ID:B008yi3h
「痛いのは、こっちよ!」
 シンジに指を突きつけて、怒鳴った。
「ひりひりして、すんごく痛いんだからね。あんたは気持ち良かったかもしれ
ないけど、私は痛かっただけよ。まぁ、この私とセックスできるなんて、あん
たには身分不相応なことだから夢中になっちゃったんでしょうけど。はっきり
言うけど、あんた下手糞≠諱v
 そこまで一息に言って、アスカは急に声の調子を変えた。両手を胸の前で組
み合わせて、夢見る少女のように続ける。
「あ〜あ〜っ。これが加持さんだったらなぁ。初めてだって絶対、最高に気持
ち良くしてくれるはずなのになぁ。私だって、加持さんのためなら何だってで
きるし。例えば――」
 夢の世界に入り込んでしまったアスカを、シンジは呆然と見上げた。これで
怒りを忘れてくれるなら、それでいいが……。
 と、足音がして、ようやく目覚めたらしいミサトがダイニングルームに顔を
出した。珍しく寝巻きをきちんと着ているのは、シンジがミサトが半裸で眠っ
てしまってから着せたからだ。頭をぼりぼりと掻きながら、半分つぶった目で
言う。
「っさいわねぇ。朝っぱらから、何の騒ぎ?」


300 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/06(木) 16:43 ID:KBfzLohL
 ミサトを見たアスカの表情が見る間に険しくなる。シンジは、また怒りをぶ
つけられるのではないかと危惧したが、
「……シャワー浴びてくるっ」
 そう言い捨てて、アスカはダイニングから出て行ってしまう。
「なに? アスカ、怒ってたみたいだけど」
 呆気にとられた様子のミサトに聞かれ、シンジはしどろもどろになりながら
誤魔化した。
「あ、い、いえ、な、なんでもないんです……ちょっと口答えしたら、アスカ
を怒らせちゃったみたいで……」
「ふ〜ん、珍しいわね。シンちゃんがアスカに反抗するなんて」
 ミサトはいまいち腑に落ちないようだったが、元来物事を深く追求しない質
なのか、あっさりと話題を変えた。
「そう言えば、昨日玄関にたどり着いてからどうやって部屋に戻ったのか記憶
に無いんだけど、シンちゃんが運んでくれたのよね?」
 シンジは絶句した。
「えっ……覚えてないんですか……?」
「あれ、違った?」
 ミサトは冗談を言っている風ではない。覚えていないならそれに越したこと
はないだろうと、シンジはそのまま話を流した。すこし寂しい気もするが。
「いえ、僕が運びました。重かったですよ。ミサトさん、すこし太ったんじゃ
ないですか」
「あら、やっぱそう? だって仕方ないじゃない。シンちゃんの作るごはん美
味しいんだもの」


301 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/06(木) 16:45 ID:KBfzLohL
「はい、はい、朝ごはんもうすぐできますから。その前に顔洗ってきてくださ
い。寝癖も酷いですよ」
「シンちゃん、いいお嫁さんになれるわよ」 
 ミサトが洗面所に向かうのを、シンジは苦笑しながら見送った。

 アスカが一人でぎすぎすし、シンジが一人びくびくし、ミサト一人だけがい
つも通りの奇妙な朝食が終わり、シンジはアスカと学校への通学路を歩いてい
た。
「あぁ、ほんと、なんで馬鹿シンジなんかとしちゃったんだろ」
 頭の後ろで両手を組んで歩くアスカの斜め後ろを、アスカの鞄を持って――
玄関を出た瞬間に押し付けられた――歩きながら、シンジは表には出さず嘆息
した。
(まだ言ってる……)
「これが若気の至りってやつね、きっと」
 前を向いたまま、当てこするような言葉をシンジに聞かせるアスカ。
 自分から望んだことではないのに、なぜそこまで言われなければならないの
かと思うが、責任の一端は己にあるのでシンジには下唇を噛むことしかできな
い。
 しかし、どうしても――機嫌を損ねる危険を冒しても――アスカに念を押し
ておかなくてはいけないことがある。
「あの、アスカ……あんまりしたとかしないとか、外で言わないで欲しいんだ
けど……」
 もう学校も近い、どこで誰が聞いているか知れたものではない。
 それを聞いて、アスカはピタリと足を止めた。


308 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/07(金) 20:26 ID:ve5AbIxu
「あったりまえでしょっ! あんたなんかとセックスしたなんて知られたら、
恥かくのは私なんだからね。あんたこそ、鈴原や相田に自慢して話したりした
ら、殺すわよ」
 振り返り、シンジを睨み付けて宣言する。しかし、
(言ってる側から大声で……)
 なぜだか学校で秘密を守り通すのは、限りなく不可能に近いようにシンジに
は思えてきた。
 と、やや前方の脇道から見知った少女が現れる。
「あ……」
 特徴的な蒼髪の少女――綾波レイ。彼女もこちらに気づいたようで、視線を
送ってくる。
「お、おはよう、綾波……」
 通学途中で出会うとは考えていなかったので、シンジは多少緊張しながら挨
拶した。
「おはよう、碇君」
 一方で、レイは普段通りに挨拶を返してくる。いつものように無表情で、い
つものように感情が伺えない。まるで昨日の教室でのできごとなど無かったか
のように。


309 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/07(金) 20:35 ID:ve5AbIxu
(もしかして昨日の綾波は別人なんじゃないの?)
 レイの紅い瞳に胸中で問いかけるが、もちろん答えは得られない。代わりに、
「いたっ」
「なぁ〜に見つめ合ってんのよ、馬鹿シンジが」
 アスカにぽかりと、拳骨で頭を叩かれてしまう。
 さらにアスカは、レイの方を向いて凄んだ
「あんたも、私には挨拶無し? いい度胸してるじゃない」
「別に。挨拶してくれない人に挨拶しても、意味が無いもの」
 が、レイは平然としている。
 間近でアスカの横顔を見ているシンジには、彼女の額に血管が浮き出るのが
はっきりと分かってしまった。
 そのままアスカはレイに掴みかかるのではないかとさえ思えたが、アスカは
高ぶった気を落ち着けるように大きく息を吸い、そして吐くと、
「ふっ」
 ニヤリと、笑った。シンジはその笑みに、嫌な予感を覚えずにはいられなかっ
た。
 案の定。
「私、シンジとしたわよ」


318 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/07(金) 23:34 ID:ve5AbIxu
 アスカにとって会心の台詞であったろうそれも、
「なにを?」
 レイにあっさりと受け流されてしまう。
「んぅーーー」 
 アスカが、ぎちぎちと歯を鳴らす音が聞こえる。彼女の――ただでさえ許容
量の小さい――忍耐が限界に近づいているのは間違いなかった。
「決まってんでしょ! セックスよ、セックス! やったのよ! 性交したの!
性器を結合させたのよ! 分かる!?」
 アスカは大股でレイに近づき、聞いているシンジが赤面する言葉を連発する。
 レイの眼前で、アスカは怒りで顔を赤く染め息を荒くしている。ふたりは無
言のまま睨み合った。それはほんの数秒のことでしかなかったが、シンジには
遥かに長い時間に感じられた。
 やがて、レイがその薄い唇をわずかに開いた。無機質な言葉がそこから紡ぎ
出される。
「無理矢理、犯したのね」
 アスカは、レイのその言葉で意気を挫かれたようだった。
「うっ、そ、そうよ。あんただって、そうなんでしょ」
 挑みかかるように前に突き出していた上半身を反らして、苦しげに言う。
「ええ。でもそれは碇君が望んだこと。言っていたもの可愛い声で『僕の、おちんちんを
触ってください』って。そうよね、碇君?」


333 名前:名無しさん@ピンキーー 投稿日:2003/02/08(土) 00:39 ID:gOs4hNZq
 無我夢中で口にしてしまった恥辱に満ちた台詞をレイに再現され、シンジは
頭を抱えたくなった。見つめてくるレイの瞳を、まともに見返すことができな
い。
(綾波まで、そんなこと言うなんて……)
 今にも溢れ出しそうになる涙を、シンジは必死に堪えた。が、
「シ〜ン〜ジィ〜」
 振り返ったアスカの顔を見た瞬間、視界が滲んでしまう。とても女子中学生
のする表情ではない。
 アスカが一歩こちらに踏み出した時には、シンジは三歩後退していた。背を
向けて走り出すことだけはなんとか自制する。だがそれも長くは保たないだろ
う。
 シンジがいよいよ、責任を放棄して逃げ出すか、命を路傍に捨てるかの決断
をしようとした刹那、
 アスカは素早く、もう一度レイに向き直った。凛とした声で告げる。
「シンジは私の物≠ネんだから、もうあんたは手を出すんじゃないわよ」
(そ、そんな僕は物なんかじゃないよ……) 
 胸の内で反論するが、それを声に出す度胸はシンジにはない。
「碇君は物じゃないわ」
(あ、綾波……ありがとう)
 レイの言葉に幾分癒されたシンジの心は、しかし続くアスカの発言で完全に
破壊されてしまう。
「物じゃなきゃ、奴隷よ。人の言うことに逆らうことができなくて、女の子に
犯されちゃうような奴は奴隷で十分よ」


340 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/08(土) 02:16 ID:gOs4hNZq
 奴隷。逆らえない。奴隷。犯される。奴隷。
 頭の中を人格を否定する言葉が埋め尽くす。それを違うと叫ぶことはできな
い。その通りだと、どこかで認めてしまっている。
 シンジは微かな望みをかけてレイに視線ですがった。しかし、
「そう……そうかもね」
(そんな…酷いよ……僕は……奴隷なの?)
 レイの言葉は、シンジを絶望させた。
「でもやっぱり、あなたのじゃないわ」
「私のよっ! こいつは私の奴隷なの!」
 アスカは激高して怒鳴った。
 レイは全く動じずに、あろうことかくすりと笑った。
「どうして? 処女をあげたから?」
 アスカの手が振り上げられて、止める間もなくレイに振り下ろされる。
 もともと怒りで狙いなど定まっていなかっただろう平手を、レイは後ろに下
がって簡単に避けた。
「思った通り、そうなのね。でも処女性に意味なんてないわ。それに、それを
言ったら碇君の初めてを奪ったのは私よ」
「うるさいっ! 私が決めたのよ。私が決めたんだから、シンジは私の奴隷な
のよ!」


341 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/08(土) 02:17 ID:gOs4hNZq
 もうアスカの言葉には理屈もなにも無かった。完全に頭に血が上ってしまっ
ている。
 さすがに止めなくてはいけないだろうとシンジは、少ない唾を無理矢理飲み
込んで、アスカに制止の声を掛けたが、
「ア、アスカ、落ち着い――」
「あんたは黙ってて!」
 ぴしゃりと、遮られてしまう。
「まるで子供ね。いいわ、はっきりさせましょう。あなたと私と、どちらが碇
君を所有するのに相応しいか」
「そんなことする必要ないわよ!」
「怖いの? 意外と意気地がないのね」
 それが安い挑発だとはシンジにも分かったが、興奮がピークに達しているア
スカには判別などつかなかっただろう
「っ! いいわよ。やってやるわよ。勝負でもなんでも」
 売り言葉に買い言葉。シンジの意志とは関係なく――奴隷なら当然だが――
彼はあっという間に勝負の賞品にされてしまっていた。
「決まりね。けど――」
 その時レイの見せた笑みは、昨日教室で彼女が見せた笑みと間違いなく同一
のものだった。
「私が勝ったら碇君は私の奴隷だってこと、忘れないでね」


350 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/08(土) 16:15 ID:x2bCbd3X
 体育用具室は薄暗く、独特のすえた匂いがした。シンジは目の前で腕組みし
ているアスカと、意味深な微笑を浮かべるレイからできるだけ離れようと、背
後の跳び箱に背を押し付けていた。その姿は追い詰められた兎のようだ。
 校内はまだ授業中であったが、『ネルフ』の名前を出すと簡単に抜け出せて
しまった。シンジの「放課後か、せめて昼休みでもいいんじゃないかな……?」
という提案は二人によってすげなく却下された。
「で、勝負ってなにをするのよ」
 アスカが憮然と口にした。
「分かってるんでしょ? 碇君を先にいかせた方が勝ちよ」
(やっぱり……)
 予想はしていたが、また#ニされるのかと思うと陰鬱な気分になる。
「い、いかせるって……ここで!? 私、嫌よ。あんたに見られるなんて」
 アスカは――特に言葉の後半部分に――嫌悪を露わにした。
「それも見てみたいけれど、今日は上の口でしてあげましょ。碇君もまだでしょ
うし」
 言って、レイは舌なめずりする。
「口……こいつのをくわえろってのっ?」
「ええ。きっととても美味しいと思うわ。碇君のおちんちん」
 陶酔したような表情で語るレイ。普段とまるで違う彼女の姿に、アスカも違
和感を感じたようだった。
「なに言ってんのよ、あんた……」
 信じられないという顔でレイを見るアスカだが、
「あら、できないの?」
 挑発されると後に退けなくなるのは、その勝ち気な性質のせいだろうか。
「で、できるわよ。簡単じゃない、そんなの。お、お茶の子さいさいよ」
「そう。じゃあ、あなたからどうぞ」
「うっ、こ、後悔しても知らないわよ」
 レイの手に促されて、アスカはシンジの前に屈み込んだ。
(アスカ……)
 アスカは一度シンジの瞳に視線を送ってから、ズボンのチャックを引き下ろ
した。


362 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/10(月) 15:40 ID:e/wkXc0J
 アスカの手が、おずおずとズボンの中に差し入れられる。
(あっ……)
 ブリーフ越しに、アスカの指がシンジの性器に触れた。外へと取り出そうと
するが、うまくいかない。
「くっ……」
 焦るアスカの背後で、レイが嘲笑を浮かべた。
「ふふっ」
「ああっ、もう!」
 叫んで、アスカはズボンのベルトを乱暴に外した。そのままパンツごと引き
下ろす。
 シンジのペニスは二人の少女の前に晒された。
「あら、もう、すこし大きくなってるわね、碇君。期待しているの?」
「そ、そんな……」
 言葉では否定してみるが、シンジのペニスはレイの指摘通り、すでに常時よ
り一回りほど膨らんでいた。
 アスカは息がかかるほど間近で、それを無言で凝視している。
(アスカと綾波に見られて、恥ずかしいはずなのに……)
 胸の奥が酷く熱くて――恥ずかしいことをされていると思えば、思うほど―
―シンジの性器はまた大きさを増した。のみならず、びくっと跳ねて角度も水
平近くになる。


363 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/10(月) 15:41 ID:e/wkXc0J
「なっ」
 それを眼前で目撃したアスカは、小さな驚嘆の声を上げた。
「ふふっ、見られるだけでそんなにしちゃうなんて。これなら簡単ね」
 レイの言葉の最後はアスカに向けられたものだ。
 ペニスを食い入るように見つめていたアスカは、はっと我に返り、振り返っ
て告げた。
「だ、だから、楽勝だって言ってんでしょ」
「じゃあ、初めて。時間は三分よ」 
 レイの予想外の発言に、アスカが悲鳴を上げる。
「さ、三分ですってっ!」
「そうよ。それ以上時間をかけていたら、誰にだってできるでしょ」
 レイは、さも当然のことのように言う。
「ま、まぁ、そうね……」
 うなずくアスカの声は小さかった。
「それじゃ、開始よ」
 腕時計を見ながら、レイが宣言した。
「ちょ……うぅ」
 アスカはまだ何か言いたそうだったが、意を決した表情でシンジのペニスを
掴んだ。


364 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/10(月) 16:48 ID:e/wkXc0J
 性器を通してアスカの手の微かな震えが、シンジに伝わってくる。
(アスカ……)
 無理しなくていいよ――出かかった言葉をシンジは飲み込んだ。そんなこと
を言えば、アスカの神経を逆撫でしてしまうだろう。
 シンジのペニスを握ったまま、アスカは固まってしまっていた。
「どうしたの、もう十秒たったわよ」
 レイが、冷酷に時間の経過を告げる。
「わ、分かってるわよ……」
 口ではそう言うが、相変わらずアスカは動けないでいる。
「ほら、二十秒よ」
 レイにさらに急かされて、アスカは恐る恐るシンジの露出している亀頭部分
に下を付けた。
「うぅっ」
 敏感な部分を一舐めされて、シンジはうめいた。
「き、気持ちいい……?」
 アスカの問いに、シンジは首を縦に振った。
「う、うん」
「だったらもっと感じて、さっさといっちゃいなさいよ」
 アスカは性器の頭頂部に何度も舌を這わせた。確かに気持ちいいのだが同じ
場所を永遠舐められるだけでは、もどかしく、到底いくことはできない。
「一分三十秒。あと半分よ」


373 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/11(火) 19:16 ID:f5HamuZC
 経過時間を知って、アスカはシンジを問いただした。
「ちょ、ちょっとシンジ、まだなの?」
「む、無理だよ。そこだけじゃなくて、他のところも……その…してくれない
と」
「だったら最初から、そう言いなさいよ。どこよっ。どこをどうすりゃいいの
よっ」
 アスカにせっぱ詰まった口調で聞かれ、答えようとしたシンジは、
「だから――」
「だめよ」
 レイに制止されて、思わず口をつぐんでしまった。
「碇君に教えてもらうのはルール違反よ。感じる場所は自分で探さないと、意
味がないわ」
「なによそれ……聞いちゃだめって、聞かなくちゃ分かるわけないでしょ。こ
んなもののやり方なんて!」
 アスカはレイに食ってかかったが、全く受け付けてもらえない。
「私と話してる暇は、無いんじゃない? もう一分も無いわよ」
「くっ……」 
 ペニスを握るアスカの手の力が強くなる。それはシンジにとって、ただ苦し
みでしかない。
「い、痛いよ、アスカ……」
 抗議の声は完全に無視され、アスカは目を閉じて一気にペニスをくわえ込ん
だ。


379 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/12(水) 02:51 ID:3Mi/wf+E
瞬間、シンジは絶叫を上げた。
「あっあぁぁぁーーっ!」
 驚いて、アスカがペニスから口を離す。
「ど、どうしたのよ」
 シンジは性器を手で抑えて、その場にしゃがみ込んだ。痛み――今まで感じ
たなかで間違いなく最大の痛み。瞳に涙が滲み、シンジは嗚咽を漏らした。
「ちょっと、シンジ?」
 アスカが顔を覗き込んでくるが、シンジは痛みで答えるどころではない。 
「ふふっ、あはははっ」
 突然、室内に笑い声が響いた。見ると、レイが口元に手を当てて愉快そうに
笑っている。見慣れない――いや、初めて見るレイの姿に、シンジは痛みを忘
れて見入った。
「ごめんなさい、あんまり可笑しかったから。歯を立てちゃったのね。ふふっ、
もう三分過ぎちゃったわ」
「なっ、じゃあ――」
「あなたの勝ちは無いわね」


380 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/12(水) 02:51 ID:3Mi/wf+E
「くっ、馬鹿シンジ、あんたのせいよ! 私が一生懸命してあげてんのに」
 アスカに罵倒され、シンジは条件反射で謝ってしまう。
「ご、ごめん……」
 頭を下げてしまったから、噛んだことを謝ってはくれないのだろうかと数瞬
考えるが、それをアスカ求めるのは――ライオンに野菜を食べろと、言うのと
同じで――無理だと悟る。
 と、まだ怒りが収まらずシンジを睨んでいるアスカと、シンジの間にレイが
割り込んでくる。
「本当は休憩を入れてからするつもりだったんだけど、これならこのままして
も問題ないわね」
 シンジのペニスの状態を確認してレイが言う。確かには痛みのせいで萎えて
縮んでしまっていた。
「可哀想な碇君。酷い目にあっちゃったわね。けど安心して、私が痛みなんて
忘れるくらい気持ちよくしてあげるから」
 レイの眼差しは蠱惑的で、シンジは吸い込まれてしまいそうな錯覚を覚えた。


384 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/12(水) 14:58 ID:ApkIWq8L
「時間、計っていてね」
 アスカに向けて、レイが言う。
「わーってるわよ。シンジ、ファーストにいかされたりしたら承知しないから
ね」
 アスカに脅されるまでもなく、完全に萎えてしまった今の状態からでは三分
ではとてもいけそうになかった。
「スタートよ」
 アスカの合図と共に、
「まずは、ちゃんと剥いてあげないといけないわね」
 レイは左手で陰茎を固定し、右手で包皮を剥き始めた。
「え、い、痛いよ、綾波……やめて」
 自分でも剥いたことがないため、痛みを感じる。だけでなく、未知の行為に
対する恐怖も大きかった。
「だいじょうぶよ。すぐに気持ちよくなるわ」
 言い聞かせるように言って、レイは残りの包皮をめくり降ろした。
「うぅっ」
 鋭い痛みを越えて、シンジの亀頭は初めて全てを外気に触れさせた。敏感な
先端部は、それだけで刺激を受けているように感じる。
「きれいなピンク色ね。とても素敵よ、碇君」
 レイの舌が、亀頭を撫でた。
「ひっ、あぁ」
 思わず腰を引いてしまいそうな刺激がシンジを襲うが、レイにしっかりとペ
ニスを握られていて逃げることができない。


385 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/12(水) 15:42 ID:ApkIWq8L
 レイは、亀頭を何度も執拗に舐った。その度にヒリヒリと痺れるような痛み
が走るが、だんだんとそれが痛覚だけではないように思えてくる。
(痛い……痛いはずなのに…なにか)
 シンジのペニスは気づかぬうちに大きさを取り戻していた。
「気持ちいい?」
 舌の動きを止めてレイが聞いてくるが、シンジには答えることができない。
「……」
「感じたことのない感覚に戸惑っているのね。だったら、ここはどう?」
 レイは亀頭のくびれに舌を這わせた。今までに倍する刺激がシンジの脳に伝
わる。
「あぁっ、あうぅっ(気持ちいい……これが気持ちいいってことなの……?)」
 レイの舌がくびれを三週もしたころには、ペニスは最大に勃起しそそり立っ
ていた。
「次は、ここよ」
 レイは眼前にあるペニスの裏筋を縦に舐めた。
「あぁ、あぁぁっ」
 亀頭部よりは小さい、しかし完全に快楽のみの刺激を受けて、シンジは嬌声
を漏らした。このままでは、すぐに――
「一分三十秒よ!」
 怒気を孕んだアスカの声。見やると彼女の瞳は「なに感じてんのよ。まさか
いく気じゃないでしようねぇ。私の時はいかなかったくせに!」と、明確に語っ
ている。しかし、
(ま、まだ半分もあるの……)
 我慢なんてできるはずもない。


394 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/13(木) 23:13 ID:VaRxkbYH
「もっと楽しんでいたいけれど、勝負だから」
 言って、レイはペニスの先端を口に含んだ。ペニスは見る間に口腔の中に吸
い込まれてしまう。シンジの性器が年相応のものでしかないとはいえ、レイの
小さな口の中にその全てが隠れてしまったことにシンジは驚きを覚えた。
「あ、綾波……」
 ペニスを頬張り、上目遣いでシンジを見るレイの顔は、堪らなく艶っぽかっ
た。
(僕の…が、綾波の口の中に入ってる……)
 レイの口内は暖かく、唾液で濡れていた。それだけでも心地よいというのに、
さらに彼女の舌が亀頭や裏筋を容赦なく刺激してくる。
「二分っ!」
 憤怒の形相のアスカに、シンジは涙目で答えるしかない。もう射精は時間の
問題だ――だというのに、レイはとどめとばかりに、空いている手で睾丸を揉
みしだき始めた。
「うぅ、あぁぁっあぁっ」
 射精欲が急速に迫り上がってくる。
(ごめん、アスカ……)
 シンジは胸中でアスカに詫びながら、ギブアップを宣言した。
「も、もうだめだよ……出ちゃう…から。放して……綾波っ」
 だがレイはペニスを放すどころか、舌や手の動きをますます強く早いものに
した。
「だ、だめだったらっ! は、早く離れて…でないと……あっ、あぁぁっ、うぅっ」
 なんとかレイが離れるまで耐えようとしたシンジだったが、その甲斐もなく
レイの口内で精液を放出してしまう。自分のペニスが、どくどくと多量の精液
を吐き出しているのがシンジにも分かった。


396 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/14(金) 00:35 ID:NrIe07cH
「うぅぅっ、あ、綾波ぃっ……」
 シンジの放出が終わってからもレイは口を離さず、最後の一滴まで絞り尽く
すようにペニスをしゃぶった。精液をすする隠微な音が、やけにはっきりと聞
こえる。
 十秒以上経過して、シンジのペニスはようやくレイの口から解放される。シ
ンジは力が抜けてしまい、その場に腰を落とした。
「ふふっ、碇君の濃くてとても美味しいわ」
 レイはそう言って微笑んだが、シンジには罪悪感しかない。
「時間は?」
 レイに尋ねられて、アスカは歯噛みしながら答えた。
「……二分三十二秒」
 それはレイが口を離すまでの時間で、射精の時間はもっと早い。
「そう。なら私の勝ちね」
 勝ち誇ったレイの言葉にアスカの顔は一瞬青くなり、次の瞬間には真っ赤に
染まっていた。
「いっ、言われなくったって、こんな馬鹿こっちからくれてやるわよっ! な
によ、ちんぽくわえられて、あんあん言っちゃってさぁ。ほんと、馬鹿じゃな
いの……。馬鹿な上に、優柔不断で臆病で弱虫で情けなくて偽善的でファザコ
ンで鈍感で卑怯で間が抜けてて、おまけに早漏よっ!」
 脱力しているシンジが、なにか言い訳するよりも早く、
「いらないのなら、ありがたく頂くわ」
 レイがシンジを胸に抱き寄せて、告げてしまう。
「くっ……じゃあねっ、馬鹿シンジッ!」
「ま、待って、アスカ――」
 アスカは身を翻すと、入り口の扉を力任せに開けて外へ駆け出した。追わな
くてはいけないと思うのだが、体に力が入らず、レイの懐から抜け出すことが
できない。
 もがくシンジに、レイは屈託のない笑顔で宣言した。
「よろしくね、碇君。今日からあなたは私の奴隷よ」



413 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/14(金) 16:14 ID:7Z4KkF7M
「アスカ、帰ってるかな?」
 エレベーターの中で、シンジはひとりつぶやいた。あの後、アスカを捜した
のだが、校内にその姿は無かった。
 目的の階数になりエレベーターが止まる。扉が開いて、シンジは歩き出した。
横目で見る眼下の眺めは、眩しい日差しに照らされている。
「まだお昼だもんね」
 たださえエヴァの訓練や実験で置いて行かれ気味の授業が、これでまた進ん
でしまうかと思うと鬱な気持ちになるが、今はそれよりもアスカの行方が気に
なる。
 自宅の玄関前にたどり着き、オープンボタンを押したシンジは首を捻った。
「あれ……ロックされてる。アスカ、いないのかな?」
 とりあえず中を確認しようと、シンジはカードキーを取り出して扉を開いた。
短い電子音がした後で、扉が横にスライドして行く――
「――っ!」
 シンジは、声にならない悲鳴を上げた。
 アスカが目の前に仁王立ちしている。
「なにしにきたのよ」
 アスカは、ぶっきらぼうに言い放った。
「な、なにしにって……アスカのことが気になって……」
「私ならここにいるわよ。おかげさまでいたって元気よ。これで満足?」
 きっぱりと言われてしまい。自分でもアスカを探して、なにがしたかったの
か分からなくなってしまう。シンジは言葉を捜しながら続けた。


414 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/14(金) 16:15 ID:7Z4KkF7M
「だから……その…謝りたくて……」
「ふっ、あんた馬鹿?」
 顔を和らげて、アスカは鼻で笑った。意味が分からず、聞き返す。
「えっ」
「なんで、あんたがあやまんのよっ!」
 シンジはアスカの怒声を正面から受けた。
「私が勝手に勝負して、勝手に負けたのよっ。それで、なんであんたがあやま
んのよ」
「それは……」
「哀れんでるつもり? あんたなんかに情けを掛けられるほど、私は落ちぶれ
ちゃいないわよ!」
 何とか言いつくろおうとするが、とりつくしまもない。
「あんた、ファーストの奴隷なんでしょ。あいつの所へ行けばいいじゃない。
せいぜい可愛がってもらうのね。今日からあんたのうじうじした顔見ないです
むかと思うと、清々するわよ」
 アスカはそこまで一気に言うと、扉を閉めてしまう。
「ちょっ、アスカッ!」
 シンジの叫び声は扉に遮られた。
 すぐに扉がロックされる。キーはあるのだから、鍵を閉められても何度だっ
て扉を開けることはできる。けれど――
 シンジは、閉められた扉と手に持っているカードキーとをしばらく交互に見
つめ、扉に背を向けた。


420 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/16(日) 15:32 ID:WVtA3BqT
 扉に背を預け見上げていた空は、いつの間にかすっかり傾いて、綺麗だがど
こか陰鬱な橙色に染まっていた。気を緩めるとわけもなく涙が出てしまいそう
な、そんな色。
 弁当を公園で食べ、本屋で時間を潰し、しばらく逡巡した後でシンジはその
場所にいた。
 うち捨てられたとしか思えない廃墟のようなマンション。実際、一時間以上
ここにいるというのに人と出くわすこともないし、声も聞こえない。生活の匂
いさえ全くしなかった。
 それはこの建物だけでなく、辺りに建つ他のマンションも同じだった。ミサ
トの話だと第三新東京市建設時に作業員達の住居として利用されていた区域ら
しい。
(綾波は、なんでこんな所に一人でいるんだろう?)
 当然のように疑問に思うが、ミステリアスなレイの雰囲気には似合っている
かもしれない。近所付き合いを親しくしている彼女の姿は、想像し難かった。
そんな取り留めもないことを考えていると――
 カツン、カツンと、階段から靴音が聞こえてくる。
 シンジは身を起こして、階段の方を注視した。
 すぐにレイが姿を見せた。彼女はシンジを見つけると、一度目をしばたかせ
たが後は無言のまま歩いてくる。
「あ、綾波、あの、僕……」
 傍らまできたレイにシンジから話しかけるが、彼女はシンジの方を見もせず
に鍵穴にキー――カードではない――を差し込み、ドアを解錠する。
 レイの態度にシンジは慌てた。学校を抜け出すときに、レイには止められて
いる。
「いきなりで、迷惑だとは、思うんだけど……」
 突然、レイが振り返る。シンジは息を飲んで、緊張に耐えた。


421 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/16(日) 16:45 ID:WVtA3BqT
 数秒、沈黙を置いてから、
「泊めて欲しいんでしょ。いいわ、入って」
 レイは中に入るよう、シンジを目で促した。
 ほっと、胸をなで下ろす。シンジは、レイがなにも聞かずに泊めてくれるこ
とに感謝した。
「う、うん、ありがとう……」
 シンジはレイの後に続いて部屋に入った。
「お邪魔します」
「少し散らかってるけど」
 レイはそう言ったが、見回した部屋の中は一般的な散らかり方とはだいぶ違
う――少なくともシンジが初めて訪れた時のミサトの部屋とは。そもそも散ら
かるほどには、物がない。パイプベット、ワンドアの冷蔵庫、テーブルに椅子
が二脚。家具と呼べる物はそれくらいだ。ただ、椅子の背に靴下が引っ掛けて
あったり、冷蔵庫の上に薬がばらまかれていたり、テーブルに汚れた包帯が転
がっていたりする。
 パチッ、と照明のスイッチが入れられる。蛍光灯が明滅し光が灯る。白色が
強く、寒々しくも思える明かりだ。
(もっと暖かい色のにすればいいのに)
 余計なお節介だと思うが考えてしまう。寒色系の明かりと暖色系の明かりで
は、たとえば料理にしても感じ方がまるで違ってしまう。
 レイの部屋は、打ちっ放しの天井や壁紙の張られていない壁に至るまで、全
てが無機質で無造作に存在しているようにシンジは見えた。
「そうだ。綾波って、あまり料理とかしないよね……よかったら、夕食、僕が
作るけど、この辺ってスーパーどこにあるのかな?」
 間を保たせようと言ってみるが、レイの言葉はシンジを突き放した。
「そんなことをするために、ここにきたわけじゃないんでしょ」
 シンジの胸の内を見透かすようにレイが言う――いや、実際見透かされてい
るのだろう。間違いなく。
「私も、そんなことのために、あなたを部屋に入れたわけじゃないわ」


424 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/17(月) 16:41 ID:OTkSQmeP
 冷淡とも感じられるレイの口調に、シンジは押し黙った。レイが自分を部屋
に招き入れた理由――それは努めて考えないようにしていたが、昨日今日の出
来事から簡単に予測できてしまいもした。
(違う……綾波は、そんなんじゃ……)
 心の中で自分の考えを否定するが、次のレイの言葉を決定的だった。
「服を脱いで」 
「な、なに言ってるの……?」
 シンジはごまかし笑いした。冗談だよね、と続けようとして、レイの目が本
気であることに気づき言えなくなってしまう。
「命令よ。服を脱いで」
 レイは繰り返した。
「なんでだよ……どうしてそんなこと言うのさ!」
 我知らずシンジは声を荒げてしまっていた。
 それに対するレイの答えは、明確だった。
「あなたは私の奴隷だからよ」
 勝負の勝者がシンジの所有者になる。それはアスカとレイが決めたことで、
シンジ自身が認めた事ではない。否定することもできなかったが。


425 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/17(月) 16:42 ID:OTkSQmeP
「僕は奴隷なんかじゃない……」
 シンジは弱々しく、うめくように言った。ここで抗えなければ、本当の
奴隷≠ノなってしまいそうな気がする。
「嫌なら出ていって」
 レイは顔色一つ変えず、シンジに告げた。
(そんな……) 
 今日は――今日だけはアスカのいる家に帰りたくなかった。逃げているだけ
なのは自覚している。明日になっても事態が好転するわけではないことも。そ
れでも存在を否定されてしまうことは嫌だった。嫌で嫌で堪らなかった。
「脱ぐの? 脱がないの?」
 レイが答えを迫る。
 大きな嫌≠回避するために小さな嫌≠受け入れる。人生にはその選
択しかない。すくなくともシンジには、他に無かった。
(しかたないよ……しかたないんだ。これまでだって、そうしてきたんだから)
 何度も言い訳して、正当化して、シンジは震える手でズボンのベルトを外し
た。


443 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/19(水) 14:34 ID:fQHh/E+N
 ズボンから足を抜いて、下を向いてレイの方を見ないようにしながら、次に
ワイシャツのボタンを一つ一つ外していく。下に着ていたTシャツも脱いで、
アスカに「なまっちろい」と表された肌が露出したところで、シンジは恐る恐
る顔を上げた。
 残っている衣服は、真っ白なブリーフと靴下だけだ。
「どうしたの? まだ残ってるわ」
「あ、綾波……」
 シンジは瞳に力を込めて必死に訴えかけたが、レイは許しの言葉をかけては
くれない。しかたなくシンジは、まずは靴下に手を掛けた。と、
「待って。靴下は脱がなくていいわ。」
 レイの意図は分からなかったが、命令に逆らうのを諦めたシンジはブリーフ
をゆっくりと脱いだ。
「ふふっ、思った通り滑稽ね。奴隷にはとても似合っているわ」
 レイは満足そうに、笑った。確かに、性器を含め全てを晒しているというの
に靴下だけきちんと履いているシンジの姿は、酷く間が抜けていて惨めだった。


444 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/19(水) 14:34 ID:fQHh/E+N
(酷いよ……こんなの…裸よりも恥ずかしいじゃないか……)
 シンジはレイを恨みに思った。羞恥のために全身が火照って朱に染まる。特
に胸の奥が熱かった。
「後ろを向いて」
 命令に従ってシンジは後ろを向いた。
「お尻も男の子とは思えないくらい綺麗よ、碇君」
 レイの言葉が背後から突き刺さる。シンジは自身の肉体の変化に気づいた。
(なっ!? なんで……?)
「いいわ、前を向いて」
 言われても、シンジはすぐに向き直れなかった。
「? もう一度言うわ。前を向いて。それともその格好のまま表に出されたい
の?」
 語気を強めてレイが言う。今のレイならば本当にそれをしかねないと思う。
それでも、シンジはレイに体を向けられなかった。変化が鎮まってくれること
をひたすら祈る。しかし、
「早くして!」
 レイに一喝されて、シンジは目を閉じて振り返った。


450 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/19(水) 16:37 ID:fQHh/E+N
 くすくすと、レイの笑い声が聞こえる。股間は手で隠しているが、きっと分
かってしまったに違いない。
「手をどけて」
 目をきつく閉じて、さらに横を向いてシンジは性器を守っていた手を離した。
「勃起してるわね」
「うぅ……」
 レイに言われるまでもなく当然知っていたが、認めたくはなかった。
(なんで、なんで膨張しちゃうんだよ……こんなの恥ずかしくて、嫌なだけな
のに……)
「目を開けて、自分のおちんちんを見て」
 目を開いて見下ろした先には、想像以上に大きく膨らんだペニスが上を向い
てそそり立っている。シンジはペニスを切り取ってしまいたいと思った。切り
取って、これは自分の思考とは全く別個のものなのだと、そう主張したかった。
「ストリップをさせられて、靴下だけの姿にされて興奮しちゃったのね」
「ち、違うよっ」
 最後の気力を振り絞って否定する。


451 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/19(水) 16:37 ID:fQHh/E+N
「違わないわ。教室でだって用具室でだって、嫌だと言いながら、あなたはお
ちんちんを大きくさせていたじゃない。碇君はマゾなのよ。変態よ」
「僕は変態なんかじゃないっ!」そう叫びたかった。しかし、マゾ、変態と呼
ばれたシンジの性器はレイの言葉を肯定するように痛いくらいに硬さを増し、
血管を浮き上がらせ、びくんびくんと脈打ちさえした。
 気がつくとシンジは涙を流していた。絶望で心が壊れてしまいそうだった。
「悲しいのね。自分がマゾで、そのことを認めなくてはいけないことが。でも
泣く必用はないわ。変態だということは、普通よりも多くの快楽を得られると
いうことなのよ」
 レイはシンジへと歩み寄り、涙を舌で舐めとった。不思議とそれで涙は止まっ
た。
 レイはいったんシンジから離れると、椅子をシンジの前に置きそれに足を組
んで座った。
「せっかく元気になったんだから、オナニーをして見せて。私が全部見てあげ
るから、おもいっきりね」


456 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/20(木) 15:31 ID:lIgBin1z
「な……」
 信じられない命令にシンジは言葉を失った。
「いつもしているんでしょ?」
「……」
 そんな質問に答えたくはなくて、シンジは黙ったままでいたが、
「答えて。どのくらいしているの?」
 レイはしつこく聞いてくる。シンジはしぶしぶと、正直に話した。
「……週に一回くらい」
「少ないわね。本当は、毎日しているんじゃないの?」
「ほ、ほんとだよ。すぐ近くにアスカやミサトさんがいるのに、そんなにでき
るわけないじゃないか」
 なおも訝しげなレイに、シンジは弁明した。自室にはいつアスカやミサトが
入ってくるかもしれないし、浴室やトイレに長くいるのも怪しまれてしまう。
使用後のティッシュの処理にさえ、シンジは気を遣っていた。
「そう。じゃあ、いつもみたいにしてみせて」
 レイに促され、シンジは半ば自棄気味に自らの陰茎を握った。ゆっくりと手
を前後に動かし始める。
(無理矢理させられたって、気持ちいいはずない……)
 理性では間違いなくそう思うのだが、ペニスをしごくたびに快楽が脳を刺激
した。自然と手の動きが早くなってしまう。


458 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/20(木) 16:30 ID:lIgBin1z
「する時は、なにをネタにしているの?」
 レイの口からネタ≠ネどという言葉が出ても、もはや驚きはない。シンジ
は手の動きを続けながら答えた。
「ケンスケから借りた写真集とか……」
 気まぐれで、シンジは遠慮したのだが強引に渡されたグラビアアイドルの写
真集を見ながら、してしまったことは確かにあった。だが実を言えば――
「それだけ? 弐号機パイロットや葛城三佐のことを思ってしているんじゃな
いの?」
 考えていたことをレイに先読みされ、ぎくりとしながらシンジは言葉を返し
た。
「えっ……う、うん…た、たまにはね……」
 口ではそう言ったが、自慰をするときはアスカやミサト、それにレイの姿を
想像してすることがほとんどだった。
「ふふっ、下着を盗って使ったりはしていないの?」
「そっ、そんなことするわけないじゃないかっ!」
 レイの発言に、シンジは手の動きも止めて叫んでいた。思った以上の大声に
シンジ自身、驚いてしまう。
 葛城家の洗濯を一手に引き受けているシンジだ。洗濯前の下着を手にとって
観察してみたい衝動に駆られたことはある。しかし、それを実行に移してしまっ
たことは天地神明に誓って無かった。
「碇君らしいわね。それなら――」
 レイは微笑し、組んでいた足を解いて立ち上がった。おもむろにスカートの
中に手をやり、
「私のを使ってもいいわ」
 ショーツを引き下ろすと、シンジの前に差し出した。


467 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/21(金) 15:44 ID:QfyPuPoB
 一瞬ならず、シンジはレイの純白の下着に目を奪われた。それに気づき慌て
て首を振る。
「い、い、いいよ」
「遠慮しなくてもいいのよ。それとも、私のじゃ嫌?」
「そ、そんなこと……ないけど」
「だったら」
 ほら、と言ってレイは下着を持った手を、さらにシンジに近づけた。
 眼の前にある薄布を見つめ、シンジは唾を飲み込んだ。それから、緩慢な動
作でそれに手を伸ばす。
(しかたないよ。これも命令だもん……)
 言い訳でしかない。いつものように他人のせいにして、自分の欲望を満たそ
うとしている。そう思う――思うが、手は止まらない。
 触れたショーツは柔らかく、彼女の体温でほのかに暖かった。
「ふふっ」
 レイは、シンジの手にショーツを握らせる。
「……」
 シンジは、それを顔の高さに引き寄せて凝視した。手が震える。いや、体全
体が微かに震えていた。
 両手を使って裏返すと、中心付近に純白の中でそこだけ違う色の筋が見つか
る。
 ちらりとレイを伺うと、
「匂いを嗅いでもいいのよ」
 彼女は、甘く囁いた。


469 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/21(金) 16:56 ID:QfyPuPoB
 シンジは理性を総動員させ、社会性と倫理観、さらにはわずかな信仰心まで
持ち出して、どうにかすんでのところで欲望を抑えた。
(だいじょうぶ……下着の匂いなんか嗅ぎたくない……こんなのただの汚れだ
もん)
 だが、レイの言葉がシンジの脆い理性を破壊する。
「迷うことはないわ。あなたは私の奴隷で、変態なんだから」
(いいの……? 僕は綾波の奴隷で変態だから、してもいいの?)
 シンジはショーツを鼻に押し付けた。すえた匂いが鼻孔を犯す。
(これが綾波の匂い……)
 呼吸する度に、体の中心が熱を帯びる。シンジは、片手でショーツを押さえ
たまま、再びペニスをしごき始めた。
「はぁ、はぁ、はぁっ」
 シンジの呼気が荒くなる。レイのショーツの匂い全てを体の中に取り込んで
しまいたかった。
「あぁっ、気持ちいいっ。気持ちいいよぉ」
 目の前にレイがいることも忘れ、シンジは悦楽の声を出した。背徳感が興奮
を加速する。汚れて墜ちていくことが心地よかった。
 かつてないほどに熱くたぎったペニスは、すぐに沸点を迎えた。
「はっ、ああっ、ああぁぁっ」
 ペニスの先端から白い欲望の塊が、勢いよく吐き出される。いくらかは間近
にいたレイのスカートにあたり、白い筋を作った。
 シンジはその場に両膝をついた。射精した後だというのに、ペニスはいっこ
うに縮まる気配がない。自慰をした後に襲われる自己嫌悪も今はなかった。
 シンジは興奮が冷めやらぬまま、陶然とした眼差しでレイを見上げた。
「もう一回ね」
 レイの命令に、シンジは喜びを覚えた。



476 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/22(土) 15:06 ID:TygrjOAj
 アスカはキャミソールにショートパンツというラフな格好で、テレビの前に
横になり、見るとはなしにバラエティ番組を眺めていた。もとから笑うつもり
が無いので、ちっとも笑えない。演出で挿入されている笑い声だけが虚しく居
間に響く。
 壁に掛かってる時計を見やると、時刻は八時少し前だ。別になにかを待って
る訳ではないのだが、先ほどから時計に目をやる回数が増えてしまっている。
気になることなど、なにもないのに。
 と、玄関でドアの開く音がして、アスカは身を固くした。平静を装いながら、
意識を背後に向ける。だが――
「たっだいま〜」
 聞こえてきたのは脳天気なミサトの声で、アスカは脱力した。緊張が解けて
ほっとするが、すこし残念にも思う。
(ふぅ……ん、なによ、私…がっかりしてるの……? そんなわけないじゃな
い!)
 が、アスカはその考えをすぐに振り払った。こんなのはちょっとした気の迷
いだ。ちょっと長く一緒にいたせいで、いないのが落ち着かないのだ。すぐに
慣れるに決まっている。
(そうよ、シンジなんて置物と同じよ。あんなやつのことなんて、知ったこっ
ちゃないんだから!)
 そのうちにミサトが居間に入ってくる。
「ただいま、アスカ」
「おかえり、ミサト」
 胸中の葛藤を悟られぬよう、アスカは背中を向けたままぞんざいに挨拶した。
「ありゃ、シンちゃんは?」


479 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/22(土) 15:52 ID:TygrjOAj
 ミサトが、すっとんきょうな声を上げた。
「帰ってないわよ……」
 アスカは――変わらず背中を向けたまま――憮然と言った
。 「えー、なんでよ? 今日の晩ご飯はシンちゃんの当番じゃない。楽しみで、
日向君の飲みの誘い断って帰ってきたのよ、私」
 ミサトはいじけたように頬を膨らませた。もっとも夕食の当番は週五回シン
ジで、残りの二回もアスカやミサトがなんやかんやと理由を付けてやらせてい
るので、ほぼ毎日なのだが。
「適当にあるもん食べればいいじゃない」
 ダイニングのテーブルには、アスカが食い散らかしたレトルト食品の残骸が
散乱したままになっている。
「ええっ、嫌よ。シンちゃんの手料理に慣れちゃったら、レトルトになんて戻
れないわよ〜。ねえ、シンちゃんどこいっちゃったの? まさか――誘拐され
たんじゃ。アスカ〜、心当たりはないの?」
 ミサトがアスカの肩を揺すりながら、言う。冗談で言ってるのだろうが、今
のアスカには鬱陶しいとしか思えない。


480 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/22(土) 15:53 ID:TygrjOAj
「知らないわよ。ファーストのところじゃないの?」
 アスカはミサトの手を払いのけながら、答えた。十中八九そうだろう。他に
いく場所もないだろうし。
「なんで、シンちゃんがレイの所に……?」
「さあね、もう帰ってこないかもよ。いいじゃない。帰ってこなかったら、こ
なかったで。家事くらい私がやってやるわよ」」
 いい加減、会話を打ち切ろうと、アスカはここで初めて振り返り告げた。
 ミサトは顎に手を当てて目を上向かせ、考える素振りを見せた。しばらくし
て、ぽんと手を打つ。
「はは〜ん、分かったわよ〜。アスカったらシンちゃんとけんかして、『あん
たなんか、レイのところへいっちゃえ』とか心にもないこと言っちゃったんで
しょ。それで素直なシンちゃんが本当にレイのところへいっちゃったもんだか
ら、やきもち――」
「馬鹿言ってんじゃないわよぉっ!」
 ミサトに最後まで言わせずに、アスカはあらん限りの声で怒鳴った。
 そのまま、耳を押さえているミサトの脇をすり抜けて、自室に駆け込む。


510 名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/25(火) 04:26 ID:GxhZiMiM
 ふすまをぴしゃりと締めて、アスカはベットにうつぶせに倒れ込んだ。
「ちょ、ちょっと、アスカ」
 ミサトの声が追いかけてくるが、部屋の中にまで入ってくることはないだろ
う。表面上は話せるお姉さん≠ヤっていても、一定以上、心の中に踏み込め
ない。ミサトは、そういう女だ。
(だから嫌いなのよ……)
 案の上、数回ノックの音がした後、声は止んだ。
 アスカは寝返りを打って、ぼんやりと天井を見上げた。
(あの馬鹿……ほんとにレイのところにいっちゃったわけ?)
 確かにアスカは、シンジにレイのところへいってしまえと言いはしたが、だ
からといって素直にそれに従うことはなかろうと思う。
 アスカは枕を手に取ると、天井に放り投げた。
(馬鹿じゃないの、あいつ? 本気で言っているかどうかくらい分かりなさい
よ!)
 落ちてきた枕をおもいきり蹴り飛ばす。枕は壁に叩き付けられて、床に落ち
た。
(人の言うことにただ黙って従うだけなんて――まあ、それがあいつの処世術
なんでしょうけど――そんなのただの人形じゃない)
 シンジは、人に逆らわないことで波風を立てず自分が傷つかないようにして
いるつもりなのだろうが、そういった態度がいらいらする人間だっている。誰
も傷つけずに、自分も傷つかずに生きることなんてできはしない。傷つきたく
なかったら、自分が強くなるしかない。それが結果、他人を傷つけることになっ
ても。
(ほんと…馬鹿よ……)
 アスカは、すこしだけシンジを哀れに思った。傷つくことに臆病で、いつも
他人の目ばかり気にしている。本来誰にでもいるはずの無条件に自己を肯定し
てくる者がいないから――自分の居場所がどこにもないから、ここ≠ノいて
もいい何かになろうと必死にもがいている。それはまるで――


511 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/25(火) 04:26 ID:GxhZiMiM
「あぁ〜〜もぉっ、なんで私が馬鹿シンジのことで悩まなくちゃいけないのよ」
 アスカは陰鬱に支配されつつある思考を吹っ切ろうと、声に出して言った。
(もうシンジがどうなろうと、知ったこっちゃないわよ)
 毛布を頭まで被り、目を閉じる。嫌な気分の時はふて寝してしまうに限る。
目が覚めれば、いつもの自分になっているはずだ。
 だが、
(――っ!)
 意識して考えないようにすれば、かえって無意識に思い浮かべてしまう。昼
間の、レイがシンジの性器を咥えている映像が頭の中でフラッシュバックして、
アスカは息を飲んだ。
 自然な流れで、今頃ふたりがなにをしているのかを考えてしまう。
(……きっと、シンジのやつが晩御飯作ったんでしょうね。ファーストは料理
できそうもないし。で、あいつのことだから、部屋の掃除を始めたりして――)
 思考が望まぬ方向にいかぬように、アスカはあえてシンジがしそうな行動を
子細に想像した。が、それも長くは続かない。
(それから……そうね…それから……えーと)
 アスカは目を閉じたまま、呻いた。
(お、お風呂に入って……って、お風呂!?)
 アスカはミスに舌打ちすした。これは思い浮かべてはいけない単語だ。だが、
明晰な頭脳は勝手に答えを導き出してしまう。入浴を済ませ、身を清めた男女
ふたりがすることといったら――
(人形女のファーストと、根性なしのシンジがふたりきりでいたからって、どう
にもなるわけないじゃない)
 以前であれば、そう一笑に付すこともできただろうが、昼間のレイの様子か
らいって間違いなく彼女はする≠セろう。シンジがそれに逆らえるはずもな
い。
 レイに騎上位で責めたてられるシンジの姿が、鮮明に脳裏に浮かび上がる。
 アスカは毛布を払いのけて、跳ね起きた。


520 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/25(火) 15:20 ID:GxhZiMiM
「か、関係ないわよ。シンジとファーストが裸で抱き合おうが、セックスしよ
うが。だいたい、シンジは昨日も教室で犯されたって言ってたじゃない」
 口ではそう言うのだが、頭の中ではシンジの喘ぎ声が響き続けていた。それ
がアスカの身体の芯を熱くする。
 アスカは、ショートパンツ越しに熱の中心を見下ろした。
「関係ないんだから……」
 またつぶやいて、ゆっくりとパンツを脱ぎ去る。淡いブルーのショーツには、
薄っすらと染みができていた。
 アスカは染みのできている部分を、そっと指でなぞった。
「うぅく……」
 心地よさに声が漏れる。アスカは指の動きを繰り返した。
「関係ないわよ。私は性欲を処理するためにオナニーしてるだけで、シンジな
んかとは何の関係もない……」
 関係ない。そう何度も弁解するが、シンジの嬌声は一層艶っぽさを増して耳
元で聞こえる。
 手淫を続ける内に、ショーツは愛液を吸って染みを大きく広げていた。
「はぁっ」
 アスカは、もどかしくなりショーツをずり下ろした。まだ短くまばらな恥毛
の下に、淫らに濡れた性器が晒される。
 直に陰唇を撫で擦ると、今までに倍する刺激が思考を吹き飛ばした。


524 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/25(火) 16:14 ID:GxhZiMiM
 夢中になり、アスカは自らの性器を弄った。が、それもやがて物足りなくな
り、
「……」
 ほんの一瞬躊躇してから、右手の人差し指を膣内に挿入した。
「あっ、あぁぁっ」
 指を通して、ヴァギナの熱さ柔らかさ、圧迫を感じる。
( 私の中って……こんなに熱いの?)
 そして膣には指の異物感を感じた。完全な快楽とは判断できないが、本能的
になにかを疼かされる。昨夜、シンジのペニスを挿入させた時には痛みばかり
で、他にはなにも記憶に残らなかったが、疼きの正体を知りたくてアスカは恐
る恐る指をさらに深く差し入れた。
「ひゃあっ」
 指が膣内の敏感な部分に触れて、アスカは悲鳴を漏らした。
(これが感じるってこと……?)
 アスカは、もっと快楽を得たくて指を前後に動かした。
「はぁ、はっ、あぁぁっ」
 シンジの喘ぎ声に同調して、アスカの声も激しくなっていく。


525 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/25(火) 16:14 ID:GxhZiMiM
 アスカは、今度は躊躇わず二本目の指を足し入れた。
「うぅぅっ」
 大きさを増したことで、ヴァギナのより多くの部分が刺激される。
 アスカは二本の指を激しく抽挿させた。溢れるほどの愛液が、くちゅくちゅ
と淫靡な音を立てる。
(シンジのって……これよりも、ずっと大きかった…よね)
 今度迎え入れることができたなら、痛みではなく快楽を感じることができる
だろうか。いつの間にか想像の中でシンジを犯すのはレイではなく、アスカ自
身に変わっていた。
 指の出し入れは続けたまま、左手ですっかり膨らんだ突起を摘み上げる。
「はぁっ、うぅ……あぁぁぁっ」
 アスカの意識は急速に押し上げられ、シンジが彼女の中に精を放つのと同時
に、絶頂を迎えた。
「あぁぁっ、シンジィっ!」
 浮かんでくる後悔と虚しさを振り払うように、アスカは恍惚の中に身を委ね
た。


543 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/27(木) 16:06 ID:JMYs4o2d
「あっ、あぁぁぁっ」
 快楽が全身を突き抜けて、外へと放出される。
(もう何度目だろ……)
 立て続けに三度自慰をさせられ、レイの口に執拗に愛撫された後、彼女に跨
られさらに三度。
 なにをしているんだろうという疑問も、この快楽なしでは生きていけなくな
るのではないかという恐れもあったが、
(いいんだ……僕は、綾波の奴隷なんだから)
 なにも考えなくていい。ただ黙って従っていれば、レイが快楽を与えてくれ
る。
(これはきっと、僕が望んでたことだ……)
 シンジは期待を込めた目で、レイの次の命令を待った。
 レイは微笑して立ち上がった。膣からペニスが抜けて、流れ出た精液がシン
ジの腹にぽたぽたと滴り落ちた。
「さすがにもう限界みたいね」
 萎えたシンジのペニスを見て、レイが言う。まるで全てを絞り尽くされてし
まったようだ。
「奴隷ごっこ≠熄Iわりね。早く帰った方がいいわ」
 レイの突然の言葉に、シンジは脱力感も忘れ飛び起きた。
「なっ、なに言ってるの……」
 信じられない思いで訊く。
「ここはあなたの家じゃないわ」
「だって、僕は綾波の奴隷じゃないか!」
 シンジは必死に叫んだが、
「ふふっ、そんなこと本当にできるわけないじゃない。シャワー浴びてくるか
ら、その間に帰ってね」
 レイは馬鹿にするように笑って、裸のままバスルームに消えてしまう。
 残されたシンジは、呆然と虚空を見上げた。もう自分の居場所はないのかと
思うと、涙が出た。泣いてしまうことが情けなくて、さらに涙か溢れてしまう。
 それでもレイが出てくる前には消えようと、のろのろとベットを降りて、脱
ぎ捨ててある衣服を身につけた。


545 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/02/27(木) 16:40 ID:JMYs4o2d
 物音で、アスカは目覚めた。いつの間にか寝入ってしまっていたらしい。
 そう言えば、ミサトがふすま越しに「呼び出しが入ったので、本部へ行って
来る」とか、言っていたような気もするが……だとすれば帰ってくるには早す
ぎる。なら、この近づいてくる足音は――
 アスカが身構えるよりも早く、
「アスカ、入るよ」
 呼びかけがあり、戸が開けられる。
「シンジ……」
 一瞬、虚を付かれたアスカだったが、一気に意識が覚醒する。
「あんた、なにしにきたのよっ!」 
 アスカは、怒りに任せてシンジを怒鳴りつけた。
「そっから一歩でも入ってみなさい。私、あんたを犯すわよ」
 そう言えばシンジは部屋に入ってこられない――はずだった。
「いいよ、それでも……」
 シンジは、平然と室内に一歩を踏み入れた。
 シンジの意外な行動に、アスカは慌てた。
「なっ」
 どう対応してよいか迷っている内に、シンジはアスカのいるベットの傍らま
で来てしまう。
「アスカ……」
「あんた……泣いてんの?」
 薄暗くそれまでよく分からなかったが、シンジは涙を流していた。


559 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/01(土) 01:15 ID:TK6KHtku
 その情けない顔を見ていると、怒っているのが馬鹿らしくなってしまう。
「どうしたのよ。ファーストのとこに、いったんじゃなかったの?」
 もしや、レイのところにいくこともできず、そこいらの公園かどこかにいて、
耐えられずに戻ってきたのかとも思う。そのぐらいシンジの表情はみすぼらし
かった。
「いったよ……けど……」
 シンジは言いよどんだが、その顔から大体のことは想像できた。
「お払い箱にされたってわけね」
 アスカが言うと、シンジはびくりと身を震わせた。次の瞬間、突然アスカの
肩に掴みかかってくる。
「お願いっ! 犯されてもいいから。奴隷でもいいから、ここにいさせて。お
願いだから、僕をここにいさせてよっ。アスカァっ!」
 あまり勢いに、アスカは目を丸くした。レイのところで余程ショックなでき
ごとがあったのだろう。シンジの様子は、普段のそれとかけ離れていた。
 だが、持ち前の自尊心のせいで、アスカの口からは慰めの言葉は出ない。
「馴れ馴れしいのよ!」
 アスカは、シンジを突き飛ばした。不意を付かれたシンジは、床に尻餅をつ
く。
 シンジは、捨てられた子犬のように震えていた。その前に仁王立ちになり、
アスカは告げた。
「そんなに言うなら、お望み通り犯してやるわよ」
 自分で言いながらその異常な言葉に、アスカは内心でどきりとした。
「じゃ、じゃあ、僕は、ここにいてもいいの?」
 シンジは、アスカの足にすがりつきそうな勢いで近付いてきた。実際、アス
カが黙っていたら、そうしていたかもしれない。
「それは、あんたしだいね。私を気持ちよくできないんじゃ、おいてやる価値
は無いわ」
 心臓が跳ねるのを感じながら、アスカはシンジを見下ろした。


563 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/01(土) 02:04 ID:TK6KHtku
「うん、アスカに気持ち良くなってもらえるなら、なんでもする。おまんこ舐
めろっていうなら、何時間でも舐めるよ。足でも、お尻でも。それに、僕の体
はどう使ってくれてもいいよ。ねえ、だから、だからぁっ」
 本当にすがりついてきたシンジに、アスカはたじろいだ。
(こ、こいつ……だいじょうぶなの……?)
 さすがに心配になってくるが、今更後には退けない。
「だったら、さっさと準備しなさいよ」
 アスカは蹴飛ばすようにして、シンジを振りほどいた。
「うん」
 シンジは嬉しそうに返事をする。まるで命令されることを喜んでいるかのよ
うに。
 躊躇いなく、あっという間にシンジは服を脱ぎ捨てた。その照れのなさに、
逆にアスカの顔が赤くなってしまう。
「アスカ、早く犯して」
 ベットに横になり、シンジが言う。その目は完全に陶酔してしまっている。
 つられて、アスカも発言がエスカレートする。
「アスカ? なに呼び捨てにしてんのよ。あんた、私の奴隷になりたいんでし
ょ。だったら、様でしょ。あ・す・か・さ・ま」
 これにはシンジも戸惑いを見せたが、
「ア、アスカ……様……」
 それも一瞬で、瞳の中の酔いをさらに深くする。
「アスカ様、お願いです。僕を、僕を犯してください」
 その艶めかしい物言いに、アスカは震えた。


564 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/01(土) 02:34 ID:TK6KHtku
(なによ、こいつの声……ぞくぞくするじゃない)
 アスカは、自分の体が興奮で火照っていくのが分かった。
 とりあえず、シンジも裸になっているのだからと、服を脱ぎに掛かる。といっ
ても、身につけているのはキャミソールにブラ、下半身に至ってはショーツだ
けだが。
 先ほどのシンジに比べればゆっくりと衣服を脱ぎ、アスカは覚悟を決めてベッ
トのシンジの上にまたがった。が、
「……あんた、馬鹿にしての? ぜんぜん起ってないじゃない」
 シンジの性器は、平常時と大差ない大きさだった。自慢の身体を晒してやっ
ているにも関わらずこの仕打ちに、アスカはすくなからずショックを覚えた。
今のシンジは精神状態がおかしいのだからしかたがない、とプライドを納得さ
せる。
「もういいわ、寝る」
 残念だが、やはりこんな状態のシンジとしても仕方がないと思い直し言う。
(起たないんじゃ、犯しようもないしね)
 慌てたのはシンジの方で、
「ま、待って、お願いっ! おちんちん起たなくても気持ちよくするから。ア
スカ様のこと、気持ちよくするからっ」
 錯乱気味に叫んで、アスカに飛びついてくる。
「ちょ――」
 アスカが制止するよりも早く、シンジがアスカの唇を塞いだ。


569 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/01(土) 14:18 ID:i+J9NOPU
 あまりの唐突さに一瞬理解できないが、数秒してからキスをしているのだと
分かった。シンジとは二度目のキス。あの時は、当て付けで、気まぐれで、た
だ重ねただけの口づけだった。
(……キスしてるんだ)
 挑発したのでもなく、扇動したのでもなく、シンジから口づけしてくれた。
その事実はアスカを高揚させた。だが、次の刹那にはそんな思いは吹き飛んで
しまう。
「うっ、うぅ」
 シンジの舌が、アスカの口内へと入り込んでくる。舌同士を絡ませ、歯肉を
なぞる。こそばゆい初めての感覚に、アスカは身悶えした。
 離れようとするが、シンジはしっかりとしがみついていて引き剥がせない。
 舌を伝って侵入するシンジの唾液が、口の中でアスカの唾液と混じり合って
いる。それを思うと、思考が溶けてしまいそうに熱い。
 アスカの口内全てを侵し尽くし、ようやくシンジは腕を放した。
 アスカは、へなへなとベットに腰を付けた。息が荒い。顔も真っ赤になって
いることだろう。
「ねえ、気持ちよかった?」
 とろんとした目で、シンジが言う。
 アスカは自分ならば「調子に乗るんじゃないわよ」とか「全然。これっぽっ
ちも気持ち良くなんてないわよ」とか言うべきだと思うのだが、
「ま、まあね……」
 と、思わず正直に答えてしまう。
 それを聞いて、シンジは瞳を輝かせた。
「良かった。ねえ、次はどこを舐めればいい? 胸? おまんこ?」


570 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/01(土) 14:57 ID:i+J9NOPU
 シンジに責め続けさせるのは危険だ。かといって、もういいと言っても今の
シンジは修まらないだろう。
 考えあぐねている内に、
「ねえ、アスカ様?」
 いつの間にか間近に来ていたシンジが、至近距離で顔を覗き込んでくる。
「!?」
 驚いたアスカは、咄嗟に平手を振るってしまった。けっして力を込めたわけ
ではないが、きれいに決まってしまい、パチンと甲高い音を響かせる。シンジ
の頬が赤く腫れ上がった。
「あっ、ごめ――」
 シンジは最初苦痛に顔を歪ませたものの、すぐに笑顔になる。その異常さに、
謝ろうとしたアスカは言葉を途切れさせた。
「ぶつの? いいよ、ぶってくれても。アスカ様が喜んでくれるなら、いくら
でもぶって」
「……あんた…変態じゃないの……」
 常軌を逸したシンジの発言に、侮蔑の言葉が口をついで出てしまう。言い過
ぎだと後悔するが、
「うん、僕は変態なんだ。変態で奴隷なんだ」
 それすらも、シンジの狂気を加速させるものでしかない。その証拠に、シン
ジの性器は見る間に立ち上がって、アスカを絶句させた。
「ほらぁ、おちんちん勃起したよ。犯してよ。変態のおちんちん犯してよ、ア
スカ様」
 シンジは勃起したペニスを、腰を動かしてアスカの眼前で揺らして見せた。
その姿に昨日までの――いや昼間までのシンジの面影はどこにもない。
(ファーストのやつ、シンジになにしたのよっ!)


573 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/01(土) 16:08 ID:i+J9NOPU
 憤りが湧くが、今はこの場を治めるのが先決だ。
「言われなくたって、犯してやるわよ。とっとと、寝なさいよ」
「はい」
 素直に横になるシンジの上にまたがり、血管の浮き出たペニスを見下ろす。
それは昨日よりも長大に見えた――錯覚だろうが。
 アスカは、自らの秘所をそっと撫でた。しとどに濡れている。ペニスを挿入
するのに問題はないはずだ。
 腰を下ろし、亀頭を秘所にあてがう。踏ん切りを付けて、アスカは秘所にペ
ニスをくわえさせた。
「あっ、うぅ」
 ペニスの半分ほどがアスカの中に飲み込まれた。思ったほどの衝撃や痛みは
ない。それでも、昨日の体験からそれ以上進むのは躊躇われた。
「アスカ様ぁ」
 媚びるような笑顔を浮かべる、シンジ。最初、艶めかしいと思えたそれも、
今は狂っているとしか見えない。早くシンジをその狂気から、解放してやりた
かった。
 その思いで、腰を深く沈める。
「はぁ、あぁっ」
 アスカは、シンジのペニスを完全に挿入させた。膣内が満たされる。
(お、大きい……指なんかより、ずっと……)
 後はゆっくりと動いて、快楽を得ていこう。が、アスカの思惑はシンジによ
って阻まれてしまう。
「ひゃぁ、あっ、あぁぁっ! ちょ、ちょっと――」
 下から突き上げられてアスカは悲鳴を上げた。


574 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/01(土) 16:47 ID:i+J9NOPU
「駄目だよ」
 シンジは相変わらずの笑顔で、きっぱりと言う。信じられずに、アスカは聞
き返した。
「な、なに言ってのよ」 
「だって、アスカ様にもっと、もっと気持ち良くなってほしいだもん」
 シンジの声音は完全に本気で、腰の動きをさらに激しくさせる。
「あぁぁっ、あはぁっ、うぅっ」
 あまりに性急な刺激で、快感なのか痛みのなのかアスカには区別がつかない。
(だ、だめっ。頭ん中が真っ白になりそうぉ)
 アスカは、秘所からペニスを抜くために立ち上がろうとした。だが、
「駄目だったら。ちゃんと気持ちよくなってくれなきゃ」
 シンジの手が、アスカの腕を固定する。振りほどこうにも、秘所を突かれて
いる状態では、力が入らない。
(そ、そんな……これじゃ、どっちが犯されてるか分からないじゃない)
 アスカは絶望的に思った。
「はぁ、ああんっ」
 緩急をつけて、シンジの腰の動きは続く。
 その内に、アスカがシンジを犯しているのか、シンジがアスカを犯している
のか、そんなことはどうでもよくなってしまう。
「あはぁ、あ、ああぁぁっ」
 快楽が脳を突き抜ける。頭の中が白んでいくのを感じながら、アスカは絶頂
を迎えた。
 すっかり体力を消耗して、アスカはシンジの胸に手を付いた。しばらくはな
にも考えられそうにない。しかし、
「ア、アスカ、どいて! 出ちゃうよ」


585 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/02(日) 05:09 ID:AseUJvze
 シンジが、せっぱ詰まった声を上げる。
「ちょ、ちょと、我慢しなさいよっ」
 アスカは慌てて、身を起こして腰を上げた。
「あぁっ、出でるぅ」
 間一髪で、シンジのペニスから精液が放出される。白い液体はベットのあち
こちに飛び散って、白い斑点を作った。
「ご、ごめん……すごく強く締め付けられたから…我慢できなくて……」
 申し訳なさそうに、シンジは目を伏せた。その姿を見ていると、それ以上怒
る気にはなれない。勝手に突き上げられたことも――シンジは本当にアスカに
気持ち良くなってほしくてしたのだろうし――不思議と、まあいいかと思える。
「別に怒っちゃいないわよ。でも、気をつけなさいよね」
 この年齢で子供を作るつもりはない――というかアスカは、将来的にも子供
が欲しいなんて欠片も思ったことはなかった。
「うん……」
「……もう、いいわ。身体を洗って、寝なさいよ」
「で、でも、後始末しないと」
 シーツに付いてしまった精液を、目で指してシンジが言う。拭いても落ちな
いから、代えて洗わなくてはいけないだろう。


586 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/02(日) 05:09 ID:AseUJvze
「私がやっとくわよ。いいから、さっさといきなさいよ」
 そこまで言ってもシンジは、おろおろと汚れとアスカの顔とを交互に見てい
る。アスカは強引に、シンジに衣服を持たせ出口を向かせて、背中を押した。
 たたらを踏みながらシンジは戸の前までいき、振り返った。
「あ、あの、僕……こ、ここにいても、いいの……かな?」
 アスカは、深いため息をついてから、答えてやった。
「いいに決まってんでしょ。ここはミサトの家≠セし。あんた、他にいくと
こなんて、どこにもないじゃない」
「あ、ありがとう」
 シンジは安堵の表情を見せた。
「ほら、早くいきないよ。私も使うんだからね」
 アスカは腕を振って、シンジを急かした。
「う、うん」
 ようやくシンジは、戸を開けて出ていく。
 残されたアスカはもう一度嘆息して、シンジのまき散らした精液が染みこん
 でしまったシーツを、しばらくの間見下ろしていた。



590 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/02(日) 14:26 ID:Bo6Y6OBD
 翌朝、アスカが目を擦りながらダイニングにいくと、眠気の吹き飛ぶ光景が
待ちかまえていた。
「……な、なによこれ」
「あ、おはようございます、アスカ様ぁ」
 アスカに気づいたシンジが、昨日の調子で挨拶してくる。にこにこと嬉しそ
うだ。
「さ、様はもういいってのっ。しゃべり方も普通にしなさいよ」
 アスカは赤面して言ったが、シンジは納得できない様子でアスカを上目遣い
で見る。
「でも…僕はアスカ様の奴隷だから……」
 アスカは頭を抱えたくなった。
「ああっ、奴隷とか言うのも禁止! いい? これは命令よ」
「はぁい」
 命令と聞いてシンジは、笑顔でうなずいた。
「で、これ≠ヘなんなのよ」
 目の前のテーブルには、料理が所狭しと並べられている。どれもアスカの好
物ばかりだった。パーティーでも開けそうな量がある。
 シンジは、えへと、照れ笑いして答えた。
「アスカ様…じゃない、アスカに喜んでもらいたくて」
「あのねぇ、限度ってもんがあるでしょうが。朝っぱらから、しかもこんな量、
誰が食べられるっていうのよ」
 特に語気を荒げたつもりはなかったのだが、
「ご、ごめん……」
 シンジは笑顔から一転、この世の終わりのような表情を浮かべる。アスカは
慌ててフォローした。
「ま、まぁ、作っちゃったもんはしかたないわね」
 アスカはテーブルに着いて、あらためて料理を見渡した。アスカの好物ばか
りだから、肉料理が中心だ。一通り箸をつけるくらいは、しなくてはいけない
だろう。
(太るかしらね……)
 と、ミサトが顔を見せた。いつの間にか帰っていたらしい。


592 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/02(日) 15:21 ID:Bo6Y6OBD
「おっはよ。あら、すごいごちそうじゃない」
 ミサトは、舌なめずりした。
「おはようございます、ミサトさん」
「シンちゃん、あんまし夜遊びしちゃだめよん」
「えっ、あ、はい……」
 ミサトに言われ、シンジはたじろいだ。ミサトはどこまで知っていて言って
いるのだろうかと、アスカは思う。
 アスカの耳元に、ミサトが口を寄せた。
「仲直りできたみたいで良かったわね」
「ちょっと、そんなんじゃないったらっ」
 反論しようとするが、ミサトは意味ありげにウィンクして自分の席に座って
しまった。

 結局、料理は半分以上残ってしまった――それでも、ビールまで持ち出して
ミサトが相当な量を平らげたのだが。まあ、夕食の時に温めて食べればいいだ
ろう。
 登校中はシンジがアスカの鞄を持つことを頑強に主張して弱ったが、アスカ
は鞄を渡さなかった。いつもなら押し付けることも多いのだが、自分から言い
出されると返って渡しづらい。
 登校してからも、シンジの変貌ぶりを周りに悟られぬように気を張りつめて
いたので、二時間目が終わる頃にはアスカはすっかり疲労してしまっていた。


594 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/02(日) 15:42 ID:Bo6Y6OBD
「う〜〜」
 机に突っ伏して唸っていると、親友のヒカリが声を掛けてくる。
「どうしたの、アスカ? すごく疲れてるみたいだけど」
「うん、ちょっとね……」
 アスカは、目だけをヒカリの方に向けて答えた。
「だいじょうぶ? 保健室いこうか?」
 ヒカリは、世話焼きぶりを発揮して訊いてくる。
「平気よ、平気」
 心配掛けまいとアスカは笑顔作ったが、ヒカリの表情を見る限りあまりいい
笑顔は作れなかったらしい。
「それと――」
 ヒカリは、ひそひそ話するように顔を寄せた。
「碇君となにかあったの?」
 ヒカリの言葉にアスカは飛び起きた。
「なっ、な、な、な、な、なに言ってんのよっ」
 盛大にどもりながら叫ぶ。なにか知られてしまったのだろうか。アスカは血
の気が引く思いだった。
「え、だって、今日の碇君、ずっとアスカのほう見て、にこにこしてるわよ」
 言われて、シンジの席を見ると本当に笑顔でこちらを見ている。アスカと目
が合うと、さらに顔を破顔させた。
(あの馬鹿……)
 アスカは目の前が暗くなるのを感じた。あんなに露骨にされては、なにもな
いと思う方が変だ。
「もしかして……アスカが疲れてるのって……でもでも、そんな、いくらアス
カと碇君が同じ家に住んでるっていっても…私たちまだ中学生なんだし……う
うん、責めてるわけじゃないのよ。本当に好きな人同士だったら、自然なこと
だと思うし……私だっていつかは」
 ヒカリは頬を紅潮させ、自分の世界に入り込んでしまう。なんとか現実に戻
そうと、目の前で手を振ったり、肩を揺するが全く反応がない。と、
「ちょっと、ヒカリ。ねえ――」
 視界の隅にレイが廊下に出ていく姿が写った。


607 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/04(火) 03:51 ID:slyKOley
(チャンスね)
 レイにはシンジのことを問い詰めたいと思っていたが、さすがに他のクラス
メートの前でできる話ではない。ふたりきりになれる機会を待っていた。
 アスカは妄想に浮かされたままのヒカリを置き去りにして、廊下に走り出た。
 レイの背中を見つけ、追いついて腕を取る。
「ちょっときてっ」
 アスカは言って、手近な視聴覚室にレイを引きずり込んだ。滅多に使われる
ことのない特別教室で、案の定無人だ。アスカは念のため、後ろ手で鍵を閉め
た。
「なに?」
 なんの戸惑いも見せず、落ち着いた表情のままレイが尋ねてくる。
 アスカは一拍置いて、対決の覚悟決めてから言った。
「……あんた、シンジになにしたのよ?」
「私は、碇君が望んだことをしてあげただけよ」
 レイは笑みを見せた。人を馬鹿にしたような嘲りのように、アスカには思え
た。堪らなく頭にくる。
「なに言ってんのよ! シンジのやつ、おかしくなっちゃったんだからね――
今日は、すこし落ち着いてるけど。昨日、帰ってきた時なんて、酷くて見てら
んなかったわよ」
 アスカが語調を強くしても、レイは冷静な態度を崩さない。
「そう? でも、それが碇君の本当の姿なんじゃないかしら」


608 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/04(火) 03:51 ID:slyKOley
 本当の姿――アスカの脳裏に昨夜のシンジの痴態が次々に映し出された。
(あれが、シンジの本当の姿……?)
 そんなものは疑問でもなんでもない。間違いに決まっている。アスカは力一
杯、否定した。
「んなわけないでしょ! あいつのことはねえ、一緒に住んでる私が一番よく
知ってるのよっ!」
「そう。じゃあ、間違っているのは私の方かもね」
 レイがあっさりと自分の意見を下げたので、アスカは拍子抜けした。大声で
怒鳴った自分が滑稽に思えてくる。だが、言いたいことは言って置かなくては
ならない。アスカは気を取り直して、レイに告げた。
「と、とにかく。もう、シンジには指一本触れるんじゃないわよ。分かったわ
ね!」
「ええ。約束するわ」
 これまたあっさりと、レイは承知した。アスカの、自らの正当性を証明する
ために用意していた数々の言葉――中には暴言や、ただの悪口も含まれている
――は一気に霧散してしまう。
 今度こそ完全に肩をこけさせたアスカの脇を擦り抜けて、レイは鍵を開けて
廊下へと出ていった。
「あれ……?」
 取り残されたアスカは、掻き立てた闘争心のやり場を失い、休み時間中その
場に立ちつくしていた。


611 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/04(火) 05:26 ID:slyKOley
 風呂上がりのアスカは、スポーツドリンクを喉に流し込んだ。上気した身体
に冷たい水分が吸収されてゆくのが心地よい。
「ふぅ」
 と、入れ替わりに風呂に入っているシンジのことを思う。結局、レイになに
をされたのかは分からず終いだ。それとなく訊いてみても、シンジもあまり喋
りたくないらしい。
(どうしちゃったんだろ、あいつ?)
 以前から人の顔色を伺うところはあったが、それにしても異常すぎる。アス
カのために朝からご馳走を用意して、鞄を持とうとして、さっきも背中を流す
と言ってアスカを困らせた。昨夜、シンジが言っていたことを信じるなら――
おそらく本気なのだろうが――アスカが望めばどんな破廉恥なことでもするだ
ろう。
 今のシンジは、それに喜びを感じている。それは間違いない。逆に命令がな
かったり、奉仕を断ったりすると泣きそうな顔になる。
 そこにあるのはむき出しの好意。
(そりゃ悪い気はしないけど……)
 今のシンジにはアスカが全て――というはさすがに言い過ぎか。そこまでで
なくても、以前よりもシンジの中でアスカが重要な位置を占めているのは確実
なはずだ。
(悪いことじゃないわよね……。うん、悪いことじゃない)
 アスカは自分に言い聞かせるように、ひとりうなづいた。


612 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/04(火) 05:27 ID:slyKOley
 洗面所のドアが開く音がして、シンジが出てくる。上着を身につけ財布を持
っているので、アスカはあれっと思った。
「アスカ、僕、ちょっとコンビニ行ってくるね」
「なに買いにいくのよ?」
「シャンプー、切れちゃって」
 言われてみれば、アスカが使ったときにはもう残り少なかったような。
「べつに今すぐいかなくても、いいじゃない。湯冷めするわよ」
「うん。でも、ミサトさんが入るとき困ると思うし」
 シンジが言ってることは、至極真っ当だった――真っ当なのだが、なぜか今
シンジを外に出すのは躊躇われた。
「いいわよ。一日くらい髪洗わなくたって、死にゃあしないんだし」
「あは、でもアスカ、このあいだシャンプー無くなっちゃったときには、一日
でも髪洗わないと死んじゃうって、僕に買いにいかせたじゃないか」
 シンジは笑って言った。そんなこともあったかもしれない。
「そ、そうだった……?」
「じゃ、ちょっといってくるね。ついでに、なにか買ってこようか?」
「べ、べつにいいわ。気をつけていってらっしゃいよ」
 それ以上、特に止める理由もない。
「うん。いってきます」
 笑顔で言って、シンジは背を向けて玄関に向かう。その背中が奇妙に名残惜
しく、アスカは視界からシンジが消えてしまうまで、瞬きもできずにじっと見
つめていた。


613 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/04(火) 06:10 ID:slyKOley
 窓から差し込む月明かりを浴びて、少女が立っている。
 月光は彼女の白い肌を、さらに白く染めている。色素の薄い髪は銀髪のよう
に輝いている。それらが、紅い双眸をより映えさせていた。
 少女はなにをするでもなく、ただ窓の外の月を仰ぎ見ていた。
 やがて、静寂に包まれていた室内に、遠くから物音が聞こえてる。一定のス
ピード近付いてくるそれは、靴音だとすぐに知れた。
 音が玄関の前で止まり、扉が開き、さらに十分に近付いてから、少女はゆっ
くりと振り返った。
「きっとくると思っていたわ――いいえ、分かっていた」
 そこには、息を切らせた少年がいた。少年の頬が桜色に染まっているのは、
走ってきたからばかりではないだろう。
「望みを叶えて欲しいのならどうすればいいか、分かるわね?」
 少女の言葉に、少年は大きくうなづいた。もどかしげに服を脱いで、生まれ
たままの姿になる。四つんばいで少女に近付き、その足下に跪いた。
 少年は、丁寧に少女の靴下を脱がし、その素足に躊躇いなく――むしろ恍惚
を持って、口づけした。
 少女は、満足げな笑みを浮かべた。
 淡い月の光だけが、少女と少年を照らしていた。


 これは はじまりのおわり

 それは おわりのはじまり




634 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/05(水) 01:06 ID:Mm4Bctkz
 目覚めると、まったく見知らぬ場所にいた。
 薄暗い――窓に内側から板が打ち付けられているため――倉庫かなにか。長
らく使われていないのだろう。埃っぽく、あちこちに物が散乱している。
 その場所にシンジは、木製の椅子に手足を縛り付けられて座っていた。しか
も、着ていたものを脱がされ、パンツだけの情けない格好で。
「な、なんなんだよ、これっ」
 シンジは叫んで、手足を動かそうとした。が、太い縄できつく縛られており、
微動だにできない。椅子が、ぎしぎしと音を立てただけだった。
 拉致、監禁。そんな単語が頭をよぎる。
 シンジは恐慌に陥りそうになる精神を必死になだめて、原因を探ろうとした。
(た、たしか、今日はマナとデートで……芦ノ湖でマナの作ったお弁当を食べ
て……それから…あれ……それから)
 その先がどうしても思い出せない。
 とにかく何者かによって捕らえられてしまったのは間違いない。シンジは、
自分がさらわれる理由がエヴァのパイロットであること以外思い浮かばなかっ
た。
(ど、どうなっちゃうだろ……僕……)
 いかつい黒ずくめの男達による凄惨な拷問。病的な目つきの科学者による人
体実験。そんな悪夢のような光景が、シンジの中で一瞬の内に展開された。
 結果、
「助けて……助けてよっ! ミサトさん、アスカ、綾波っ! ……父さん」
 シンジは泣き叫んだ。もう日の目をみることはできないと、思いこんでしまっ
ている。と、そんな絶望的な空気とは、相反する弾んだ声がシンジの耳に届いた。
「あれ、もう目、覚めたんだ。待ってて、すぐ行くから」
「え……?」
 キャスターの転がる音がして
、 「お待たせ、シンジ」
 白いワンピースの少女――霧島マナが現れる。雑多に物を乗せたテーブルを
押していた。
 シンジは、微塵も状況を理解できなかったが、
「た、助けて、マナ」
 とにかく脱出のチャンスだろうと、彼女に助けを求めた。


641 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/05(水) 13:13 ID:+Fh0teyT
 しかし、マナは首を横に振る。
「え〜、だめだよ。シンジには、これから色々教えてもらわなくちゃいけない
んだから」
「マナ……?」
 シンジには彼女がなにを言っているのか、さっぱり理解できない。
「あは、分かんない? ごめんねえ、私、スパイなんだ」
 あっけらかんと言うマナに、シンジは信じられない思いで呻いた。
「嘘だよね……?」
「信じてくれてるシンジを騙すのは、私も辛かったんだよ」
 発言とは裏腹に、マナの表情に後ろめたさは欠片もない。いつもの明るい笑
顔だ。
「じゃあ、僕に近付いたのは……?」
「うん、ぜ〜んぶ、ネルフの機密を聞き出すため」
 目の前が真っ暗になる。急速に冷えた体温は、反動で爆発した。
「……ちくしょう……裏切ったんだ…信じてたのに、僕を裏切ったんだね! 
好きだったのに……みんな嘘だったんだ……」
 心を吐露して叫ぶシンジに、マナは初めて神妙な面もちを見せた。
「それは違うよ。最初は確かに嘘だったけど、いつの間にかシンジのこと本当
に好きになってた」
 しかし、それも一瞬のことで、すぐに元の天真爛漫な表情に戻る。
「けど、私は職務に忠実な女の子なのでした」
 言って、マナがワンピースを脱ぎ去ると、その下から革製のボディースーツ
――SMの女王様が着るような際どいハイレグだ――が現れる。
「…………」
 唖然とその姿を見つめるシンジに、
「だいじょうぶ。ちゃんと喋ってくれたら、痛くしないから♪」
 マナは、場違いなウィンクをした。


653 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/06(木) 13:52 ID:mGOM/6Nz
「それでは、碇シンジ君の尋問を始めたいと思いまーす」
 マナは元気一杯に宣言した。
「じ、尋問……?」
 なにかが酷く間違っているような気がする。シンジは、マナの格好を見つめた。
「え、どうかした? ご飯粒でも付いてる?」
 顔を手で探りながら、マナが言う。彼女にとっては今の格好が尋問のスタイ
ルらしい。
「では第一問――」
 言い方が多少引っかかったものの、シンジはなにを訊かれるのだろうと身構
えた。
(そう簡単には喋らないよ)
「エヴァの必殺技はなんですか?」
 マナの口から出てきたのは、クラスメートと同レベルのものだった。
「……プログナイフかな。あと、パレットガンとか」
 装備の名前を教えるくらい害はなかろうと、シンジは口にした。。
 マナはシンジの答えを手帳に書き込んだ。その表情はどこかつまらなさそう
だ。
「……第二問、エヴァの弱点はなんですか?」
「ケーブルが切れると、三分間しか動けないこと……かな」
 これも、まあ周知の事実であるしと、素直に答える。
 手帳に書き込みを続けていたマナは、突然手を止めて、
「つまんない」
 マナは憮然と言った。
 意味が分からず、聞き返す。
「え?」
「つまんないよ〜。ちょっとは黙秘してくれないと、せっかく用意した道具が
使えないじゃない」
 マナは、運んできたキャスター付きのテーブルを手で指し示した。そこには
手術にでも使いそうな金属器具や巨大な注射器、革製の拘束具らしき物、穴の
開いたゴルフボール(?)、あとはシンジには使用法の予測できないものが多
種多様に並べられている。


666 名前:名無しさん@ピンキーー 投稿日:2003/03/09(日) 16:01 ID:PEwnh7Ix
 シンジは本能的な恐怖を覚えた。
(と、とりあえず、知ってることなら喋っちゃおうかな……)
 命有っての物種だ。
 マナは、う〜んと唸って考える素振りを見せてから、
「じゃあ、第三問。私の好きな動物はなんでしょう?」
「な、なにそれ……」
 この場でシンジにする質問ではない。それ以前にマナ自身が知っていること
ではないか。
「早く答えないと時間切れになっちゃうよ。ほら、5、4――」
 シンジの当惑をよそに、マナは手の平を見せて指を一つずつ折ってゆく。
「分からないよ! そんなことっ」
「3、2、1。ぶぶーっ」
 マナの指が全て折られ、時間切れになってしまった。
「正解は、タヌキでした」
 にっこりと笑って、マナ。
(やっぱり、なにか間違ってる……)
 自分の知っていることを訊くことを、尋問とは言わない。
「答えられなかったシンジには、罰を受けてもらいます」
 マナはシンジに背を向けて、嬉々として台の上の道具を物色し始めた。背筋
に冷たいものが走る。
「どうしよっかな。最初だから、これでいいかも」
 こちらに向き直ったマナが持っていたのは、なぜか洗濯ばさみだった。どう
使うのか、さっぱり分からずに様子を見ていると、マナは洗濯ばさみを開き――


667 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/09(日) 16:01 ID:PEwnh7Ix
「えっ」
 シンジの左の乳首を挟んだ。
「あぁぁっ!」
 乳首を押しつぶされて、シンジは悲鳴を上げた。洗濯ばさみの力がこれほど
強いとは思いもしなかった。それともこれは極秘に開発された尋問用の洗濯バ
サミなのだろうか、そんな馬鹿げたことさえ考える。
「ダメだよ、シンジ。ちゃんと答えてくれないと」
「あぅぅ」
 マナは、シンジの乳首に付いた洗濯バサミを指で弾いた。局所的な痛みがシ
ンジを苦しめる。
「今度は当ててね。第四問、私の好きな色はなんでしょう?」
 またしてもな質問だが、疑問の声を上げることもできない。マナが再び、カ
ウントダウンを始めたからだ。
(な、なんだろ……赤かな。アスカも好きだし。それとも女の子だから、ピン
ク? 青かもしんないな。好きな人多いし……)
 必死に考えを巡らせ、答えを導き出そうとする。が、生来の優柔不断な性格
が災いし、なかなか決めることができない。
「(もう、どうにしでもなれっ)赤っ!」
 シンジは、時間ぎりぎりで答えた。
 マナの顔を見つめる。彼女もシンジを見つめ返した。十数秒も見つめ合い、
マナは笑顔のまま、


668 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/09(日) 16:01 ID:PEwnh7Ix
「ぶぅ〜〜。正解は白でした」
 残酷に宣言する。
「かわいそうだけどルールだから、罰を受けてもらいます」
 いつ、そんなルールができたのだろう。それとも尋問について間違っている
のは、自分の方なのだろうか。だんだんと自信が無くなってくる。
 と、マナの手が、すうーっと洗濯バサミに伸びた。
「ま、まっ――」
 待ってと、言う間もなく、
「付けるときより、取るときの方が痛いから気をつけてね」
 閉じたままの洗濯バサミが、無理やりむしり取られる。
「ああぁぁぁっ!」
 シンジは絶叫した。乳首がちぎれてしまったのではないかと、本気で思う。
 なおもひりひりと痛む乳首を見下ろすと、驚くほど平らにつぶされてしまっ
ている。
「あはは、ぺちゃんこになっちゃったね」
 マナは、愉快そうに笑った。なんだろう。確か、今のマナを表すのに適切な
言葉があったはずだ。そう、たしか――
「マナ、目的と手段が入れ替わってるよ……」
 シンジは涙声で、つぶやいた。
 それを聞いてマナは、はっとなる。ぽん、と自分の頭を軽く叩いて、
「あ、そっか、ごめん」
 舌を出して見せた。


671 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/10(月) 15:24 ID:zcCK88D9
「わ、分かってくれた……?」
「うん、ちゃんと、私がシンジに訊きたいことを質問しなきゃだよね」
「う、うん……」
 それはそれで困るのだが、まあ答えようのない質問をされて罰を受けさせら
れるよりはましだろう。どうせシンジの知る機密など、ほとんどないのだし。
 しかし、マナの訊きたいこと≠ヘ、シンジの想像とは異なっていた。
「オナニーを初めてしたのは、いつですか?」
「は……?」
「え、いくらシンジでも、したことくらいあるよね?」
 ちょっと信じられないといった表情のマナ。そりゃあシンジだって、それく
らいの経験はある。が、
「あ、あるけど……なんでそんなこと答えなくちゃいけなのさ。ネルフやエヴァ
となんの関係もないじゃないか」
 シンジは顔を赤くして、文句を言った。
「うん」
 マナは笑い顔で、まったく悪びれずうなずく。。
「けど、私はすごく知りたいよ。ねえ、初めてしたのいつ?」
 マナの瞳には、一点の曇りもない。きらきらと輝いていた。だからといって、
こんな己の恥部を晒すような問いに答えたくはない。
「い、言いたくないよ。こんな質問、答える必要なんてどこにもないじゃない
か」
「ふ〜ん、そうなんだ。答えてくれないんだ」
 マナは急に顔を曇らせて、再度の道具の載ったテーブルに手を伸ばす。シン
ジは慌てて叫んだ。
「なっ、こんなこと言わせるために、道具を使うなんて酷いよっ!」
「シンジが、いけないんだよ。素直に答えてくれないから」
 マナはこれまでとは違う、にやりとした笑みを浮かべた。


672 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/10(月) 16:17 ID:zcCK88D9
「私だって、できればシンジに手荒なことはしたくないのになぁ」
 マナは両手に、毛の細いハケを持っていた。酷く嫌な予感がする。
「あ、まさか……」
「その、ま・さ・か」
 マナは、ハケでシンジの脇腹を撫でた。
「ひゃぁっ」
 ぞくぞくとした感覚が身体を駆ける。
「答えてくれるまで、やめないからね」
 マナはもう片方のハケも使い、両脇をくすぐり始めた。
「あはっ、はっはははっ、や、やめて、よぉ。僕ぅ、弱いんだからぁ、あはは
はっ」
 シンジは堪らず、笑い声を上げた。もともと、悪戯で後ろから脇に手を入れ
られただけで飛び上がってしまったほど敏感で、くすぐられるのは苦手だった。
(し、死んじゃうよ。このまま続けられたら、絶対死んじゃう)
 息が出ていくばかりで、うまく吸うことができない。冗談でも比喩でもなく、
真剣にシンジは思った。
「いぅ、言うよ。ははっ、答えるから、や、やめてぇ」
 必死に言葉を作って、シンジはマナに訴えた。
「最初から、そう言ってくれればいいのに」
 言って、ハケの動きが止まる。
 シンジはそれからもしばらく笑いが止められず、さらに息を整えるためにか
なりの時間を要した。
「あは、シンジって笑い上戸だったんだね」
 マナは、ハケでシンジを触るふりをした。それだけで、シンジはびくりと体
を震わせてしまう。
「いいこと知っちゃった。で、初オナニーはいつなのかな?」
「……こっちに、越してきてからだよ」
 シンジは、観念して答えた。


680 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/11(火) 05:07 ID:BV2P3Pz2
「へえ〜、それまでは全然したことなかったの?」
「う、うん、知らなかったし……」
「じゃあ、引っ越してきてから誰かに教えてもらったんだ。ひょっとして、ミ
サトさんとか?」
 マナのとんでもない推測を、シンジは力一杯否定した。
「ち、違うよっ。トウジとケンスケだよ」
「あは、だよね。それで、教えもてらったことを、どうやって実行したの?」
 そんな細かなことまで訊かなくてもいいのにと思うが、黙っていると罰が怖
い。シンジは正直に本当のことを話した。
「……お風呂に入ったときに触ってみたんだ」
「どこを?」
 訊かなくても分かり切ったことを、マナが言う。その期待に満ちた目から、
彼女がシンジに淫語を言わせたいのだと理解できた。
 恥を忍んで、震える声で口にする。
「お、おちんちん……」
 が、マナはお気に召さなかったようだ。口を尖らせて、だめを出してきた。
「えー、赤ちゃんじゃないんだから、もっと他の言い方があるよね」
「性器?」
「自分のを、そんな風に言わないよ」
「じゃあ、ペニス?」
「外人さんじゃないだから。、ほら、もっと普通の言い方」
 実を言えば、マナが言わせようとしている言葉の見当はついていたが、それ
を口にするのは酷く躊躇われた。わりと平気で使っているクラスメート――ト
ウジなど――もいるが、シンジはその言葉に卑猥なイメージがあり、今まで一
度も声に出して言ったことはない。ましてや好意を寄せている異性の前で言う
ことなどできるばすもなかった。
「……」
「シンジの苦しむところ見たくないんだけどなあ」
 マナは、ハケをシンジに見せつけるように手で弄んだ。
「ま、待って、言うから。ちゃんと言うから」


685 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/11(火) 17:41 ID:RKd6VrHo
 くすぐられるのが嫌でそう言ってみたものの、羞恥心ばかりが掻き立てられ
舌が巧く回らない。
「チ…チ……ン……はぁ」
 言い淀んでいる内に息苦しくなり、シンジは大きく息を吐いた。
「はやくぅ」
 マナが触れるぎりぎりの所でハケを動かし、シンジを急かした。
 シンジはこれ以上ないくらいに赤面させ、間近にいるマナに聞こえるかどう
かの小さな声で隠語を口にした。
「チン……チン○……」
「あはは、チン○触ったんだ。シンジ」
 マナは満足そうに笑った。彼女の頬も少しだけ朱に染まっている。
「気持ちよかった?」
「うん……」
「ふふ、で、それから毎日チン○触ってるんだ」
「ま、毎日なんてしてないよっ!」
 酷い決めつけられ方をして、シンジは叫んだ。いくらなんだって、そんなに
はしていない――と思う。
「嘘だよ」
 だが、マナは確信を持った表情で言って、
「だってほら、今だってこんなに大きくなってる」
 シンジのブリーフの膨らんでしまっている部分を撫でた。確かにシンジの性
器は、窮屈そうに布を押し上げている。
「あぁっ」
「それに、エッチなお汁で濡れてるよ。ほらぁ」
 さらにマナは、ブリーフにできた染みを指で広げる。下着の下の性器がうっ
すらと透けて見えた。
 マナが指を離すと、一瞬、染みとの間に糸が引かれた。
「シンジって、思ってたよりずっとエッチなんだね」


689 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/12(水) 16:35 ID:QORrz+RG
「もう、許してよ。お願いだから……」
「だーめ。まだまだいっぱい、訊きたいことがあるんだから」
 シンジの懇願は、あっさりとマナに却下されてしまう。 
「ううぅ……」
 こんな屈辱と苦痛がまだまだ続くのかと思うと、涙が出そうになる。
(あぁっ、誰か助けてよっ)
 シンジは、一刻も早く助けが来ることを願った。だいたい、いつもしつこい
位にシンジたちチルドレンを監視――護衛なのだろうがシンジたちからしてみ
れば――している黒服のネルフ職員たちはなにをしているのだろう。今朝だっ
て、少し離れて後ろを付いてきていたはずなのに。
「そそ、シンジのこと付けてた黒づくめのお兄さんたちは、ちゃんと撒いてき
たから時間はたっぷりあるよ」
「そ、そんな……」
 シンジは、中二の女の子に撒かれてしまう彼らの能力を疑った。父に直訴し
て減給くらいはしてもらおうと、半ば本気で思う――生きて帰れたらの話だが。
「では次の質問、シンジはキスしたことがありますか?」
 さっきよりは大人しめの問いだったので、シンジはあまり抵抗なく答えるこ
とができた。
「あ、あるよ。キスくらい……」
 マナは、意外そうな顔をした。


690 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/12(水) 16:35 ID:QORrz+RG
「へー、相手は誰ですか? アスカさん? 綾波さん? それとも」
 恋人に近い関係になれたと思っていたマナの前で他の女の子の名前を出すの
は罪悪感もあったが、裏切られた復讐も込めて口にする。
「……アスカだよ」
「それってシンジから、したんじゃないよね?」
 しかしマナは堪えた様子もなく、簡単に事実を指摘して見せた。
「う、うん……」
「ふふ、やっぱりね。でも、ちょっと意外かもシンジがキスしたことあるなん
て」
 マナの言葉に、自分が男子として見られていない節を感じてシンジは頬を膨
らませた。
「ごめん、ごめん。シンジだって男の子だもんね。あと、私もしたことあるよ。
キス」
 マナの様に明るく社交的な女の子ならば、キスくらい経験していても不思議
ではなかったが、その事実を告げられてシンジの胸はちくりと痛んだ。彼女が
他の誰かと口づけしたことがあるなんて、考えたこともなかったから。
「妬けちゃう?」
「……ぜんぜん」
 またマナに心の内を見透かされてしまうが、シンジは意地を張って言った。


695 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/12(水) 19:30 ID:QORrz+RG
 マナはそんなシンジを見てくすくすと笑い、質問を続ける。
「じゃ、次ね。シンジは女性の裸を見たことがありますか?」
 あるわけない、と答えようとしてシンジは、レイのマンションでのできごと
を思い出した。
「あ…………」
「うそっ、あるんだ」
 シンジの表情の変化を読み取って、マナは目を見開く。
「誰の? アスカさん? ミサトさん?」
 キスの時より驚きの色を深くして、マナが聞いてくる。
「あ、綾波の……」
 シンジが答えると、マナはわずかに顔を曇らせた。それ見て、なにか言わな
ければいけない気がして、
「で、でも、違うんだ。部屋にプリント、届けに行ったときに、綾波がバスル
ームから裸で出てきて、驚いてぶつかっちゃって、それで、押し倒すみたいな
格好になって……」
 シンジは早口でまくし立てた。
「シンジ、言い訳してるの?」
 言われて見ればその通りなのだが、認めたくない。普通のデート中ならとも
かく、こんな状況になってまで言い訳する必要はないのだから。
「ち、違うよっ。本当にそうだから」
「ふ〜ん、でも、綾波さんのこと押し倒したんだ」
「そ、そんな格好になっちゃっただけだよ。すぐに離れたし」
「じゃ、セックスは、まだしたことないんだ」
 マナは、一瞬真顔になって言った。
 シンジは、考える前に反射的に答えた。
「あ、たりまえじゃないか。そう言うマナは、どうなのさ?」
「私? 私はどうかな? したことあるように見える?」
 言われて、マナの表情を伺うが彼女の真意は分からない。シンジより優位に
立つために言葉を濁しているだけのようにも思えるし、すでに経験している余
裕にも写る。


696 名前:名無しさん@ピンキーー 投稿日:2003/03/12(水) 20:26 ID:QORrz+RG
「じゃあ、そろそろ私の個人的な質問は最後にするね」
 最後≠ニいう言葉を聞いて、シンジはいくぶん安堵した。あくまで個人的
な質問の最後だが、ネルフの機密を聞き出される方が遥かにましだ。
「これが一番聞きたかったんだけど」
 もったいぶってから、マナのしてきた質問は酷くストレートだった。
「シンジの一番好きな女の子は誰ですか?」
「なっ……」
 ここにきて、そんな直球な質問をされると思っていなかったシンジは間の抜
けた声を漏らした。
「…………」
 なんと答えればよいか、少しの間逡巡する。
 普通に聞かれればマナと答えていただろう。それが熱病のような一過性のも
のだったとしても、間違いなくシンジはマナに恋していたのだから。しかし今、
マナが好きだと答えるのは罰を恐れたように思われそうで面白くない。
「私とアスカさんと綾波さん。それにミサトさん。もし他にも好きな人がいた
ら、その人もいれて。順番を決めてもらおうかな」
「好きに順番をつけるなんて、おかしいよっ! そんなの子供の考え方じゃな
いか!」
 マナの言葉に怒りを覚えて叫ぶが、
「だって私、子供だもん」
 完全に開き直られてしまう。
「さ、シンジが一番好きなのは誰? できれば理由も添えてね」
「いやだよ。絶対答えないからね。くすぐったって無駄だよ」
 シンジは決然と言い放った。変な所で意地っ張りなのは自覚している。実際
くすぐられたら、言ってしまうかもしれないが。
「強情だねぇ。でも、私も絶対聞きたいんだ」


697 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/12(水) 21:00 ID:QORrz+RG
 言って、マナはシンジの四肢を拘束している縄を解き始めた。
(どうして……?)
 怪訝に思う。だが、逃げるチャンスだ。
 シンジは、手足全てが自由になると間を置かず立ち上がった。長く拘束され
ていたためか足元がふらついたが、それでも駆け出そうとする。が、
「どこ行くの?」
 マナに腕を掴まれてしまう。
「くっ」
 シンジは振り返り――さすがに殴ることはできないので――押し倒そうと腕
を伸ばした。瞬間、その腕も取られ――
「痛っ」 
 気がつくとシンジは、後ろ手を取られて床に押し付けられていた。
「弱いね、シンジ。ネルフではパイロットに護身術は教えてくれないの?」
 女の子のマナに簡単に組み伏せられてしまったことが情けなくて、顔を床に
付けたままシンジは呻いた。
「うぅっ」
 腕は後ろ手にきつく縛られ、足も足首で一つにまとめられてしまう。シンジ
は、うつ伏せで腰を上げた状態にされた。
「ひゃあっ!」
 予告なく下着をずり落とされて、シンジは悲鳴を上げた。
「ふふっ、可愛いね、シンジの。まだ毛も生えてないみたいだし。これだった
ら、おちんちんの方が似合ってるかもね」
 シンジの性器を弄びながら、マナが言う。彼女に荒事で負けたことがショッ
クで、シンジはなにも言い返すことができない。
「逃げられると思った? 縄を解いたのは、座ったままじゃ今度のは使えない
からだよ」
 マナは、パンパンとシンジの臀部を平手で叩いた。
「くぅっ、うぅぅっ……」
 痛みよりも屈辱がシンジを苛んだ。
「あは、シンジのお尻、柔らかいねえ。女の子みたいだよ」


698 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/12(水) 23:26 ID:QORrz+RG
 マナの言葉が、さらに追い討ちをかける。
 マナは、また道具を取るためにテーブルに向かったようだったが、シンジの
体勢ではなにを選んでいるのか見ることができない。
 しばらして、
「ほら、もっとお尻上げて」
 また、尻を叩かれた。
 シンジは仕方なく、腰の高さを上げた。顔にも体重が掛かり苦しい
 窮屈な格好でマナの方を見る。その手にある物を見てシンジは、愕然とした。
「なにそれ……」
 その物体の正体を知ってはいたが、そう言ってしまう。それはガラス製の巨
大な注射器、つまり――
「へへっ、すごいでしょ。500ccも入るんだよ」
 マナは誇るように言った。すでに中には液体が満たされており、彼女が押す
と先から噴射された。
「じょ、冗談だよね……ほんとにそんなの使ったりしないよね?」
 震える声で、希望を込めて訊く。
「さあ、シンジの下の口に、いっぱいごちそうしてあげるね♪」
 マナはシンジ問い掛けをを無視して、彼の窄まりに浣腸器をあてがった。
「や、やめてあぁっ」
 差し込まれたガラスの冷たさに、シンジは怯えた。
「いくよ」
 浣腸器が押されて、シンジの中に液体が注ぎ込まれる。
「あっ、あはぁ、うぅぅ、あぁぁっ」
 直腸が、液体で満たされていく。初めて味わう感覚に、シンジは身悶えした。


700 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 00:00 ID:oi94y/OZ
「すごいね。全部入っちゃったよ」
 浣腸器を抜いて、マナが告げる。
「ト、トイレに、行かせて……」
 シンジはマナに哀願した。生理現象は即座に迫り上がってきている。一刻の
猶予もない。
 マナは微笑みながら、シンジを見下ろして言った。
「どう? 答える気になってくれたかな?」
 苦しげに見上げるシンジには、支配者のように写る。
「お願い…だから、トイレに行かせて……ほんとに…出ちゃうよ」
 もう答えるどころではない。神経を一点に集中して耐えているのだ。
 なのにマナは、
「まだ答えてくれないんだ。じゃあ、二本目だね」
 勝手にそう解釈して、浣腸器に液体を補充する。
「まっ、待ってよっ! もう無理だよっ!」
「シンジが答えてくれないのが、いけないんだからね」
 シンジの必死の訴えも受け入れられることなく、再び浣腸器が挿入される。
「あぁっ、あっ、あぁぁぁぁっ!」
 限界だと思っていたところに、さらに同じ量を注入される。腹部の痛みも、倍のものとなった。
「ふふっ、シンジのお腹ぱんぱんになっちゃったね」
 もともと細いはずのシンジのウエストは、目を疑うほど膨らんでしまっていた。


701 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 00:41 ID:oi94y/OZ
「あっ、うぅぅ、うぅ」
 もう呻き声を漏らしながらでなければ、正気を保っていられない。
「ねっ、答えてくれる?」
 マナは、シンジの尻をさわさわと撫でた。そんな優しい刺激ですら、今のシ
ンジにとっては致命傷になりかねない。
「強情張っても、いいことないよ」
「ひっ、ううぅ」
 マナの手が、膨らんだ下腹へと移動した。それに少しでも力が加えられれば、
即座に注込まれたものを噴出させることになるだろう。
「早く答えてくれないと、手遅れになっちゃうかも。ここってトイレ遠いんだ
よね」
 マナが、残酷な事実を教える。
 シンジだって早く答えたかったが、そんな余力はどこにもなかった。マナで
もアスカでも適当に名前を言って、この場を逃れようという気持ちもあったが、
シンジの性格がそれを許さない。
 シンジは、なんとか真剣に答えを探そうとした。ミサトは、もちろん嫌いで
はない。がさつでずぼらだが、信頼している。家族のような――断じて母親で
なかろうが――好き≠セと思う。
 レイは、最初にあったのは興味で嫉妬で――時折不思議と懐かしさを感じる
ことがあって――よく分からない。でも、たぶん好き≠セと思う。
 アスカは、すごくきれいだと思う。勉強もできるし、パイロットとしても優
秀だし、憧れている。憧れも好き≠セと言うことだと思う。
 マナは、明るくて優しくしてくれて、自分にも優しさを求めてくれて――た
ぶんいまは一番好きに近い好き≠セと思う。
 考えは出尽くしたが、それが順位に結びつくわけではない。しかし、これ以
上迷っている時間はなかった。
「ぼ、僕が一番は好きなのは――」


702 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 00:43 ID:oi94y/OZ
 シンジが言い掛けた、刹那――
 大きな音を立てて、入り口の扉が蹴り開けられた。光と共に、何人もの人間
が入り込んでくる。
「とうとう正体を現したわね。この女狐――」
 マナに指を突きつけたアスカは、シンジの姿を見つけると顔を紅潮させて動
きを止めた。かたわらのレイの方は――シンジの格好を凝視しながら――平然
としている。
「あら、シンちゃん、すごい格好ね」
 ミサトが苦笑する。
「あれれ、もう見つかっちゃったんだ」
 黒服の男達に囲まれ銃を突きつけられても、マナはあっけらかんと笑って見
せた。てへへと、頭を掻いている。
(た、助かった……)
 早く縄を解いてもらって、トイレに行きたい。しかし、安堵が気を緩めたら
しい。
「あっ、あぁぁぁぁっ!」
 限界を迎えると同時に、意識を失うことができたことはシンジにとって幸運
だった。



709 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 05:57 ID:89ftEBU5
 朝――気持ちの良い朝だ。私はベットから出て、カーテンを開けた。
「う〜〜ん」
 朝日を浴びて伸びをする。心が軽いのが、ちょっと信じられない。いつもな
ら、また布団の中に潜り込んでしまいたい衝動に駆られるのに。
 私は心が弾んでいる原因を思い出し、クローゼットに向かった。自然と顔が
ほころんでしまう。こんなに一日のはじまりを嬉しく感じるのは、いつ以来だ
ろう。
 クローゼットを開けると、そこには裸の少年――碇シンジ君が寝転がってい
る。私は安心した。夢のようなできごとだったので、本当に夢だったのかも知
れないと思う気持ちがあったから。
 私は、しゃがみ込んで彼の様子を観察した。穏やかに寝息を立てている。手
足は皮のベルトで拘束してあった。可哀想かも知れないが、暴れられると困る
ので仕方がない。
「あら」
 私は、彼の肉体の変化に気がついた。性器が勃起している。
「ふふっ、昨日あんなにしたのに、元気なんですね」
 嬉しくなって、私は彼のものを握った。最初、グロテスクに思えたそれも、
今では可愛くてしょうがない。これを刺激するたびに、彼は様々な反応を見せ
てくれる。
 数回性器を擦り上げると、彼は目を覚ました。混乱していたようで目をしば
たかせて、周りを見回す。その様子も滑稽で愛らしい。


710 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 05:58 ID:89ftEBU5
「うぅぅ、うぅ、うぅ」
 彼の言葉は声にならない。口枷をさせてもらっている。声を聞けないのは残
念だけれど、彼が大声を上げて他の人間がここにくるようなことになったら嫌
だ。
 ずっと聞いていると口枷を付けままでも、彼がなにを言いたいのか分かるよ
うになった。今は、「やめて」と言いたいらしい。
 けれど、私は手の動きを止めなかった。むしろ早くする。彼だって気持ちい
いはずだもの。ただ、私と同じで遠慮深いから、そんなことを言うの。
「うぅ、うぅうぅ」
 彼は言い続けていたけれど、二分もたたない内に精液を噴出させた。撒き散
らされ、私の手にも白い液体が付く。
 私は、その手を口に運んだ。舌を這わせる。暖かい。苦みも彼のものだと思
えば気にならなかった。
 青臭い匂いも好きだ。彼の匂い。彼のスペルマの匂い。
 彼を見ると、目に涙を浮かべていた。そんなに気持ちよかったのだろうか。
起き抜けには刺激が強すぎたのかもしれない。
 私は、おはようのキスがしたくて――その欲求が抑えきれずに――彼の口枷
を外そうと手を伸ばした。彼だってもう、私がどんな風に彼のことを思ってい
るか理解してくれたはず。無闇に声を上げたりはしないと思う。
 口枷に手が掛かる。なぜか彼の顔は怯えているように見えた。そんなわけな
いのに。


711 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 06:00 ID:89ftEBU5
 転校の挨拶は苦手だった。教室中の視線が、私に集中している。見られたく
ないのに。
「山岸マユミです。よ、よろしく、お願いします……」
 受けを狙ったり、かわいこぶったり、そんな余計なことは入れずに、必要最
低限のことだけを口にする。普通に自然に言おうとしたつもりだったけれど、
つっかえてしまう。それに、少し早口過ぎたかもしれない。これでおどおどし
たやつだと、決めつけられただろうか。嫌。
「では、山岸さんは、あそこの席に座って下さい」
「は、はい」
 担任の年輩の先生――若い先生で無くて良かった。男の先生で元気の良さを
強制する人とか、女の先生で友達口調で馴れ馴れしい人とか、耐えられない――
に促されて、私は席に向かった。その間にも好奇の目が向けられているのが分
かる。きっとみんな値踏みするような目で、私を見てる。
「よろしくね」
「よろしく……」
 席に着くと隣の女の子に挨拶された。ハーフだろうか、とても綺麗な青い目
をした女の子で、私は気後れしてしまう。
 とりあえず授業に集中しようとして端末に目をやって、私は驚いた。メール
着信が表示されている。それも複数。
 開いてみると、どれも転校生に対する他愛のない質問。私は、ちょっと呆れ
た。このクラスはいつもそうなのだろうか。今までの学校では、さすがに授業
中に質問攻勢を受けることはなかった。
 けど、授業中だからと真面目ぶるのも反感を買ってしまいそうだ。無視する
のは、もっといけない。
 結局、私はその授業中、メールに当たり障りのない返信をすること忙殺され
てしまった。


729 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 15:41 ID:oGkwVIcA
 休み時間になると、予想通り私の机の周りには人だかりができた。
「どこからきたの?」
「制服、前の学校の?」
 誕生日は? 血液型は? 兄弟は? あちこちから矢継ぎ早に投げかけられ
る質問を、私は「ええ」とか「はい……」とか、曖昧な返事をしてやり過ごし
た。苦痛だ。
「山岸さんて、おとなしいんだね」
 誰かが言うのを聞いて陰鬱な気分になる。喋らないからって、勝手に決めつ
けないで欲しい。なにも分からないくせに。
「ねえねえ、山岸さん。彼氏はいるの」
 眼鏡を掛けたニキビの目立つ男が聞いてくる。いかにも男のらしい下卑た質
問。そんなこと、あなたには関係ない。それを知ってどうしようというの。そ
う思うが、さすがに口にすることはできない。
「い、いません……」 
「なぁ、ちょっと眼鏡取って見せてぇな」
 これは、見るからに下品そうな男の子。教室に入ったときから気になってい
たが、なぜかひとりだけジャージを着ている。制服を汚してしまいでもしたの
だろうか。


730 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 15:41 ID:oGkwVIcA
 とにかく、そんなことはしたくない。
「こ、こまります……」
「そないなこと言わんと――」
 ジャージの男の子は食い下がる。すると、
「鈴原ぁっ! なに言ってんのよ。山岸さん、困ってるじゃない」
 女の子が、ジャージの男の子――鈴原?君の前に歩み出て、その耳を思い切
り引っ張った。クラス委員だと紹介された。確か洞木ヒカリさん。
「ごめんね、こいつ馬鹿だから。気にしないで」 
「せ、せやかて、眼鏡外したら、えらいべっぴんさんに見えると思うで。なあ、
シンジもそう思うやろ?」
 鈴原君は、やや後ろ――人の輪の外にいた男に助けを求めた。シンジと呼ば
れた男の子は、急に話を振られ困惑した表情で曖昧な答えをする。
「え、そ…そうだね……」
 質問の輪に加わらず離れてそれを見ていた彼のことが、私はなぜだか気になっ
た。
 私が見つめていることに気がつくと、彼はさっと視線を外した。
 それで分かった。彼は――私と似ている。


733 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/13(木) 16:48 ID:oGkwVIcA
 この学校の図書室の蔵書量は、なかなかのものだった。他では見かけないも
のも、けっこうある。嬉しい。これで学級文庫程度の書量だったりしたら、学
校にくる楽しみも、意味も、なにも無くなってしまう。
 私は、前の学校で読み切れなかったシリーズの続刊など数点を見つくろって、
席に向かおうとした。
 と、本棚の影から出てきた人影とぶつかってしまう。
「きゃっ」
 私は、悲鳴を上げて床に倒れた。本が辺りに散らばる。
「ご、ごめんなさい」
 私は身を起こして、相手を確認する前に、反射的に謝っていた。
「いいよ。僕もぼうっとしてたし。君の方こそだいじょうぶ?」
 見ると、碇シンジ君が尻餅をついたような格好でいる。
「は、はい」
 私は慌てて、本を拾い集めようとした。シンジ君も手近にある本を拾ってく
れる。
 ちょうどふたりの中間に落ちていた本を取ろうと手を伸ばす。私の手は、わ
ずかに早く本に触れていたシンジ君の手に触れてしまった。
 一瞬――時が止まったような一瞬、私と彼は見つめ合い。
「ご、ごめんなさいっ」
「ご、ごめん」
 同時に、手を引っ込めた。


741 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/14(金) 04:09 ID:/Z3hCcRK
 頬が熱い。彼の方も少し気まずそうだ。
 私たちは、互いに目を逸らして本を拾い集めた。
 顔の熱が落ち着いた頃に立ち上がると、碇君が拾った本を渡してくれる。
「はい、これ」
「あ、ありがとうございます」
「本、好きなんだね」
 碇君に言われて私は、
「ええ、本を読んでいるときは、自分の世界に没頭できるから」
 普段心の中だけで思っていて口に出したりはしないことを、自然と喋ってし
まっていた。彼には知っていて欲しい。
「い、碇君は――本、好きですか?」
 私は、すこし上擦った声で碇君に訊いてみた。他人に問い掛けをするなんて、
初めてかもしれない。
「うん、わりとよく読むかな」
「よかった……」
 心の底から、そう思った。彼との共通点をまた見つけることができたから――
だろうか?
「じゃあ、僕、いくね」
「は、はい」
 背を向け図書室を出ていく碇君を、私はずっと見送っていた。


749 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/20(木) 15:44 ID:XHwF1b+K
 家に帰ってからも、彼のことが頭から離れなかった。
 いつもならずっと本を読んでいるのに、それよりも――そう驚いたことにそ
れよりも、楽しい。彼のことを考えると胸の内が暖かくなる。
 自然と顔がほころんでしまう。私はベットの上で身悶えして、慣れないくす
ぐったい喜びに耐えた。
 彼のような人は今までいなかった。土足でこちら側に入り込んでくることも
ないし、他の男子のように下品でもない。
 それに私と似ている。
 彼となら、友達≠ノなれるかもしれない。彼になら、本当の私を分かって
もらえるかもしれない。
(でも、もし裏切られたら……?)
 その想像は、心の高揚を一気に萎えさせた。
 彼は――今日会ったばかりの男の子。他人。私とは別の人。彼のことはなに
も分からない。私が勝手に都合よく思っているだけ。
 私は、彼について努めて冷静になろうとした。期待をすればするほど、裏切
られたと時に辛くなるから。

 次の日。授業中、休み時間、気にしないようにしていても彼の方ばかり見て
しまう。もちろんじっと見つめていたりしたら変に思われるから、ちらちらと
横目でだけれど。
 やっぱり彼は他人と一歩距離を置いている。私と同じように。


751 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/20(木) 16:43 ID:XHwF1b+K
 放課後。帰ろうと昇降口から出た私は、思わず空を見上げてしまった。
 雨が降っている。それほど強くはないけれど、傘無しではとても帰れそうに
ない。
 朝は雲がわずかにあったものの晴れていたし、天気予報でも降水確率は二十
%だったのに。
 ついていない。いつだって私はついていない。嫌なことばかりに出会う。そ
ういう運命なのだと、半ば諦めているが、
「はぁ……」
 ため息が出てしまう。
 私はどうにか止んでくれないものだろうかと、あらためて雨の様子を見た。
一向に止む気配はない。それどころか、強くなったよう見える。
 鞄を掲げて――は無理。だいたい中の教科書やノートがびしょびしょになっ
てしまう。やっぱりどこかで、ビニール傘でも買うしかない。
 そこまで考えて、私は小さく声を漏らした。
「あっ」
 今日は財布を持ってきていない。お昼もお弁当を作ってきたから必要なかっ
た。
 しかたがない。走って帰ろう。風邪をひいてしまうかもしれないけれど、他
に方法がない。それに風邪を引いて学校を休めたら、一日中、本を読んでいら
れる。
 私は投げやりになって、雨の中に飛び出そうとした。


752 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/20(木) 16:44 ID:XHwF1b+K
「山岸さん?」
 背後から声を掛けられて、振り返る。走り出そうとした瞬間だったため、危
うく転んでしまうところだった。
「い、碇君……」
 碇君が傘を持って立っている。
「傘、持ってきて無いの?」
「え、ええ、降る様子がなかったので……。碇君こそ、よく雨が降るって分か
りましたね」
 不思議に思って聞いてみる。まさか、いつも持ってきているわけじゃないだ
ろうし。
「僕は置き傘してたから。よかったら、入っていく?」
「えっ、い、いえ、私は……」
 私は、反射的に断ってしまっていた。自分を呪う。
 幸いなことに碇君は食い下がってくれる。
「嫌だったらしかたないけど。でも、濡れちゃうよ」
「嫌だなんて……。じゃ、じゃあ、お言葉に甘えさせて頂きます」
 しかたがない。無理に断っても、彼の気分を悪くしてしまうだろうし。これ
は自然な流れ。
 私は彼の広げた傘の中に入り、雨の中に一歩踏み出した。ついてないことば
かりじゃない。嫌なことばかりじゃない。ずっと陰鬱に感じていた自分の運命
が、明るく思えてくる。
 その時は確かに、そう思えた。


805 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/22(土) 15:34 ID:T7l84Yoj
 歩き出してから聞いてみると、私の家に寄ると碇君はかなり遠回りになって
しまうらしい。
 私は、彼に申し訳なく思った。
「すみません。私のために……」
「いいよ。気にしないで」
 碇君は笑顔で、そう言ってくれる。優しい。
 ふと見ると、碇君の肩が雨に濡れている。私の方に傘を差し出してくれてい
るから、はみ出してしまっているんだ。
「あ、あの、もっと自分の方に傘、向けてください。このままじゃ、碇君が濡
れてしまいます」
「え、でも、そうしたら山岸さんが濡れちゃうでしょ?」
 一人用の傘で二人を完全にまかなうのは難しい。私と碇君は少し間を空けて
並んでいるので、なおさらだ。
 私は思いきって言ってみた。
「も、もう少し…近付きませんか……?」
「そ、そうだね……」
 横に半歩ずつ近付いて、肩が触れ合う。それで私たちは、ようやく雨を避け
ることができた。
 言葉が出ない。だんだんと顔が火照っていくのが分かる。
 碇君も同じようで、ぎこちなく真正面だけを見ている。
 しばらくの間、肩を寄せ合いながら雨の中を黙って歩く。
 これって……相合い傘?
 爆発したみたいに顔が熱くなって、私は両手で顔を覆った。
「どうしたの?」
「な、なんでもないです」
 驚いて覗き込んでくる碇君に、慌てて答える。
 馬鹿みたいな想像だと自分でも思うが、今、碇君と私はまるで――まるで本
の中の恋人同士みたいに見えるかもしれない。
 妄想でしかない。それは分かっている。けど、今だけ、家に着くまでの間だ
けは、この本の中に迷い込んだような気分を味わっていようと思う。
 冷たい雨が降る中で、碇君の体温が酷く熱く感じられた。


806 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/22(土) 16:12 ID:T7l84Yoj
 夢見心地でいる内に、家に着いてしまった。残念に思う。どうせなら永遠に
着かなければよかったのに。
 義父が第三新東京市に滞在する間、貸し与えらた一軒家。作りは新しく、住
み心地はいい。
「じゃあね。また明日」
 あっさりと立ち去ろうする彼に、
「あ、あの、少し寄っていきませんか? 体も冷えてしまったでしょうし……」
 私は、勇気を振り絞って言った。 断られたらどうしよう……。
 碇君は考えるように視線を巡らせてから、
「うん、お言葉に甘えようかな」
 うなずいてくれた。
「はい」
 顔が、ほころんでしまう。よかった。ほんとうによかった。
「どうぞ、入ってください。誰もいませんから、気を使わなくても平気です」
「お邪魔します」
 二階の自分の部屋に彼を案内する。
「ちょっと待っててください。なにか、飲み物持ってきますから」


807 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/22(土) 16:12 ID:T7l84Yoj
 私は急いで、階下に駆け下りた。
 台所に着いてから胸に手を当てると、ばくばくとすごい勢いで胸が脈打って
いる。
 今部屋に男の子が――碇君がいる。そのことが私を興奮させた。
 意味もなくその場で立ったり、しゃがんだりを繰り返してしまう。
 あぁ、こんなことをしている場合じゃない。
 冷蔵庫を開けると、まだあると思っていたオレンジジュースがない。飲みも
のであるのは義父の缶ビールくらいだ。
 しかたなく冷蔵を閉めて、台所を見回す。
 しょうがない。インスタントコーヒーで我慢してもらおう。碇君、コーヒー
はだいじょうぶだろうか?
 砂糖を取ろうと戸棚を開けて、私の目は白い紙袋に止まった。
 以前、不眠気味だったときに病院で処方してもらった睡眠薬の袋だ。中を見
ると、まだ三分の一くらい残っている。
 まだ残ってたんだ。もう全部使ってしまったと思っていた。
 ふと、用意したコーヒーカップを見る。
 もし、これ≠コーヒーに混ぜたら――


839 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/24(月) 15:38 ID:4Y8CcV8k
 薬袋を強く握りしめていることに気づき、私は激しく首を振った。
 なにを考えているんだろう。そんなことをして、碇君をどうしようというの
だろうか、私は。
 馬鹿げてる。
 私は気を取り直してコーヒーを用意すると、碇君の待つ自分の部屋に戻った。
「お待たせしました」
 碇君は、行儀よく正座している。
「山岸さんって、ほんとうに本が好きなんだね」
 私は最初、彼が部屋の中で一番目立つ大きな本棚を見て言っているんだろう
と思った。けれど、違った。
「この部屋、本の匂いがする」
 私は、一瞬放心してしまった。それが、碇君には呆れたように見えたらしい。
「ご、ごめん、変なこと言ったかな……」
 気まずそうに、碇君は謝ってくる。
 もちろん私は呆れてもいないし、気分を害してもいなかった。その逆。
「い、いえ……好きなんです。本の匂い。心が落ち着くっていうか」
 本を開いたときの、あの微かな匂い。それを嗅ぐと悲しみも、寂しさも、苛
立ちも、みんな忘れることができた。
「うん、落ち着くね。懐かしい気もするし」
 しみじみと言った感じで、碇君が言う。
 他の人にも分かってもらえるなんて思わなかった。ううん、きっと碇君だか
ら分かってくれた。私と似ている彼だからこそ。
 私は、すっかり有頂天になって本のことを語り出していた。たぶん熱が入り
すぎていたのだと思う。


840 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/24(月) 15:39 ID:4Y8CcV8k
「本のこと喋ってるときの山岸さんって、別人みたいだね」
 そんなことを碇君に言われてしまう。
「す、すみません。私、一つのことに集中すると他が見えなくなるみたいで……」
「あやまらなくていいよ。きっとこれが本当の山岸さんなんだろうね」
 本当の私? うん、そうだ。本を読んでいるとき、語ってるとき、それが本
当の私。それ以外は偽物。碇君は、それを分かってくれる。碇君だけが分かっ
てくれる。知ってくれている。
 時間は、あっという間に過ぎてしまった。
 私は、おすすめの本と碇君が興味を示した本を、彼に貸すために渡した。
「ありがとう。借りるね」
「よかったら感想聞かせてください」
「うん。じゃあ、明日学校で」
「さようなら」
 玄関で碇君を見送って、私は自室に戻った。
 急に部屋が広くなったように感じられた。なんだか肌寒いような気もする。
一人には慣れているのに。
 さっきまでとは、まるで別の世界のよう。白昼夢だったのではないかとさえ
思えてくる。
 私は碇君の座っていたクッションを手に取り、頬擦りした。暖かい。これが
彼がここにいた証し。現実だった証拠。
 私は碇君の温もりが消えてしまわぬようにクッションを、強く、強く抱きし
め続けた。


850 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/27(木) 01:05 ID:voVvnvAk
 晴れ渡った空の下を歩く。足取りが軽い。
 学校へ行くのが楽しみだなんて、生まれて初めて。理由は単純だ。彼に会え
るから。
 スキップしたい気持ちを必死に抑えながら歩いていて、私は声を上げそうに
なった。
 道の先に碇君がいる。
 声を掛けようと走り出して、私の足は途中で止まう。碇君の隣を女の子が歩
いていた。
 確か、惣流さん。ハーフかと思ったらクォーターらしい。一言で言えば、綺
麗な人だ。私なんて比べものにならないくらい。
 見ていると、碇君の頭を惣流さんがこづいたので、私はびっくりしてしまっ
た。けれど、叩かれた碇君は頭に手を当てて文句を言ったものの、本気で嫌がっ
ている風ではない。さらによく見ると、碇君は惣流さんの鞄も持ってあげてい
る。
 二人関係が、私にはよく分からなかった。ただ、友達以上のような気がする。
二人の様子が、とても自然に見えたから。

 私は――気は進まなかったが――碇君と親しいらしいジャージと眼鏡の男の
子に、碇君と惣流さんのことを聞いてみることにした。


851 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/27(木) 01:06 ID:voVvnvAk
「碇と惣流?」
「え、ええ」
「なんでまた山岸さんが、あの二人のこと気にするわけ?」
「そ、それは……興味本位なんですけど、あまり接点が無そうなのに親しいみ
たいなので……」
 眼鏡の方の男の子に突っ込まれて、私は苦しい言い訳をした。少し勘が鋭そ
うだ。ジャージの方の男の子は、なにも考えてなさそうだけど。
「そりゃ一言で言ぅたら、夫婦やろなぁ」
「ふ、夫婦ぅ?」
 ジャージの子の言葉に私は、すっとんきょうな声を上げてしまった。
「そそ、妻は碇の方だろうけどさ」
 眼鏡の子が追従する。そりゃあ、碇君が甲斐甲斐しく惣流さんの世話を焼い
ている姿はよく見るけれど。でも。
 続いて出てきた発言は、混乱する私に追い打ちを掛けた。
「もう、一つ屋根の下やしなあ」
「ど、同棲してるんですか?」
 ショックだった。立っていられるのが不思議なくらい。
「でも、どうして……?」
 呆然して立ちつくす私に、眼鏡の子が頭を掻きながら説明してくれた。
「それはさ――」


853 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/27(木) 02:57 ID:voVvnvAk
 それによると、碇君と惣流さんはネルフの巨大ロボットエヴァンゲリオン
の専属操縦者なのだという。
 上司の家に三人で同居しているそうだ。
 私は身近に感じていた碇君が、急に遠い存在になってしまったように感じら
れた。ロボットのパイロットだなんて……。

 休み時間、碇君が本を返しに席にきてくれた。感想を聞くと、やっぱり私と
似たような感じ方をしたみたいだ。こんなに似ているのに。
 また本を貸すことを約束する。

 碇君だけでなく、惣流さんの姿を追うことも多くなる。どうしても気になっ
てしまう。
 我が強く、物怖じしない人のようだ。先生にだって、言いたいことははっき
り言う。私とは真逆のタイプ。好きになれそうにはない。
 
 碇君とは放課後に、私の家や図書室で本の話をするようになった。碇君の家
に誘われたこともあったが、惣流さんもいると思うと気後れしてしまって、私
は遠回しに断った。
 その時間は至福と呼べるものだった。後に見ても、眩しく輝いて見えるだろ
うと思う。私の人生で数少ない誇れる時として。
 いつしか私と碇君とは、本を通して友達と言えるくらいの関係にはなってい
た。
 けれど私の胸の中にはずっと、もやもやとしたものがわだかまっていた。そ
れらは、碇君と惣流さん――それに無口な綾波さんもだけど――がネルフの職
務で学校を休んだり早退したときや、二人が碇君の作ったお弁当を食べている
とき、それに――なんと言っても一番はこれなのだが――私と別れた後の碇君
が、家で惣流さんとどう過ごしているのかと想像したときに、ざわついて私を
苦しめた。
 私は友達という曖昧な関係に耐えられなくなっていた。だから、遅かれ早か
れ聞いてしまっていたと思う。
「惣流さんのこと、どう思ってるんですか?」


858 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/27(木) 15:36 ID:Q1TEx3YF
「ど、どうしたの急に……?」
 図書室で向かい合わせに座っていた碇君は、明らかに動揺を見せた。
「そんなこと聞くなんて…なんか、山岸さんらしくないね」
 自分でもらしくないと思う。今までの私からは大きく外れた行動だ。でもも
う、後には退けない。
 私は半分身を乗り出して、碇君に迫った。
「教えてください。友達ですか?」
 碇君は、考える間を置いてから答えてくる。
「……友達じゃないと思う」
「じゃあ、恋人ですか?」
「こ、恋人!?」
 碇君は悲鳴みたいな声を上げた。
「ち、違うよ。そんなんじゃない。僕とアスカは、そんなんじゃないよ」
 否定を繰り返す。なにかが引っかかった。
「……じゃあ、なんなんですか?」
 碇君はさらに時間を掛けて、ゆっくりと言葉を吐き出す。自分でも意識して
いなかったことを、整理しながら答えているみたい。
「家族でもないと思うし。仲間かな……? 同じエヴァのパイロットの。うん、
アスカは仲間だよ」
 仲間。エヴァのパイロット。私は、また疎外感を覚える。
 それに――もちろん知ってはいたが――碇君と惣流さんがお互いを名前で呼
んでいることも、私を打ちのめした。私と碇君は、姓で呼び合って君付け、さ
ん付け。
 どちらが深い関係かなんて――考えるまでもない。


860 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/27(木) 16:23 ID:Q1TEx3YF
 私の部屋には、大きな熊のぬいぐるみがある。だいぶ前に義父が買ってくれ
たものだ。一人遊びの相手を努めてもらうことも多かった。
 私はそのぬいぐるみを、にらめっこをするみたいに正面から見据えていた。
「シ……」
 さっきから出そうとしている声が出ずに、息苦しい。
「シンジ……」
 やっとのことで吐き出す。
 今度は顔が熱くなってしまう。鼓動が速くなり、やっぱり苦しい。でも心地
の良い辛さだ。
 私は、ぬいぐるみを手にとって引き寄せた。 「マ、マユミ……」
 腹話術士がするみたいに、ぬいぐるみの頭を動かしながら言う。
 顔がさらに赤くなる。気恥ずかしい気持ちが広がって――なんというか幸せ。
 でも、それも一瞬。
「馬鹿みたい……」
 私はぬいぐるみを抱えたまま、ベットに倒れ込んだ。
 虚しい。
 からっぽだ。私の心はからっぽだ。なにも無い。誰もいない。
 だから本を読む。中身を入れたくて。たぶんそう。
 でも、どれだけ本を読んでもそれはやっぱり借り物で、本当の私の中身じゃ
ない。
 碇君なら私の中身になってくれるかもしれない、そう思った。でもだめ。碇
君には惣流さんがいる。
 私には彼女に勝てるものが、なにひとつ無い。
 でももしかしてひょっとしたら、本当に碇君は惣流さんを仲間だと思ってい
て、恋愛感情はないのかも。変に勘ぐってしまうのは、私が臆病だから。
 私は、抱きしめていたぬいぐるみの顔を見つめた。このぬいぐるみみたいに
、碇君をずっと手元に置いておければいいのに。
「本当は、どうなんですか?」
 もちろん、ぬいぐるみは答えてくれない。
 私は彼に、そっと口づけした。



862 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/27(木) 16:53 ID:Q1TEx3YF
 放課後いつものように図書室に向かおうとしていた私の足は、惣流さんに手
を引かれて歩く碇君の後ろ姿を見て止まった。
 階段を上がっていく。屋上にいくみたいだ。
 私は、彼らの後を追っていた。
 屋上に出て、そっとあたりを見回すが碇君達の姿はない。と、
「や、やめようよ」
「なによ。びびってんの?」
 声が聞こえてくる。近くだ。
 どうやら二人は出入り口の影にいるらしい。私は壁に背を付けながら、慎重
に近付いた。声は止んでいる。角から顔だけを出して――
 すぐに引っ込めた。
 見なきゃよかった。こなきゃよかった。二人の姿なんか見つけなければ。私
は運命を本気で呪った。
 二人は――碇君と惣流さんはキスをしていた。
 長いキスは終わったみたいで、また声が聞こえくる。
「……まったく。誰かに見られたら、どうすんのさ」
「それがいいんじゃない。スリルがあって。まぁ、こんなとこ誰もきやしない
でしょうけどね=v
 語尾が妙に強調されている。私はそれが自分に向けられた言葉のように感じ
られた。そんな、まさか――
「なんだったら、最後までしてみる?」
「ば、馬鹿言わないでよ」
「なによ。うちじゃあ、猿みたいにしてるくせに」
「そんなこと……だいたい最初にしようって言ったのアスカじゃないか」
「そうだった? でもあんたのここは、今すぐにでもしたいみたいよ」
「ちょっ」
 チャックを下ろす音。
「ふふ、びんびんじゃない。本番が嫌なら口でしたげるわ」
 すぐにその場から逃げ出したかった。耳を塞ぎたかった。でも、そのどちら
も私にはできなかった。


878 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 04:15 ID:22ZbGPo+
 くちゃくちゃと滑った音が、辺りに響く。
「あぁ、うぅぅ」
 それに碇君の呻き声。
 音だけでも、二人がなにをしているのか分かってしまう。
「どお、気持ちいい?」
「う、うん、気持ちいいよ。とっても……」
 汚される。碇君が汚されていく。
「そう言えばさ。あんた、最近転校生と仲いいみたいじゃない」
「え? う、うん」
 私は、どきりとした。
「山岸だっけ? あの暗い子」
 勝手に決めつけないで。あなたのような傲慢な人に、本当の私が分かるはず
もない。
「そんな言い方……よくないよ」
 やっぱり碇君は優しい。この女が、彼をたぶらかしているんだ。
「好きなわけ?」
「ど、どういう意味?」


879 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 04:16 ID:22ZbGPo+
「馬鹿ね。惚れてんのかって聞いてんのよ」
 私は期待してしまっていた。碇君の答えを。でも、
「山岸さんは、そういうんじゃないよ。話も合うし一緒にいると落ち着くけど、
ただの友達だよ」
 分かっていた。そうであることは十分、分かっていた。けど、それでも思っ
てしまう。裏切られた、と。
「まっ、そうでしょうね。この私が、目の前にいるんですからね。他の女に目
なんか行くはずないわ」
「あ、アスカ、もう、イキそう…だよ……」
「ふふっ、いいわよ。たっぷり出しなさいよ。私にしゃぶってもらえる幸せを
噛みしめながらね」
 助けてあげなきゃ。
 あの女が、碇君を堕落させているんだ。
 だから助けてあげなくちゃ。
 それができるのは、私だけ。
 早くあの女から、碇君を助けてあげなくちゃ。
 一際高くなった碇君の声を背にして、私はその場を立ち去った。


885 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 16:53 ID:v80bBvZd
 数日後、私は碇君を家に誘った。
「面白いビデオがあるんです。見ませんか?」
「うん、いいよ。映画?」
 屈託の無い笑顔の碇君。けれどそれは、私がビデオの再生ボタンを押すと同
時に凍りついた。
「な…なんで……」
 碇君は絶句してしまって、二の句が継げない。
 画面には、学生服姿の男女が絡み合う姿が映し出されている。学校の屋上で、
あの女が碇君の上にまたがっていた。
 あれからあの女は毎日のように碇君を連れ出して、彼を汚していた。それを
見るのは酷く苦痛だった。二人がとうとう性交渉自体に及んだときには、飛び
出して碇君からあの女を引きはがしてやろうかと思った。
 けれど私は耐えた。唇を噛みしめて、拳を握り爪を食い込ませて。おかげで
こうして武器≠手に入れることができた。
「面白いですよね? 学校の中でこんなことしてる人たちがいるなんて」
「見てたの……? 山岸さんが撮ったの……?」
「ええ、たまたま通りかかって」


886 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/03/31(月) 16:54 ID:v80bBvZd
「嘘だ! そんなのあるわけないじゃないか! たまたまあんな所をカメラを
持って通りかかるなんて」
 碇君は興奮して、私に詰め寄ってくる。
「落ち着いてください」
 私は静かに――とても静かな声で言った。そうして碇君が、落ち着くのを待っ
てから、
「これが学校やネルフに送りつけられたりしたら大変ですよね。テレビ局でも
いいかもしれない。すごいスキャンダルになるでしょうね。エヴァのパイロッ
ト同士が――」
「やめてよっ!」
 また碇君が叫び声を上げて、私の言葉を遮る。けどその顔は怒りではなくて、
今にも泣き出しそうな顔だ。
 私は気分が良くなった。碇君がいけないんですよ。あんな女に引っかかるな
んて。
「だいじょうぶ。私だって、そんなことはしたくありません」
 私はしゃがみ込んでしまった碇君に合わせて身を屈め、彼の背中にそっと手
を回した。
「その代わり、碇君には一つだけ私の言うことを聞いて欲しいんです」


910 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/03(木) 03:09 ID:1qDm+N0+
 日曜日。人通りの多いの繁華街を、私は女の子と並んで歩いている。
 桜色のワンピースを着て眼鏡を掛けた、セミロングの髪の女の子。碇シン
ジ≠ニいう名の女の子と。
「…………」
 碇君は頬を染めて、ずっと下を見て歩いている。恥ずかしくて周りが見られ
ないみたい。可愛い。
 ワンピースは気に入って買ったのだけれど、私が着るとちぐはぐな印象――
お刺身にソースをかけたみたいな――になってしまい着るのを諦めていた物。
碇君には、よく似合っている。眼鏡は予備のやつだ。さらにカツラを着けても
らっている。こうするとどこから見ても、立派な女の子だ。
「ね、ねえ……」
 碇君は私の腕を掴んで、上目遣いの視線を送ってきた。これからどうするの
か、不安みたいだ。その仕草も本当の女の子みたいで愛らしい。
 私は、この女の子≠ニどうすごそうか――どこで買い物をして、どんな映
画を見て、なにを食べようか、一瞬の内に考えが浮かんだが、それを涙を飲ん
で破棄した。
 碇君に女装してもらっているのには、ちゃんと理由がある。彼には、外では
常にネルフの警備が付いている。それは私が碇君を、あの淫売から守るのを邪
魔するだろう。
 だから碇君には駅のトイレで変装してもらい、念のためそれまで身につけて
いたものは全部コインロッカーに預けてきている。
 それから周囲の様子には気を配っているのが、幸いあの目立つ黒服姿の人たち
は見あたらない。
「そうですね。そろそろ私の家にいきましょうか」
 私の言葉に、碇君はほっとした表情を見せた。そうです。安心してください。
碇君は私がずっと守ってあげます。あの女から。他人から。全てから。
 ずっとずっと――守ってあげますから。


914 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/03(木) 16:34 ID:HAC4WdFy
 自室に帰った私は、テーブルを挟んで碇君と向かい合って座っていた。ゆっ
くりと時間が過ぎていく。彼の姿を見ているだけで、私は満たされる。
 碇君は、そわそわと落ち着かない。
 紅茶を一口飲んで、
「やっぱり似ていますね、私たち」
 数分ぶりに言葉を発すると、碇君はびくりと体を震わせた。
 女装した碇君は、その姿も私とよく似ていた。鏡を見ているよう、とまでは
いかないけれど、姉弟――いいえ、姉妹のように思える。
「そ、そうかな……」
「ええ」
 戸惑う碇君に、私は自信たっぷりに頷いた。
 また紅茶を口に運び、沈黙してみる。
 しばらく碇君も紅茶を飲んだり、視線をあちこちに移動させたりしていた。
けれど、とうとう耐えられなくなったのか、私に疑問をぶつけてくる。
「……山岸さん、僕になにをさせたいの? こんな格好させて……」
「似合ってますよ、とっても」
 私がはぐらかすと、さすがの碇君も頭にきたようで立ち上がった。
「用がないなら帰るね」
 言い放ち部屋を出ていこうとする碇君の手を、私も立ち上がって掴んだ。
「だめです。碇君は、もう一歩もこの部屋から出ないでください。それがあの
ビデオを公開しない条件です」
「ば、ばか言わないでよ。そんなことできるわけない」
 碇君は本気で怒ったみたいで、語気がいつになく強い。でもこれが碇君を守
るたった一つの方法。
「それに、いまからじゃたぶん家には帰れませんよ」
「え……なに言って……あ…れ……?」
 足下をふらつかせて倒れかかった碇君を、受け止める。予想通り、睡眠薬が
効いてきたみたい。
「もうなにも心配いりませんよ、碇君」
 完全に意識を失った碇君を、私は慎重にベットへと運んだ。


920 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/04(金) 16:45 ID:CXZ9I+Ja
 カツラと眼鏡を取っても、碇君の面立ちでは十分に少女に見える。
「こうして眠っていると、まるでお人形さんみたいですね」
 私は眠っている碇君の唇に、自分の唇を重ねた。柔らかさ、暖かさを味わっ
て離す。
 私は唇に手を当てて、その場で飛び跳ねた。
 キスをした。碇君――いえ、シンジ君とキスをしてしまった。
 その事実を噛みしめると、幸せが体の隅にまでいき渡るようだった。私は今、
世界中で一番幸せな女の子かもしれない。
 これだけで十分満足できていたと思う――あの女の存在さえなければ。
 そうだ。あの女が汚した所は全て、きれいにしてあげなくちゃいけない。そ
うしないとシンジ君が腐ってしまう。
 ワンピースを脱がせて、さらに衣服を剥いで碇君をブリーフだけの状態にす
る。露出した碇君の肌は、白くてとても美しい。
 私は、シンジ君の胸に顔を埋めた。シンジ君の匂い、体温、鼓動、今まで知
ることのできなかったそれらが、一度に私に伝えられる。
「ふふっ」
 ピンク色の小さな突起を摘んでみる。なんとも言えない感触だ。
 浮き出た鎖骨や、肋骨を撫でるのも快い。
 私は碇君の体をしっかりと抱きしめてその肌触りを堪能してから、名残惜し
く一度身を離した。


921 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/04(金) 16:45 ID:CXZ9I+Ja
 シンジの下半身に目を向ける。
 一呼吸してから、私はシンジ君のブリーフを引き下ろした。
 するとシンジ君の股間に象の鼻のような器官が現れる。
「これがシンジの性器……」
 この日のためにネットで画像をあさりモニター上で見てはいたけれど、実物
を見るのはもちろん初めて。ネットで初めて無修正画像を目にしたときには、
醜悪で吐き気さえ覚えた。こんなものがシンジの君にも付いているなんて信じ
られなかった。
 けれど今目の前にして、私はそれ≠早く触ってみたいと思った。口に含
んでみたいとさえ。
 シンジ君の性器であるということが、私をそれ≠ゥら目を離せなくしてい
る。
 私は内から突き上げてくる衝動を抑えて、机の引き出しからネット通販で手
に入れた手枷と足枷、それに口を取り出して、シンジ君を拘束した。
 こんなことをするのは不本意だけれど、目が覚めたときあの女に騙されてい
る彼はきっと抵抗すると思う。それを思うと悲しい気持ちになる。
 けど、すぐに私の気持ちを分かってもらえると思う。あの女のことなんて、
微塵も残さず忘れてくれると信じている。


925 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 04:32 ID:PO18YENP
 私はシンジ君の性器を掴んで、口に入れた。
 あぁ、私は今、シンジ君のおちんちんを舐めてるんだ。興奮で体が小刻みに
震えている。
 汚いなんて思わない。しょっぱさも気にならない。美味しい。すごく美味し
い。私は夢中で、シンジ君のおちんちんをしゃぶり続けた。
 そのうちに、口の中で性器が大きさを増してゆくのが分かった。
「ふふっ、感じてるんですね。シンジ君」
 口を離すと勃起したおちんちんは、亀頭の先を覗かせている。
 ゆっくりと皮を剥くと、ピンク色の亀頭が完全に露出した。とてもきれいで、
私は見とれてしまう。
 私はスカートとショーツを脱ぎ捨てて、ベットの上に登った。自分の性器を
見下ろす。恥毛が、また濃くなったような気がする。同級生の子と比べても濃
い方だと思う。ちょっとコンプレックスだ。
 性器からは透明な滴が、よだれみたいに垂れている。心と同じで、体も早く
シンジ君を迎え入れたくてしかたがないみたい。
 私は腰を屈めて、おちんちんを握り性器に押し当てた。
 とうとう、シンジ君とひとつになれる。
 体重を落として、おちんちんを性器にくわえ込む。
「あぁ――」
 きつい。想像していたよりもずっと。
 でも、やめるだなんて考えられない。私は、痛みを無視してシンジのおちん
ちんを全て飲み込んだ。
「はぁ……」
 熱い。性器も胸の内も、ぜんぶ熱い。
 私は、シンジ君の顔の脇に両手を着いた。
「あは、シンジ君、分かりますか? 私とシンジ君、繋がってるんですよ。ひ
とつになってるんです」
 私の心を分かってくれるシンジ君と、体もひとつになることができた。こん
なにも似ているふたりが、ひとつになることはきっと定められた運命。これか
らはずっとふたり、けして離れるもんか。
 声が聞こえたのかシンジ君が、うっすらと目を開ける。


939 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 15:32 ID:Svlwxkbc
「うぅ?」
 私を見て、結合している下半身を見て、
「うぅ、うぅううぅ!」
 シンジ君は血相を変えて、逃れようと身をよじった。でも、拘束してある状
態では大した抵抗にはならない。
「だ、だめですよ。私が動きますから、シンジ君はじっとしていてください」
 私は、シンジ君の上で腰を動かし始めた。性器に感じる刺激が痛みなのか、
気持ちよさなのかそんなのは分からない。
 ただ、私はシンジ君とセックスしている。それは愛し合う二人が至る到達点。
その思いだけで、私は腰を上下させた。
「う…うぅ……うぅぅ」
 いつしかシンジ君の声は、切なげなものに変わっている。
「気持ちいいですか? おちんちん、気持ちいいですか?」
 私は動きを早めた。そして――
「うぅ、うぅぅっ!」
 私の中にシンジ君の精が放たれる。
「あぁ、出てますよ、シンジ君。私の中に、あなたの精液がすごいたくさん!」
 最愛の人の精子を子宮で受け止める。恍惚。天にも昇る気持ちとは、このこ
とだと思う。
 なのに碇君は、今にも泣き出し顔をしている。しかたがないことだけど、やっ
ぱりすこし興を削がれてしまう。あ、けど、
「シンジ君、まだしたいんですか?」
「うぅ、うぅうぅ」
 シンジ君は激しく首を振った。けれど私の中にある彼のおちんちんは、まだ
硬いままだ。
「気に入ってくれたんですね。私の――おまんこ」
 きっと私たちは、性器の相性もいいに違いない。私は嬉しくなって、腰の動
きを再開させた。


941 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 16:54 ID:Svlwxkbc
「ううぅ、うぅ」
 リズムを取りながら、腰の動きを繰り返す。
 五分もすると、シンジ君は再び精液を噴出した。私の膣内は、きっと精液で
溢れてぐちゃぐちゃになっている。とろけてしまいそう。
「うぅ……うぅぅ」
 さすがに、シンジ君のおちんちんは萎えて小さくなってしまった。
 でも私は、もっとシンジ君とセックスしたかった。だんだんと気持ちよさが
分かってきたような気がする。
「シンジ君、もう一度しましょう」
「うぅ!」
 シンジ君はいやいやと、首を横に振った。目は見開かれていて、そんなの無
理だと訴えている。
 でも、だいじょうぶ。
「私、シンジ君のために勉強したんです」
 人差し指を舐めて濡らして、シンジ君のお尻の穴に押し入れる。
「うぅぅっ!」


942 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/05(土) 16:55 ID:Svlwxkbc
 シンジ君は、くぐもった悲鳴を上げた。口枷をしてなかったら、近所中に響
き渡っていたかもしれない。
 差し入れた指で、睾丸の裏の辺りを撫で擦る。前立腺と言うらしい。
「うぅ」
 丹念に何度も撫でていると、シンジ君のおちんちんはゆっくりと大きさを取
り戻していった。
「ほら、これでまだできますね」
 私は涙を流すシンジ君の上で、彼のおちんちんをむさぼった。
 もっともっとたくさん、シンジ君の精子を受け止めよう。ふたりの子供がで
きるように。
 男の子がいいだろうか。女の子がいいだろうか。
 両方欲しい。
 けど、三人生まれても女の子ばかりの姉妹で、男の子が生まれないなんてこ
ともあるかもしれない。いい、そのときは四人でも五人でも、十人でも男の子
が生まれてくれるまで産み続ければいい。
 
 その日のシンジ君は、どこをどう触っても五回が限界だった。


953 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/06(日) 04:17 ID:SiJJxe9O
 私は、おはようのキスがしたくて――その欲求が抑えきれずに――彼の口枷
を外そうと手を伸ばした。彼だってもう、私がどんな風に彼のことを思ってい
るか理解してくれたはず。無闇に声を上げたりはしないと思う。
 口枷に手が掛かる。なぜか彼の顔は怯えているように見えた。そんなわけな
いのに。
 口枷が外れて、
「シンジ君――」
「変態っ! 近寄らないで、触らないで。帰してよ、僕を家に帰してよっ!」
 シンジ君は絶叫した。
「変態?」
 無意識に、私はシンジ君を平手で殴っていた。無意識なのだから、加減なん
かできるはずもない。
 パンッ、という甲高い音が四、五回もしただろうか。気が付くと、両の頬を
真っ赤に腫らしたシンジ君が倒れていた。
 酷いことをしてしまったと思う。今の彼はあの女の影響を受けているから、
私を受け入れてくれるに時間がかかるのはしかたがないのに。
 私は謝ろうと口を開いて、
「ごめん――」


954 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2003/04/06(日) 04:18 ID:SiJJxe9O
 けれどそれは、シンジ君のさっき以上の大音量の叫び声にかき消されてしま
う。
「助けて! 誰か助けてっ! アスカァ!」
 一瞬、目の前が白くなったような気がした。
 顔面を足で蹴った。
 なんで、私の気持ちを分かってくれないんだろう。こんなに大切に思ってい
るのに。
 馬乗りになって、握った拳を無茶苦茶に叩き付けた。
 どうして、あの女の名前なんて呼ぶんだろう。よりによって、あの女の名前
を。
 拳が痛くなって叩くのをやめると、拘束してあるせいで腕で顔を庇うことも
できないシンジ君は、ぼろぼろになって鼻からは血さえ流れていた。
「やめて……やめてよ……」
 弱々しく呻く彼にまた口枷をはめて、手足の拘束を確認してからクローゼッ
トに押し込める。
 一緒に朝食を摂ろうと思ったに――。
 まあいい。私が学校にいってる間、ひとりでいれば頭を冷やしてくれるでだ
ろう。そうすれば、誰が本当にシンジ君をかけがえなく思っているか理解して
くれるはず。


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